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大量印刷物の正体

わたくしまるこ事ではありますが、3月26日(木)~4月7日(火)まで
イラスト展をやります~(^^)/
先日、第10回活版印刷体験の前に朝からせっせこ刷っていた大量のものは、その為のDMだったのです(^^;)そんなに沢山あてがあるわけでもないのに300枚以上の印刷・・・さらに後日ほかの印刷も・・・
(印刷やさんに出しなさいよ、という感じですね 笑)
そんなわけで、気合いを入れて早朝から来たのでした。

この日は表面のイラストの印刷。版制作の際に、イラストの微妙なタッチの線(かすれている部分など)って、出るのかなぁ。という想いを真映社さんに伝えると、角田さんは「原画の細かい線全てを拾って版として出すのには限界があるけれど、ある程度はできるよ」と2種類の版を出してくださいました。ありがとうございます~(;;)


一つは原画と同じ線の太さの版。出ているイラスト全体の印象はほぼ原画と一緒なのですが、その為版にする時拾いきれずに、原画にある線・点が飛んでしまう部分があります。実際使用したのはこちらなので、まだスミインキが少しついています。


もう一つはそこから少し全体の線を太らせた版。こちらは全体の印象が原画より太くなっていますが、細かい部分がより拾えていました。わかるでしょうか、一つ目の版より波の線が多く出ています。
う~ん、細かい線や点のあるイラストって難しい。。でも、おもしろいなぁ(^^)またひとつ勉強です。

印刷時には、イラスト部分以外の端が黒くついてしまうという問題がでたので、こんなふうにイラストのサイズに紙を切って、

印刷する紙側から出っ張らせます。

薄い紙一枚でも、問題解決~(^0^)/

刷る紙は薄いものに挑戦しました。アイリスボンドという紙で、ところどころに透かしが入っています。

ひらひら~と工房中を占領してしまいました(^^;)

大変だ、手前がしなりはじめている!そんな事より早く片付けないと!
と一人土曜の朝から大慌てなのでした。

まだまだ続きます、展示会用大量印刷(笑)

恐れながら、展示の詳細はこちらです。
DMこんなに刷って誰も来てくれなかったらどうしよ~(笑)
でもそれはそれでおもしろいかも~(笑)
と300枚刷りの達成感でへんな事を考えにやにやしてしまうのでした。

活版体験のこと

来年1月より再開いたしますワークショップ。
現在予約受付中です。

どんな事をやるのか
ちょっと解説することにしましょう。


1.ポストカードにしたい絵柄(線画が向いてます)を送っていただき、凸版に起こします。凸版を作ってくださるのは神保町の真映社さんです。
写真は樹脂版。(亜鉛版での制作も可能です)


2.版をレイアウトに添ってメタルベースに糊で固定。ここで平面が出ていないとムラの原因になりますので慎重に。インテル・ファニチュア・ジャッキなどを用いてチェースに固定します。


3.朱・赤・藍・緑・黄・白・墨・草・群青・銀の中から色を決めて練ります。大体一回の印刷には空豆ひとつ分くらいのインキを使用。勿論混色もOKですよ。


4.インキローラーを本体に装着します。

 

5.チェースに固定された凸版を本体に装着。圧盤上のスケールを使って紙の位置などを大体決めます。

 
 
 
 
 
 
 


ねえねえ、なにやってんのー?
 
 
 
 
 
 
 
 

 


6.インキをインキ盤につけてハンドルを上下しながら均一に広げます。これ実際にやるとインキが広がる様がとてもキレイで盛り上がります。
 
 


 

わーキレイ。
 
 
 
 

 
 
 
 
7.試し刷り。
 

 


さぁ刷れたかな?
 
 
 

このときに紙を決めましょう。ユニバーサル・レタープレスでは、波光、セビロ(ウォーム)、ヴァンヌーボ(V/スノーホワイト)、ハーフエア、ロベール(ナチュラル)、プリマ、キャピタルラップの7種類から選べます。裏面にはPostcardという文字と飾り罫が刷ってありますが、不要な方は刷り込みの無いものも選んでいただけます。
しかしながら凹凸のある紙は版によってはきちんと刷れない場合があるので相談しながら決めてゆきます。
 
 
 

8.4点のボルトを使用して、圧盤が凸版に並行に接地するようバランスを整えます。これが結構大変。ムラ無く均一にインキが着くようになるまでなるまで根気よく調整を繰り返します。


9.バランスが取れましたらゆっくりと(しかし力強く)ハンドルを押して本番刷りです。お好みの20枚で刷っていただけます。


10.刷り上がったものから乾燥用カードラックに挿して乾燥させます。(完全に乾くまでは1日ほどかかるので、お持ち帰りの際には紙を挟み込んでお渡しします。)


おつかれさまでした
 
お茶を飲みながら刷りあがり自慢しあう楽しいひとときです。
(お祭りも最高潮のようですよ)
 
 
 

 
 
 
以上簡単ですが手順のご紹介でした。
これらの操作はまるこ店長が解説しながら
一緒に行います。

刷り終わった版はお持ち帰りいただけますので、
ご近所の活版印刷屋さんにお持ちいただければ
刷って貰うことも出来ますよ。

是非、これをきっかけに
活版印刷に親しんでくださいね。

ミスターでした。
 
 


紙面のい対してこれくらいの絵柄のサイズだと割と凹みます。全面の絵だとまず凹みは出来ませんから、あの独特の凹みを体験したい人は少し小さめの絵柄にすると良いと思います。(このカードはマッチャン製です)
 
 

すこしずつ


早く印刷体験の再開を!という声にお応えする為に
9月のある土曜日に、新しいスタッフに講習をしました。
 
 

インキの混色、そして版の大きさと印圧の関係、
バランスのとり方などなど、
伝えなければならないことが山ほどあります。


色々試してみて、最近では固い樹脂板に落ち着きました。
版は神保町の真映社さんにお願いしています。
 
 

これは新しいスタッフのマツムラのカード。
これくらいの面積なら、手動の活版印刷機でも
かなり印圧を掛けられます。
インキをつけずにエンボスっぽい表現も可能です。
   
 


これは写真を印刷してみたもの。
用紙をきちんと選べば線数にして
60線くらいは行けそうです。
但し凹ませようとしても、
手フートでは無理みたい。
 
 


これはコースター。
ウッドワークさんのカフェイベント用に用意しました。


これくらいの面積だと凹みもかなり作れます。
エンボスバージョンも個人的に作りました。

印刷体験の来られる方は、やはり凹ませたいと思っている方がほとんどなのですが、カード全体に絵を描いてしまうと人力の活版印刷機だと、残念ながらまず凹みません。版の面積と印圧の関係はどこかできちんと纏めたいなと思っています。
 
 

混色の方法論も、少しずつ蓄積しています。

なんとか年内に、再開を……  

ミ、ミ、ミ… ミスターでした…

7月1日 晴れミスターの名刺

ミスターの名刺、それは「パルパー」という紙を使っています。
パルパーとは、印刷体験でも選べる紙の中で常備しているもののひとつなのですが、これがまた非常にデコ、ボコ、としています。常備している5種類の紙の中で、手触り第1位、刷りにくさ第1位でなんとも憎めない紙なのです(^^;)

今日はそのパルパーを使ってミスターの名刺印刷に取り組みました。名前面は文字のみで重心が一箇所に集まっているので、比較的圧はかかりやすく、バランスもとりやすく、さらに「パルパー」という事を考慮して版も金属板の中で厚みのあるもので作っていたので、それらの要素が重なってなんとかきれいに印刷は出来ました*

が!圧をいくらバランスよくかけても、紙の凸凹のせいである文字は強く印字され、ある文字は弱く印字されてしまうという問題が発生しました。そしてそれは紙一枚一枚凸凹具合が違うので、一枚一枚圧のバラバラさもバラバラなのです(><)

わかるでしょうか、あるところが太くあるところは細い。そして3枚ともその具合が異なっています。

これはどう頑張っても無理だわなぁ~そういう紙を選んでるのだから(笑)という話になり、気持ちは的にはバランス良く刷るぞ!という意気込みで刷るとこ100枚。
一枚一枚刷っていくうちに、刷り方でほんの少しだけこのバランスのバラバラさを軽減出来る事を発見しました。

版と紙がくっついた手応えを感じたら、そこから紙に一気に圧をかけます。するといつも「フカッ」という紙の感触が「サクッ」という感触になり、ほんのすこ~しですが、均一になったような・・・気がします!気がしたんです!(><)


ひらひらひら~

5月22日 暑い!(><)活版ダイエット2日目 手がプルプル編

今日も暑いです!運動日和です!
三日坊主ダイエット大作戦、2日目の今日は昨日刷ったポストカードの裏面と、レタープレスのショップカードを印刷します。

ポストカードの裏面は絵柄の入った面と比べると印字部分が少ないので圧の調整や力にも苦労はしないのですが、
この裏面は「Post card」という罫線セットと「レタープレスのロゴ」が別版なので同じ面を2回するのです。労力2倍です。
よし、やるぞー!全ての動きが昨日より機敏になった気がします。

この手キンのアダナ(活版機)は、一枚印刷するごとに「カラ、カラ」とどこか懐かしいような金属の音を出すのですが、今日は外の工事が終わり寝る人は寝るだろう時間まで、その音がずっと鳴り続けました。そしてまるこも機械のようにカタカタ動いて、とにかくひたっすら刷り続けました。

ポストカードの裏面が終わると次はショップカード200枚! 夕方から手がプルプルしてきました。

印圧の調整や力のかけかたも、やっていくうちに自然と体が慣れて覚えるようで、なんとなくコツがつかめてきたような気がします。

今日はローラースルーゴーゴーの来客はありませんでしたが、夜の涼しい風が吹く時間に、まっしろな犬が3匹(種類は全部違う、ラブラドール、雑種、モコモコのやつ)、モコモコ探検隊が工房の前をチラ見して行きました。

まるこは昨日にも増して汗をかき(多分5日分くらいではないでしょうか)、いつもより多く甘い物を食べました。さてダイエットの効果はいかに・・・。

本日の完成品。ユニバーサル・レタープレスのポストカード、夏のさわやかバージョン。
一枚一枚にかけた苦労と手のプルプルを想うと、大事にしようとおもいます。マル。

5月21日 暑い活版ダイエット1日目

今日の蔵前は朝からいろんなところで工事の音がしています。
この辺りは古い建物が多いので、今建て替えのため、あっちが終わればこっち、と工事が続いているのです。暖かいので工房は全開、音はガンガンだけど、慣れたなぁ~(*~*)

まるこは今日から3日間活版に打ち込むべく、朝から下準備です。

1.クラフト紙とボール紙を切って胴張り用紙をつくる。

2.ポストカード立てをつくる。(ひたすら切って折って切って止めて。ザ・内職です)

総じて地味~~(笑)でもこういう作業も大事なんです。

さてやるぞ~刷る物がいっぱい溜まってるんだ~。そろそろ何も無くなるんだ~。
今日はユニバーサル・レタープレスのゆるいポストカードを刷ります!

工房の前を通り過ぎる工事現場の人たちに「何やってんだこいつ」みたいな目で見られながら
ポストカードがちっちゃい工房中にひらひら立てられていきます。

このイラストの面積で圧をかけたいと思うと、下に柔らかい紙を敷いたりなどの工夫と、何より力がいるのでものすごい体力を消耗します。ものっすごい汗かきます。活版印刷で。痩せるかなぁ。そこ重要だなぁ。
しかも本日のこの暑さ(^^;)

顔を真っ赤して力んでいるところに、後ろの方から声がしました。
「何やってるんだろう~。」
振り返るとすぐ後ろに(工房全開です)小学生くらいの女の子が二人。ローラースルーゴーゴーに二人乗りして。(ローラースルーゴーゴーを知らない方は、ちびまる子ちゃんを参照ください)
「ポストカードすってるんだよ~。」と近づくとその女の子二人とも靴をはいていないじゃないですか!
「面白い靴下はいてるね。なんで靴はいてないの?」と聞くと、「え、そこにクモン教室があるから。」
「へ~そうなんだ。」そうかぁ、でもなんで(笑)そして刷りたてのポストカードをあげると、「わ~写真みたい!」とまたローラースルーゴーゴーに二人乗りして去っていきました。かわいいなぁ。
写真みたいかぁ(笑)おもしろいです。蔵前。

今回はもうすぐ夏なので、ブルーのラインが入った紙に刷ってみました!
ほんとは体験で人気がなくてなかなか使ってもらえないからこの紙にしたんですけどね~。

この写真みたいな絵のポストカード、
毎回紙をかえて、色々な紙に刷ってみようと思います。

5月2日 あいにくの曇りと雨いよいよ今日から*

本日「活版凸凹フェスタ2008」の初日です!

なのにまるこは昨日ショップカードやポストカードの量産をやっていました、汗だくで(^^;)

印圧問題日々研究の中で、少し進歩して、力をそこまで入れずとも圧をかける事が出来るようになり(もちろん金属板でありますし、紙やら版の面積でもちがいますが)、ショップカードをその方法で刷ってみました!印刷する紙の下に一枚(もしくは2枚)フカっとした紙を敷くとどうやら圧が入りやすくなるようです。しかもその紙をの種類はこれがいい!という一枚はなく、印刷する紙によって下に敷くべき相性の良い紙があるようです。

そんな紙同士のお見合いをさせながら、圧や位置を調節しながら試行錯誤していたらこんなに”ヤレ”(失敗刷り)がでました~。
意図的に広げて一人撮影をしてみました、時間ないくせに。

そして念願の凹みが・・・感動(T T)一人達成感を噛みしめせっせこ150枚刷りました。

これで何とか、持って行けるぞ!今から会場に搬入に行きます~。

4月8日 大雨、暴風、花冷え印圧奮闘記 パート1

まるこが壁にぶち当たって相談するある方にもいつもいつも言われていた
「印圧」のこと。

大事な要素は他にも沢山ありますが、試作など色々やっていくうちに、この「印圧」が肝なのではないか!
と思うようになってきています。少なくとも、レタープレスの工房で使用している活版機については。。

体験で主に使用するのはアクリルの樹脂版なので、金属板に比べて柔らかいせいか印刷で圧をかけるのになかなか苦労しています。
バランスがとれれば(バランスについてはまたパート2でお話します)もちろんきれいに印刷出来るのですが、活版特有の「凹んだ手触り」が欲しいときに、どうしてもうまくいかず、そこを乗り越えるべく今日も蔵前では熱い印圧バトルがくり広げられています。
お隣は魚やさんです。

発見したのですが、版の面積が小さい方が同じ力でプレスしてもより圧がかかるみたいです。
たとえば、レタープレスの名刺。このサイズを1つの版ですると

このように繊細に出ますが、

ロゴの部分だけを切り取って、
単体ですると・・・

ど~ん。
裏まで透けるくらいボッコボコです。
これはやり過ぎですか(笑)
でも、とんなに圧がかかるとは!やはり面積になにか関係ありそうです。
力のかかる点が集中するからという事でしょうか。きっとそうに違いない!

そう解釈して、今日の戦いは幕を閉じます。閉店~。

レタープレスの茶色

ユニバーサル・レタープレスの色は、淡い茶色です*

このホームページの色も、
オリジナルで作った紹介用のポストカードも、名刺もみんな、
強すぎもせず弱すぎもしない、少しグレーよりの淡い茶色です。(と、思っています。)

とはいえ活版用のインキはそれほど沢山種類がないので、
ポストカードを刷る時もちろんこの微妙な茶色は混ぜて作ったのですが、これがまたとても難しいのです。
色どうし同じ量のインキを混ぜても色によって全然でかたが違いますし、インキの硬さも様々なので、時にはインキ缶からトレイに出すのも一苦労です。

白は控えめなのに赤は妙に出てきたり、
あーでもない、こーでもない、どーすりゃいいんだ一体。とやっているうちに、どんどんインキの量が増えるばかり。。

以前にインキを扱う印刷屋の職人さんはいとも簡単に思い通りの色がつくれる。と聞いたことがあります。

自分でインキまみれになってやってみて初めて、それってすごい事なんだなぁ~。と難しさと凄さを実感します。

てんこ盛りのインキを目の前に途方に暮れて、
そして出来たこの茶色です。
難しいのですね~(^^;)へへへ