月別アーカイブ: 2008年6月

6月30日 大伸印刷さん

ものづくりの町台東区、その中の蔵前。ここで工房をやっているからには、近くに頼れる活版印刷屋さんがあったらいいなぁ。といつも思っていました。
なかなか見つからなかったのですが、人づてにやっと見つけた「大伸印刷」さん。しかも大伸さんはおかず横町の目と鼻の先、SyuRoさんのすぐ近く、そしてレタープレス結構近く!!
そんな事言っても「どこ?」という感じかもしれませんが、とにかく本当に工房のご近所と言える距離で、自転車でものの10分弱です。

大伸さんは現在お父さんと息子さんで運営されている下町の活版印刷やさんですが、ホームページも持っていて、技術を守りながら新しい事にもチャレンジされている印刷やさんです。

早速、レタープレスの体験で常備しているポストカード用の紙に”post card”という文字とおしゃれな罫線を刷って頂きました。今までは工房で一枚一枚印刷していたのですが、しょっちゅう使うもので追いつかない事もあり、大伸さんのお力を借りる事にしたのです。
はじめてお願いするので印刷立ち会いに行ったのですが(もちろん自転車で)、細かいお願いやレタープレスの茶色を作っていただく事まで、とても親切にして下さいました。機会もきれいでとても大事にされている事が伝わってきました。
直接伺い自分の目で見るという事はやっぱりいいですね~(^^)

引き取りももちろん自転車で、帰ってから開けてみると、びっくり!感動!そしてちょっとショック・・・なぜなら、やはり機械のシャープには負けた・・・という事が一目で分かってしまったからです。
まるこが汗をかきかき一枚ずつ刷ったものもそれなりにきれいに出来ていると思っていたのですが、機械仕上がりと比べると、なんかベチャ~っとしているというかエッジが滲んでいるというか・・・

だからやっぱり印刷やさんは必要なんだ!大事なんだ~!
と印刷やさんの凄さを再認識しながら、何とも言えない切ない気持ちになりました(笑)

下の写真、左が大伸さんで刷っていただいたもの、右がまるこが汗だくで必死に刷ったもの。色はちょっと違いますが、わかるでしょうか、この残念さ・・・。

6月28日 くもり第5回印刷体験やりました*

今回の選手はお二人とも女性の方、お友達同士です。
事前にメールでやりとりをしている時から熱い意気込みを見せていただき、まるこもそれにつられ「がんばるぞー!」と盛り上がっていました。メールで(笑)

お二人もとても絵がかわいいので刷るのが楽しみでしたが、ベタ面とイラストの大きさをから、うまくすれるかなぁ~と少し心配なところがありました。もしかしたら、ベタ面のかすれが気になるかな、難しいかな。

しかしいざやってみると、圧のバランスがしっかりとれればほとんどムラなくきれいに出ました。しかも圧も裏まで手触りを感じるほどに!インキの乗りやすいツルツルした紙を選んだり、うまくいった要素は色々重なったのだと思いますが、良かった良かった、です(^^)

それにしても暑いので、お二人ともすごく暑そうでした。わかります、その感じ・・・。お疲れさまでした(^^;)

一休みの時間にお話をしていると、印刷博物館の話に・・・
体験に来られる方はほぼみなさん印刷博物館を知っていて、「あそこって面白いよね、でもまわりになかなか理解してもらえないよね(笑)」という話になります。たしかに、興味の無い人からは「ふ~ん」という反応しか返ってきませんが、印刷好きの人は絶対楽しいはず!印刷の歴史などワクワクするものが沢山見れますので、オススメです*博物館は水道橋と飯田橋(飯田橋の方が近いです)の間にあります。

一休みしたあと、お二人は浅草を散策されるそうで、地図をもって出かけて行かれました。そうです、ちかいのです、蔵前と浅草。
本日も長丁場でしたが、楽しんで頂けたみたいで、良かったです~。

この暑さ+熱さは、真夏になったらどんな事になるのだろう。。と考えると、体温が一度上昇したような気になります(笑)

6月16日 晴れそして暑い藤村印刷さん

この前おつかい途中の道で小さな活版印刷やさんをみつけました。
その名も「藤村印刷」さん。その道は以前も何度か通った事があるのですが、看板という看板は出ていなくて、いままで全く気づかなかったようです(^^;)
引き戸が開いていてその隙間から見えたのが沢山の活字!「これは!もしや?!」とすかさず中を訪ねてみました。

「すみません、こちらは活版印刷やさんですか?」とまるこ。
「そうだけど」とおじさん。
おじさんの横には小さな活版印刷機(手キンではありません)が一台と、後ろにはお宝(活字)が沢山、、そりゃ見れば分かるわなぁ(^^;)

ごあいさつから少しお話をうかがいましたが、「活版はもう需要がなくてねぇ。」とちょっと寂しそうな藤村さんを見てきっとこういう小さな活版やさんはまだ沢山あるのだなぁと。そういう職人さんに、生意気ながら「いま活版をまだまだ無くさないように、見直そう」という動きが色々な所であるのですよ~。とお伝えしたいと思いました。きっとレタープレスが関わる事が出来るところは、ネット環境があったり、少し大きな活版やさんだったりするので、こういう町の小さな活版やさんまでは、今若い人達が活版に興味を持ち始めている事は伝わっていないのだなぁ。と、この時実感しました。

もっと隅々まで、凸凹フェアのような動きが伝わればいいいのになぁ。

お話の最後に、刷った名刺のサンプルや、活字の見本帳まで頂いちゃいました!上の写真が見本帳ですが、この焼け具合!いい感じです*こんな貴重な物を頂いていいのかしら~。

そんな流れで結局、活版を見直す動きの事や、レタープレスの事を話しそびれて出てきてしまいました。あれ?(笑)

今度はちゃんとお伝えしようと思います。
「わたし、まるこなんだよ。」って。

6月12日 雨だからこの町のひと、隣の魚やさん

レタープレス工房の隣は、魚屋さんです。

魚屋さんですがお総菜として煮付けを売っていたり、フライ(金曜日限定)を売っていたり、以前にベーグル(たぶんフィッシュが挟まっているんだと思います)が売られているのを見かけたこともあります。とにかく色々なアイディアがお店の前に並んでいます。こちらは工房ですし残念ながら実際に買う機会がないのですが、いつも通るたびにチラッとのぞいてしまいます。
もっと堂々とのぞけたら~っ(><)

お店のおじさんはとてもきびきびとした方(挨拶から推測)で、後ろに荷台の付いたブラックのかっちょいい自転車で配達にもまわっています。
あの自転車かっこいいなぁ~と思っていたら、なんと工房向かいの酒屋さんもそっくりのに乗っていた!(笑)

いつかまるこもあの自転車に乗って蔵前の町を走りまわりたいなぁと、密かにおもっています。

6月10日 梅雨の中休み露木印刷さんのお話

蔵前に越す前から、レタープレスが始まるずっと前からお世話になっている活版印刷やさんがあります。以前もちょっと出てきましが、三軒茶屋にある「露木印刷」さん。

長年ご夫婦で頑張っていらして、まるこ自身はまだ長いお付き合いというわけではないのですが、いつも伺うと、とてもあたたかく迎えてくださって、終始笑っていて、いつも帰る時にはホクホクした気持ちになります。そんな、露木印刷さん。

名刺サイズから大判まで刷って頂けるのですが、先日(といっても4月です、だいぶ前。。)四谷の凸凹フェアに出品する為製作した、レタープレスの大判地図を刷って頂きました。

印刷の立ち会いに行ったのですが、B3サイズのものを刷るのは機械も大きいですし、迫力があります。
残念ながらこればっかりは我が工房では味わえません。

この機械です。かっちょいい~*

しかし大きいと、色の濃度を全体均一にするにも、圧を調整するにも少し難しいようで、しかもこちらからの要望などもあり色々試行錯誤をして頂いちゃいました(^^;)それでもニコニコ、納得いくまで調整して頂き、その為大満足の大判地図が出来たのです。

露木さん、ありがとうございました!

印刷時の写真をちょっとご紹介。

わっはっはっはっは。向かいでまるこも大爆笑。

この笑顔を見るだけで、幸せな気持ちになります。ね。

6月7日 はれ印刷体験と鳥越まつり

本日晴天なり、嬉しい活版日和です!
加えて鳥越まつりという下町の大きなお祭りがあったので、いつも静かな蔵前の町は、午前からにぎわっていました。工房あたりはメインの場所ではないですが、前の通りをだしやおみこしが通るので、ハッピをきた人達が沢山歩いていました。

そんな中、本日の体験選手は遠いところをお越し下さったS選手と、2度目の再チャレンジ、ひつじのM選手です。

S選手は普段からイラストを描かれているそうで、今日はその中の架空の動物シリーズ「犬」を原稿にしてくださいました。このわんちゃんがとても可愛いんです!(^^)
そして最近レタープレスに新しく入ってきた「シルバーインキ」での初チャレンジ。まだまるこも試した事ありません。ドキドキです。練ってのばしてみると、光によって、見る角度で違う輝きを放ち、他のインキとは違う様子に新しい発見をしたようで嬉しくなりました。何て言えばいいんでしょう、キラキラというより、シャイニ~?(笑)

S選手が印刷を始めると同時に工房の前をみこしやだしが次々と通り、レタープレスから出る熱気と、お祭りの熱気で、蔵前4丁目27番地あたりはものすごく暑かったのではないでしょうか。

ひつじのM選手が印刷する頃には、みこしが近く(道のど真ん中)で休憩に入り、一角に沢山の人たちが集まりました。近くの家々からも外に椅子を持ち出して何か飲んだり食べたり、たのしそ~*

工房はもちろん全開にしていたので、時々おじさんやおばさん、ちいさな子供達にのぞかれながら、M選手の印刷リベンジは続きました。「まんてん」というお店のロゴだそうです。色も爽やかな浅黄色を混ぜてでつくり、とても素敵でしたよ(^^)

今年一番のにぎやかな体験、熱かったです!(笑)
すっかり写真を撮り忘れてしまいました~(^^;)

今日の作品はホームページ内「紙とインキで出来たもの」の作品にアップしました。その他過去の作品も載せましたので、見てみてください*(^^)

6月6日 やっと晴れ封筒との戦い

封筒印刷というものにチャレンジしてみました。
お気づきのように封筒とは袋になっているので、ふつうにポストカードを印刷するのと同じようにはいきません。。のり付けしてあるマチ部分の事も考えなければいけませんし、何より「紙が重なっているんだぞ」という事を忘れてはいけません。
しかしまるこはまるこなだけにその肝心なところを忘れて印刷に望んだため、だいぶ悪戦苦闘しました。

まずは、版。

この版は横幅10センチほどの小さいものなので印刷時に力を一点に集中させる事ができ、圧の調整にかんしてはやりやすいのですが、
問題は、その圧が容易にかかる事と、封筒の紙質が柔らかい事で、ちょっと力を入れすぎたりするとすぐ版の上下のエッジまでついてしまうのです。

こんな風に。。上下の線、デザインじゃ、ないよ。

そこで小一時間ほど悪銭苦闘。。いつか露木印刷さんで見た技をお借りして、いつもこのようなトラブルが起きた時には、紙の下に印刷する絵柄のところだけテープや他の紙を貼ったりして、絵柄部分だけが少し高くなるようにしているのですが、
今回はそれをしてもダメでした。。いつもはこの原理で解消されるのですが・・・おそるべし封筒。

こんな感じです。上に見えるのが亜鉛版です。

ミスターも途中参戦でさらに試行錯誤と続け、やっと見つけた答えが、
「封筒の中に一枚つるつるの紙を入れる」ということ。

なんだそりゃ、と思うかもしれませんが、ほんとにこれで解消されたのです!

ほら!!ね! \(^0^)/

加工してないよ~。

深いなぁ~。今日も難しさを実感し、残りの封筒を丁寧に刷って、
ものすごい事になった戦場を片付けました。

6月5日この町の人、気になるおじいちゃん

ずっと気になっているおじいちゃんがいます。
ここ下町といわれるところには、スーツ姿の人が早足で歩く風景の代わりに、お散歩中のおじいちゃんやおばあちゃんがゆったり歩く風景が多くあります。

レタープレスは元八百屋でありガラス張りなので、外から中も、中から外も丸見えなのですが、そんなお散歩中の方と活版印刷中のまるこがガラス一枚を隔てて目を合わせる事がよくあります。もう恥ずかしさはありません(笑)

色々な方が工房の前を通りますが、いつも決まってこの工房の前を通る姿勢のとても良いおじいちゃんがいて、まるこは心の中でひそかに「はと胸のおじいちゃん」と呼んで今日もそのおじいちゃんが通るのを楽しみに待っています。

おじいちゃんは大体、午後2時か3時頃に工房の中から見て右ガラスの方から現れ、一歩一歩ゆっくりゆっくり歩き、一番左のガラスの前を通り過ぎて行きます。

おじいちゃんが現れると「来た!」とまるこはどんな作業もちょっとだけ手を休めて、しばらくおじいちゃんを見送ってから、なんだか温かい気持ちになってまた作業に戻ります。
どの部分かはわかりませんが、一日の中の、まるこの中の「どこか、何か」がおじいちゃんのおかげの様な気がします。

いつかおじいちゃんの後を追ってどこに向かっているのか知りたいな~なんて好奇心。ストーカー、じゃないよ。

6月3日レタープレス、日経新聞デビュー

載っちゃいました~。日経新聞!!きゃ~(*~*)

朗文堂さんからご紹介いただいて取材を受けたのですが、まさかこんな目につく所にカラーで載るとは・・・。あまり見えてないですけど、まるこもっとおしゃれしてくるんだった(笑)

活版印刷についての記事で、ユニバーサル・レタープレスだけでなく、朗文堂さんをはじめ横浜の築地活字さんなどについても書かれてあります。

最近ラジオでも「見直されてる活版印刷」のようなニュアンスで活版の事を耳にしたり、雑誌でもちょくちょく目にしたり。
もしや、大ブレイク・・・?!

記事は6月3日の日経新聞夕刊です。見ないでください(笑)