カテゴリー別アーカイブ: この町のこと

7月30日この町の人、大家さん

大家さんを語らずして蔵前のレタープレスはありません。なんてったって元八百屋のこの工房には大家さんの自宅が併設しているのですから~。
大家さんちの入り口は工房扉の横にあるのですが、その他に工房のトイレの横にももう一つ扉があり、そこも大家さんの家(部屋)へ繋がっています。間違えて開けてしまわないようにその扉にはカギがかかっているのですが、まだここに来てすぐの頃、一度トイレと間違えて開けてしまったことがあります(^^;)
その時はもちろん、「あれ?!・・・わっはっはっはっは」となりましたが(笑)

大家さんはとてもアクティブな方で、いつも町会の集まりに忙しく出かけていたり、週末などには登山もしているとうかがいました。すごいなぁ~。よく自転車で「こんにちは~」と言いながら工房前を通り過ぎていく姿を見かけ、「今日はどこにいくのだろう・・・」といつも気になっています(笑)

そんな大家さんは八百屋さんを閉めた今でも市場に行かれる事があるらしく、たまに果物を差し入れてくださったります。この前はメロンを貰い、そういえばミカンとか、グレープフルーツも貰ったな・・・そういえば町会の手ぬぐいをどっさりくれた事もあったな・・・。

そんな風に、大家さんがいて、レタープレスがあります(^^)

7月29日この町の事、斜め前の巨大ビール

工房の斜め前はリガーショップ、ナスダさん。
飲み物が必要な時、夏に氷が必要な時、工房からサンダルで3秒、駆け込んでいます(笑)

そのナスダさんの外壁には大きな大きなビールの缶が2個ひっついていて、しかも夜になると、光ります。ライトです。

なんの事やら分かりづらいですが、こういうものです。

ど~ん。キリンとハイネケン。

いつも座って作業している席からちょうど見えるので、たまに目を休める時に、このビールを眺めています。

そして夜は辺りを照らす頼もしい街灯になっています。
レタープレスにお越しになる際、目印は、この巨大ビールです(^^)

7月24日 あついです(><)セロテープやさん、紐やさん、ゴムやさん

下町の特徴の一つでしょうか、蔵前界隈には問屋さんが多いわけですが、とにかく様々な業種の問屋さんを見かけます。
歩いて10分ほどのところには「かっぱ橋」というキッチンまわりの物を扱う問屋さんが沢山あり(小売りもしています)、そのほかにも、たとえば紙の問屋さんとか、革とか、布とか、金物とか、ショーで使う衣装とか。なかでもまるこが驚いたというか、「これはすごいなぁ」と思うのが、「セロテープやさん」「紐やさん」「ゴムやさん」。
どこも小売りもしているので中に入って見ることができますが、とにかくそのものしか、ない。そして紐やさんなら色々な種類の紐が、ゴムやさんなら色々なゴムが、、、あるわけです。
専門店といわれる所は世の中に沢山ありますが、なんというか、専門も専門だなぁ。と。
そしてお店の外壁には大きく「セロテープ」「紐」と書かれていて、道路の向こう側からでも一目で見つける事が出来ます。インパクト、あるよなぁ(笑)

すごいよなぁ。絶対青山とかには、ないよなぁ。
雷門なども観光地で楽しいですが、普通の路地や町中も、歩いてみると面白いですよ(^^)

7月11日 暑いですこの町の事、工事祭り

下町は観光地にもなるくらい、とても風情があって、古い町並みが多く残っていますが、それ故の問題も多くあります。老朽化してしまった建物、下水などもう安全性を保つ上で限界だ、というところがどんどん出てきていて、その為工事が次から次へと発生せざるを得ない状況になっています。

レタープレスは下町ど真ん中にあるので、約一年前に越してきた時から「あっちでも工事、こっちでも工事」の状態がずっと続いています。
しかも「あっちでも、こっちでも」が終わっても別の「あっちでも、こっちでも」が始まり、もうほんとに「あっちこっちそっちどっち!」というたまらない音に悩まされる事も多々あります。夏に工房を全開にしている時なんかは特に影響され、どうしようもなくなりますが、そんな状態も・・・・・・慣れるのですね(笑)
最近工房を開けていて去年よりも気にならなくなったのは、工事の箇所が少なくなったからではなく、「慣れ」という事で落ち着いたようです。

この地域にお住まいの皆様は、皆様こそどうなのでしょう。お隣の魚屋さんなんて!どうなのでしょう。。でも工事しなくては危険というのもあるので、仕方ない・・・けれど「耳が、耳がぁ~」という生理的状態を我慢するのも難しい・・・そんな戦いも、あるのです。下町には(^^;)

6月30日 大伸印刷さん

ものづくりの町台東区、その中の蔵前。ここで工房をやっているからには、近くに頼れる活版印刷屋さんがあったらいいなぁ。といつも思っていました。
なかなか見つからなかったのですが、人づてにやっと見つけた「大伸印刷」さん。しかも大伸さんはおかず横町の目と鼻の先、SyuRoさんのすぐ近く、そしてレタープレス結構近く!!
そんな事言っても「どこ?」という感じかもしれませんが、とにかく本当に工房のご近所と言える距離で、自転車でものの10分弱です。

大伸さんは現在お父さんと息子さんで運営されている下町の活版印刷やさんですが、ホームページも持っていて、技術を守りながら新しい事にもチャレンジされている印刷やさんです。

早速、レタープレスの体験で常備しているポストカード用の紙に”post card”という文字とおしゃれな罫線を刷って頂きました。今までは工房で一枚一枚印刷していたのですが、しょっちゅう使うもので追いつかない事もあり、大伸さんのお力を借りる事にしたのです。
はじめてお願いするので印刷立ち会いに行ったのですが(もちろん自転車で)、細かいお願いやレタープレスの茶色を作っていただく事まで、とても親切にして下さいました。機会もきれいでとても大事にされている事が伝わってきました。
直接伺い自分の目で見るという事はやっぱりいいですね~(^^)

引き取りももちろん自転車で、帰ってから開けてみると、びっくり!感動!そしてちょっとショック・・・なぜなら、やはり機械のシャープには負けた・・・という事が一目で分かってしまったからです。
まるこが汗をかきかき一枚ずつ刷ったものもそれなりにきれいに出来ていると思っていたのですが、機械仕上がりと比べると、なんかベチャ~っとしているというかエッジが滲んでいるというか・・・

だからやっぱり印刷やさんは必要なんだ!大事なんだ~!
と印刷やさんの凄さを再認識しながら、何とも言えない切ない気持ちになりました(笑)

下の写真、左が大伸さんで刷っていただいたもの、右がまるこが汗だくで必死に刷ったもの。色はちょっと違いますが、わかるでしょうか、この残念さ・・・。

6月16日 晴れそして暑い藤村印刷さん

この前おつかい途中の道で小さな活版印刷やさんをみつけました。
その名も「藤村印刷」さん。その道は以前も何度か通った事があるのですが、看板という看板は出ていなくて、いままで全く気づかなかったようです(^^;)
引き戸が開いていてその隙間から見えたのが沢山の活字!「これは!もしや?!」とすかさず中を訪ねてみました。

「すみません、こちらは活版印刷やさんですか?」とまるこ。
「そうだけど」とおじさん。
おじさんの横には小さな活版印刷機(手キンではありません)が一台と、後ろにはお宝(活字)が沢山、、そりゃ見れば分かるわなぁ(^^;)

ごあいさつから少しお話をうかがいましたが、「活版はもう需要がなくてねぇ。」とちょっと寂しそうな藤村さんを見てきっとこういう小さな活版やさんはまだ沢山あるのだなぁと。そういう職人さんに、生意気ながら「いま活版をまだまだ無くさないように、見直そう」という動きが色々な所であるのですよ~。とお伝えしたいと思いました。きっとレタープレスが関わる事が出来るところは、ネット環境があったり、少し大きな活版やさんだったりするので、こういう町の小さな活版やさんまでは、今若い人達が活版に興味を持ち始めている事は伝わっていないのだなぁ。と、この時実感しました。

もっと隅々まで、凸凹フェアのような動きが伝わればいいいのになぁ。

お話の最後に、刷った名刺のサンプルや、活字の見本帳まで頂いちゃいました!上の写真が見本帳ですが、この焼け具合!いい感じです*こんな貴重な物を頂いていいのかしら~。

そんな流れで結局、活版を見直す動きの事や、レタープレスの事を話しそびれて出てきてしまいました。あれ?(笑)

今度はちゃんとお伝えしようと思います。
「わたし、まるこなんだよ。」って。

6月12日 雨だからこの町のひと、隣の魚やさん

レタープレス工房の隣は、魚屋さんです。

魚屋さんですがお総菜として煮付けを売っていたり、フライ(金曜日限定)を売っていたり、以前にベーグル(たぶんフィッシュが挟まっているんだと思います)が売られているのを見かけたこともあります。とにかく色々なアイディアがお店の前に並んでいます。こちらは工房ですし残念ながら実際に買う機会がないのですが、いつも通るたびにチラッとのぞいてしまいます。
もっと堂々とのぞけたら~っ(><)

お店のおじさんはとてもきびきびとした方(挨拶から推測)で、後ろに荷台の付いたブラックのかっちょいい自転車で配達にもまわっています。
あの自転車かっこいいなぁ~と思っていたら、なんと工房向かいの酒屋さんもそっくりのに乗っていた!(笑)

いつかまるこもあの自転車に乗って蔵前の町を走りまわりたいなぁと、密かにおもっています。

6月5日この町の人、気になるおじいちゃん

ずっと気になっているおじいちゃんがいます。
ここ下町といわれるところには、スーツ姿の人が早足で歩く風景の代わりに、お散歩中のおじいちゃんやおばあちゃんがゆったり歩く風景が多くあります。

レタープレスは元八百屋でありガラス張りなので、外から中も、中から外も丸見えなのですが、そんなお散歩中の方と活版印刷中のまるこがガラス一枚を隔てて目を合わせる事がよくあります。もう恥ずかしさはありません(笑)

色々な方が工房の前を通りますが、いつも決まってこの工房の前を通る姿勢のとても良いおじいちゃんがいて、まるこは心の中でひそかに「はと胸のおじいちゃん」と呼んで今日もそのおじいちゃんが通るのを楽しみに待っています。

おじいちゃんは大体、午後2時か3時頃に工房の中から見て右ガラスの方から現れ、一歩一歩ゆっくりゆっくり歩き、一番左のガラスの前を通り過ぎて行きます。

おじいちゃんが現れると「来た!」とまるこはどんな作業もちょっとだけ手を休めて、しばらくおじいちゃんを見送ってから、なんだか温かい気持ちになってまた作業に戻ります。
どの部分かはわかりませんが、一日の中の、まるこの中の「どこか、何か」がおじいちゃんのおかげの様な気がします。

いつかおじいちゃんの後を追ってどこに向かっているのか知りたいな~なんて好奇心。ストーカー、じゃないよ。

3月6日 とてもいい晴れ                                       レタープレスの地図

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ユニバーサル・レタープレスは台東区蔵前にあります。
お隣は魚やさんで冬にはおでんの赤ちょうちんがでていますし、
斜め前は酒屋さんで、朝は「おはようございます~」
とごあいさつします。
そんな下町の景色の中にあるレタープレスをご紹介するときには、
やっぱりこの町も一緒に紹介したいな!
という事で地図には独断と偏見で発見した、この辺りの素敵な意匠、
タイポグラフィーや古い建物を載せることにしました。
(あ、写真はちがいます。まだ制作中なんです)

それにあたって、今日は地図に載せる所
一軒一軒に一言ごあいさつをしにまわりました。
わかってはいたのですが、こういうお話を切り出すと
お店なんかでは必ず「ちょっとお待ち下さいね。・・・社長~!」
となって、え?! ドキドキ。。
今日は緊張の瞬間が何十回もありました。

古い意匠をお持ちの金網やさんでは、「この辺はかわったよ~。
昔はあそこのビルは銭湯でね。戦後はね・・・」
などなど色々なお話も聞くことができ、もともとこの地域の人間ではない
まるこははじめて町に踏み入ったような気がしました。
みなさんお忙しい中、ご対応ありがとうございました。

それにしても歩き通しで、土踏まずがなくなったかと思いました~。
戻ってから急激な眠気に襲われコーヒーを沢山のんだら、
帰りの電車で胃けいれんをおこしましたとさ(^^;)

そんなまるこの一日です。