月別アーカイブ: 2009年2月

活版好きのIさんリターンズ

2月7日土曜日、新年初の先週に続き、
ワークショップの第9回目を開催しました!

今回は去年に一度お越し下さった、活版好きのIさんご夫婦。
再度チャレンジに来て下さいました~。

今回はお二人とも版にする原稿の段階から、刷りやすさをちゃんと考慮して制作したと思われるイラストを送ってくださいました。さすがIさん・・・

Kさん(奥さん)の版はきっと印刷の圧調整にはそれほど苦労する事なく、うまくいくだろうな。そんな予想で最初の調整。(始めは離れている紙と版を、調節ネジを回して近づけて行き、まずは印字されるところまでもっていきます)
4つの調節ネジが均等に硬くしまると紙と版がくっついた合図。さぁ、それでは一度開いてみましょう、と見てみると・・・

あれ?もう完璧じゃないですか!!(笑)

大体この段階ではまだバランスは完璧ではなく、イラストのどこかが出ていなかったり薄かったりするので、ここから微調整をしていくのですが、もう終わってしまいました!わぉ。

しかしここから新たに小さな問題が発生。。Kさんはゴールドインキとミラーコートというつるつるテカテカのコート紙を選んだのですが、このインキ、紙、イラストの3つが組合わさると、ぼや~っと輪郭の残像が出来てしまうのです。

こんなふうに。わかるでしょうか、丸いベタ面のまわりに枠のようなものがあります。

これが紙を変えると出ないから不思議です。やっぱり組み合わせの相性なんだなぁ。。
どうしたらいいのか刷り方の試行錯誤がしばらく続き、かすれない程度にソフトタッチで刷るという結論に達しました。なんだ、と思うかもしれませんが、このソフトタッチ具合がなかなか難しいのです。
よかったよかった(^^)

Kさんは刷っていくうちに、紙の位置を変えて刷ってみたり、一枚の紙に何回か刷ってパターンのようにしてみたり、一枚一枚を意図的に変えて楽しんでいらっしゃいました。


なるほどー、これは活版だからこそ出来る事ですね!と今日も新たな発見にみんなで盛り上がりました。

次はHさん(旦那さん)。Hさんはシルバー+藍の混色にチャレンジされました。インキをとって、ヘラで少しずつ慎重に混ぜ、確認する時は紙に少しつけてゴシゴシこすり、のばしたインキの色を確認します。そしてさらにローラーでまんべんなくのばしていきます。


色づくりのもよう。

Hさんの印刷で一番苦労したのは印圧調整。ベタ面と細いラインが混在していたのでどう出るか心配はしていたのですが、ベタ面のかすれというよりもラインの一部にどうしても出ないところがあって、やはりバランスをとるのに細かい調整をしていきました。

こうやって黒い4つのネジを少しずつ回して調整していきます。

そしてHさんの場合はKさんとは逆で手触りのある紙よりもつるつるのミラーコートの方が相性バッチリなようで、きれいに刷れるのです。ふしぎ不思議~。

上2枚が手触りのある紙で少しかすれぎみ、下がミラーコート。写真だとわかりづらいですが、きらきらと反射する光まで放っています。

最後は前回と同じく、持っている見本帳などの見せ合いっこで楽しいひと時になり、気がつくとあたりは暗~くなっていました。ホ~ホ~

ありがとうございました。

今回、予想外の早さでご予約をいただきました。
ご予約は先着順の為、折角お申し込みを頂きましたのに
お断りしなければならなくなってしまいました事を
心苦しく思います。

次回開催は4月の予定です。
3月の初旬に告知をする予定です。
どうぞ宜しくお願いいたします。

ユニバーサル・レタープレス 関 宙明

《 2009年 3月の体験予定 》


やりますよー。
 
 
3月の回は全て定員に達したため締め切りました。
ご応募・お問い合わせありがとうございました。
次回は4月の予定です

◎3月第1回~
3月第1回は定員に達したため締め切らせて頂きました。
開催日:2009年3月7日(土曜日)
時間:13時30分~(約3時間半程度)
定員:2名様でお申し込みください
申込締切:2月23日まで
原稿締切:2月23日まで

◎3月第2回~
3月第2回は定員に達したため締め切らせて頂きました。
開催日:2009年3月28日(土曜日)
時間:13時30分~(約3時間半程度)
定員:2名様でお申し込みください
申込締切:3月15日まで
原稿締切:3月15日まで

おしらせ。

今回よりお申し込み受付を2名様ご一緒とさせていただく事となりました。理由は開催に掛かるコストがひとつ、それと印刷機が1台しかない為、ご一緒に体験される方の進行次第で待ち時間が長くなってしまう事があり、お友達や知り合い同士であればその時間も楽しく過ごしていただけるという事でもあります。是非お友達お知り合いをお誘いあわせの上、2名様でお申し込みください。
参加のハードルを高くしてしまうのは本意では無いのですが、何卒ご了承いただきますよう改めてお願い申し上げます。

ユニバーサル・レタープレス 関 宙明


待ってるよー。

今年初のワークショップ

1月30日土曜日、レタープレスが再始動して最初のワークショップを開催しました!

あ、まるこです。こんにちは~(^~^)

久しぶりなのでとてもフレッシュな心持ちで駅まで向かおうとすると、そんな意気込みに「本当に大丈夫なのかい?」と言われているような雨、そして向かい風。。負けるものかぁ、とビニール傘で挑み歩く事3分、むなしく傘は反対に曲がって雨を貯める器になり、これでもかと左右に振られてバキバキになりました(;;)

しかし今日は工房にマッちゃんも参戦、楽しいワークショップになりそうです*

さて今回はどちらの版もワークショップでは初めてのチャレンジがありました。まずお一人目の方は文字のみのシンプルな版だったのですが、インキをつけずに凹みだけを楽しむ空押しというものをやってみました。

きっとスムーズにいくだろう、そして結構簡単に凹みも入るだろう、と予想していたのですが、予想は見事に打ち砕かれ・・・


こんな感じで力んで頂く事になりました。
ひゃ~、が、がんばれ~(^^;)


こちらも新たな発見、横向きプレスはなかなかいいそうです。
何がいいかは汗を流した方のみぞ知る感覚です(笑)
こんどまるこもやってみよ~。


これは活版機本体の用紙をセットする部分ですが、そこまでこんなに圧が伝わっています。ちなみにここには、通常は敷かない柔らかめの紙を敷いています。そうする事で敷いた紙がクッションの働きをし、驚くほど圧が入りやすくなるのです。


こちらが実際印刷したほうの紙です。
(ご本人より写真提供いただきました、ありがとうございます~)


残りはシルバーインキを使用しました。初めに圧で苦労された甲斐あって、とてもスムーズにきれいに刷れました。

そしてもうお一方の版は繊細な手書きラインのイラスト。
最近新しく入ってきたゴールドインキでの初チャレンジです*
ゴールドインキは粘り気はあるものの、伸びもよく、ムラにもなりにくく、さすがゴールド。繊細なラインなので圧のちょっとしたバランス崩れも目立ち、やはり調整には時間をかけました。そしてあまり凹みをつけてしまうと線が太くつぶれた感じになってしまうので、刷る時には一枚一枚ていねいに確認しながら力の調節をされていました。


力加減の模索中、上が結構力を入れたもの、「ちょっと繊細さに欠ける」と下が力をあまり入れずに刷ったもの。

どうやら力の入れ加減と仕上がりの印象の強さに3段階を見いだされたようです。

短時間ではありますが、ワークショップのあいだにこうやって何かご自分の小さなこだわりや、一枚一枚の少しの変化を体感して、それが楽しい~活版て面白い~と思って頂けたらとても嬉しいです。
それこそ蔵前レタープレスのワークショップは大成功なのです~(^^)
小さく、バンザ~イ。