月別アーカイブ: 2009年10月

第21回活版印刷体験

10月31日土曜日、今日もワークショップです(^^)
本日はお日柄もよく~(^~^)まるこは静かな工房を開け、レタプレ号(自転車)でどら焼きを買いに、ちょっと雷門まで・・・(何てのんびりした奴なんだと、思われても仕方がありませんね。。笑)

雷門(浅草)には裏道まで人が沢山、旗を持ったガイドさん付きのツアーや海外から来た人や、休日を楽しむ地元の人達でとってもにぎわっていました。それでも「東京ってごみごみしてて嫌だな」と思わせないところが浅草なのかもしれません(^^)

戻ってくると工房にはハマちゃんが!久しぶりの再会に嬉しくなり、色々お話をしているとあっという間に開始時間、本日の挑戦者KさんとYさんが見えました。

よろしくお願いします~!まずはKさんからです。
久しぶりに、写真で大まかに、手順のおさらいです。


まず樹脂版をメタルベースと呼ばれる台に貼ります。


そしてそのベースを外側のチェースと呼ばれる鉄製の黒枠内に固定します。固定はベースとチェースの間に金属の込め物をしていきます。これが印刷するための版になります。

そして印刷機に出来た版をセットしたら、紙を動かして刷る位置を決めます。

この写真だけ初めて見ても分りませんが、上下の位置を決めているところです。


大体の位置が決まったら、印刷機にローラー(写真)をセット、インキを円盤(インキディスクといいます。かわいい形ですが、大事な役目を果たします)に、均一に伸ばしていきます。

さあ、これで印刷の準備が完了!実際に印刷に入ります。


こちらは版側から圧をかけて、紙とくっつけていくところ。ここがとっても難しいのです。機械の後ろにある4つのネジを回しているのですが、この4点を均等に回して版を前に出していかないと、「バランスが崩れる」という現象が起こります。ですがどうしても左右の手の癖で、どちらかが出てしまうのですよねぇ(^^;)今回もKさん、Yさんとも同じように、版の上が離れた状態で下が先にくっついてしまいました。


う~ん、難しいですねぇ。。

それでも持ち直して、出たり、出なかったりを繰り返し・・・

やっと納得のいくところまでバランスがとれました!

しばし喜びの撮影会(^^)

大きめの版でかなり力が必要でしたが、うまく刷る事ができて良かったです*

そして次はYさん。

Yさんは先ほどのKさんの過程を見ていて「やってやる」と、心に決めた事があるそうです。それは、円盤での、最初のインキ伸ばし(笑)いつも「クレープのように伸ばします」とご説明するのですが、インキの硬さによっても、なかなかうまくクレープのようにはいかない事が多く、意気込んだYさんのクレープに期待し、まるこはカメラを構えました。

その前に、

「あ、インキの缶がかたいっ」

いざ!

おぉ。

おぉ~。

きれいです*


バランスはまた何度か調整をくりえし、それでもやはりスムーズに、全体が均等、きれいな印刷ができました(^^)


どの紙にも安定して、奇麗に刷れています。


時にはつま立ちで力を入れながら・・・

滞りなく、終了~*

お二人とも、すっきりといい印刷を終えた後は、これからうまいそばを食べに行かれるそうです(^^)いいなぁ~(^^)/

第20回活版印刷体験

10月17日土曜日、第20回目のワークショップ(ワークショップも20回目を迎えました!)にお越し下さったHさんとKさんは、お二人とも小田急線沿いのずっと向こうから、「遠いですね~!」と発してしまう距離を来て下さいました。レタープレスのワークショップはホームページで探して知ったとのこと、遠いところをありがとうございます!

Hさんは事前にブログを読んで色々知っていて下さったり、周辺マップを見て工房近くのアノニマ・スタジオさん内in-kyoさんに寄ってきたりと準備万端(^^)さらには事前に送って頂いた原稿も、ちゃんと圧が入ることを考えてのイラスト・・・すごいです~。
これはなんとか希望の凹みまで頑張らねば!

版はこんな感じ。写真小さいですが、ゴールドのタンポポです*

準備の甲斐あって印刷はとってもスムーズで、問題なくきれいに出ました。

紙を選んでいるの図。

ゴールドのインキは人気がありますが、紙によって、光沢のある紙には豪華な印象になったり、色味と手触りのある紙には、ちょっと落ち着いた印象になったり、様々な表情があってとても面白いです。

そして期待の凹み!!

印刷した裏面ですが、写真ちょっと分かりずらいでしょうか、ボコッという手触りがあります。ベタ面のないシンプルな線(密度もちょうど良いです)は、望めばこんな手触りも楽しめます。

さて次はKさんです。
Kさんはとても手の込んだ絵(繊細な線に密度があり、全体も印刷可能範囲いっぱいの大きさ)を送って下さったのですが、事前のやりとりで色々ご相談させて頂いて、トリミングと縮小することで、時間内でうまく印刷できそうな版を作りました。

色はイメージに合うよう、混色のブルー。

始めは青と白で、そして何かが足りない・・・と黄色を少し足して。。少しずつ少しずつ、まだ違う、もう少し、あとちょっと、と、とっても慎重に混ぜ合わせるこだわりのKさんをまることHさんは「すごい慎重ですねぇ」とにやにやしながら見つめてしまいました(笑)

色作りで奮闘したKさんも、難しいと予想していた印刷ではバランスがうまくとれ、繊細な線もかすれることなく潰れることなく、奇麗に出来ました(^^)

こちらは印圧のバランスをとる過程。左下が出なかったり、左上がでなくなったり。

お二人とも、それぞれ異なるこだわりをもっていて、ちがうところで楽しみながらきれいに印刷する事ができました*遠いところを来た甲斐があったでしょうか、楽しんで頂けていたら嬉しいです。


ありがとうございました*

活版印刷で刷られた本(昔のプチ・ニコラ)

以前古本屋さんを渡り歩く機会があってふと思ったことを、一冊の本を眺めてまたふと思い出しました。活版印刷で刷られた本の楽しみかた。
めまぐるしく消費されていく本が、溢れている現代、だと思うのですが、(まるこはそうではない時代の事は残念ながら実感がないのです。)古い本はまだ沢山あります。探せば活版で刷られた本も、沢山見つけ出すことが出来ます。
たとえばそれを目当てに古書の街、神保町なんて行った日には目移りして帰って来られなくなりそうですが・・・(笑)活版印刷時代を知らなくても、興味があって活版印刷について少しでも知っていれば、そんな昔の本を見て、その本が出来るまでのことを、印刷される過程を、想い描くこともできます。

1980年に刷られた「プチ・ニコラのヴァカンス」。

活字の合間に出て来るイラストがかわいくて、たまにかすれちゃったり、たまに線が太くなっちゃったりするのがまた面白くて、そこには活版で刷られたからこその楽しみも詰まっています。


点々や短い線はやはり圧が入りやすいようで、他の部分に比べて裏うつりするくらいの圧がかかっています。


ページのぎりぎりまで印刷されています。

活版しかなかった頃はむしろこんな楽しみかたはなかったのでしょうけれど、もっとふつうで一生懸命で、印圧の差異は本当は楽しむべきところではないのでしょうけれど、今だったらこんな風に、読む事に加え、眺める事、触ること、想像する事で、本を大切にすることもできます(^^)

まるこだって、活版の本見つけたり持ってたりするんだぜって、たまにブログでも小さく自慢しようかと思います(^^)


悪そう・・・

次回(11月)体験予定のご案内日

まるこです~。
日に日に涼しく、活版にもってこいの季節になってきましたね~、ふふふ(^^)

さて次回11月の体験予定は、10月7日(水曜日)にご案内します。
やってみようかなぁ~と思われる方は、
ぜひこの日にブログをチェックしてみてください*
(なぜ事前にご案内日をお知らせしているかというと・・・
詳しくはこちらです。)

そして日にちとご予定が合いましたら、お友達・お知り合いお誘いの上、2名様でご応募くださいませ。
(運営上、2名様での予約のみ、お受付させて頂いています。。)

なお応募の状態を公平にさせていただく為、
ご案内はブログのみでとさせていただいておりますので
ご了承ください、ペコリm(–)m

第19回活版印刷体験

9月19日土曜日、本日のワークショップにお越し下さったのは、編集者のKさんとTさん。
Kさんはペリカンのパン(蔵前が誇る、人気のパン屋さん。売り切れて買えないこともしばしばあるのです。レタープレスの地図にのっています。)が大好きで、工房のすぐ近くに数年前越してこられたとのこと。いいですね~(^^)

またペリカン話で始まった今日のワークショップですが、今回Kさんの挑戦される版はちょっと難しそう・・・。事前に何度かやりとりをして大きさを小さくしたり、線を少し太くしたりと色々調整したのですが、やはりなるべく納得のいく、お好きなデザインの状態で楽しんで頂きたいので、「凹みは出ないだろうけれど、なんとかきれいに刷れるかなー」というところで、挑戦して頂きました。ベタ面は少ないものの、線が細いので、通常使っている樹脂版ではなく、耐久性を考えて今回は金属版です。(樹脂だと何度も使ううちに、線がとれてしまう事があるからです。)

かっこいい。犬のイラスト。これはなるべく大きく刷りたいですよね。

そして色は混色にもチャレンジ。

シルバーに青味を足すべく、慎重に少しずつ混ぜていきます。

実際印刷した色は、混ぜている時見ている色よりも薄くなるので、刷色の確認は紙にごく少量(てん。くらい)をとって、ゴシゴシこすって、伸ばした色で見ます。

そしていざ、印刷!どうかうまくいきますように。かすれに悩まされませんように。。
慎重に印圧調整をして、少しずつ、凛々しい犬が現れてきました。

一番下では鼻と目のべた面もいい感じです(^^)
良かったぁ。

試し紙でうまく出たところで、本番用の紙6種類にそれぞれ印刷し、どの紙との相性がいいか見ていきます。

版の面積が大きいので、凸凹の紙では力が分散されてやはりうまく印刷されません。

選んだのは、少し手触りのある紙と、ツルツルテカテカの紙。途中インキを足したり、変わってくる圧を少しずつ調整し直したりしながら、とてもきれいに印刷する事が出来ました*

そして次はTさん。版はベタ面も細い線も心配のない文字の印刷です。Tさんは活版特有の凹みを出したい!との思いで、原稿もそれほど大きくはなかったのですが、事前にさらに縮小し、「これは絶対凹むよね、うんうん」と皆でうなずく万全の体制で印刷に挑みました。

Tさんも混色で、オレンジを作りました。

印刷は期待どおりとってもスムーズにいきましたが、はじめはインキが多かったようでムラができてしまい、インキを減らしていくと今度は色が薄くなってしまうので、赤を足して色味のほうで濃く調整するなどの作業をしてきました。


インキが多いためのムラ。エッジ部分が濃く、インキが溜まってしまっています。

凹みは期待以上にボコッと出ました。「おおっ!すごいねこりゃ」とみんなで感激し、できたカードの裏を見ると、くっきりと凸の跡が。

(今回はご本人のご希望、事情によりTさんの版は全体をお見せ出来ませんが、どの一部をとってもきれいな凹み、見事です~)

凹みの出る状態に、さらにTさんの力が加わり、ものすごい凹みになりました(笑)手キンの印刷機は、最後は印刷するその人の力も関わってくるので、こんな時男性はいいですよねぇ(^~^)
まるこは踏み台に乗って、レバーにタオルを巻いて、猫背になろうかというくらい力んで、汗をかいて出来るところを、そんなステップを踏まずにひょいと出来てしまうのですから(笑)

途中でKさんに「やりすぎですよ~」と笑われながら、それでも希望どおりの印刷を楽しんで頂けたようで、とっても良かったです。

Tさんは色や紙や、その他過程においてとてもこだわっていらして、模索していくには短すぎる時間ですが、少しでもものづくりの楽しい時間を過ごして頂けたのだなぁ、と嬉しくなりました。

すっかり夜になり、無事に終了しました*
KさんもTさんもお疲れさまでした~(^^)/

《 2009年 10月の体験予定 》

お待たせいたしました~。(^~^)/^
10月ワークショップのご案内です。

 

◎10月第1回
開催日:2009年10月17日(土曜日)
時間:13時30分~(約3時間半程度)
定員:2名様でお申し込みください
申込締切:10月3日まで
原稿締切:10月3日まで
料金:お一人様3,500円

◎10月第2回
開催日:2009年10月31日(土曜日)
時間:13時30分~(約3時間半程度)
定員:2名様でお申し込みください
申込締切:10月17日まで
原稿締切:10月17日まで
料金:お一人様3,500円

体験をご希望の方は上記申し込み締め切り日までに

◎ご希望日
◎お二人のお名前
◎メールアドレス
◎メール以外で連絡のつくお電話番号(携帯可)

をメールで
お知らせ下さい。
折り返しこちらからご連絡いたします。

尚、ご予約は先着順です。
定員によりご希望に添えない場合もございますので
予めご了承ください。

10月のワークショップは両回共に
定員に達したため締め切らせて頂きました。
有り難うございました

また、初めての方は、
ホームページで内容や詳細をご確認頂けると嬉しいです。
詳細は、「やってみたい?」の頁にあります解説と、
そこでダウンロード出来るPDFをご覧ください。

ではでは、お友達お誘いの上、
ご応募お待ちしております!