カテゴリー別アーカイブ: 小話

レタープレスの地図から

わたくしまるこ事ではありますが、
まるこは絵を描いています。
レタープレスの周辺地図も、とても楽しく描かせていただきました。
そしてこの地図をどこかで目にして頂いた事がきっかけで、
また違う地図のご依頼をいただくことになりました。
歩くこと、絵をかくこと、なんて楽しいんだ(^0^)/
きっかけと繋がりに感謝をし、ちゃっかり載せさせていただきます。。

文芸春秋SPECIAL 季刊春号

新連載の「ふたりで歩く古典散歩」、
藤原正彦さんと奥さんの美子さんが古きをたずね、新しい出会いをする、
という内容も私の大好きな散歩に関わる連載です。
第一回目は府中・多摩霊園。
お二人がまわられた道筋をイラストマップとして描かせていただきました。

まるこより、小話でした(^^)

活版印刷詩集

「港の人」という素敵な名前の
出版社さんがあるのをご存知ですか?

「港の人」は詩集、小説、人文書や芸術書をはじめ、
日本語学、教育学、社会福祉学図書などを中心とした
書物を古都鎌倉で手がける出版社。

昨年末、このユニバーサル・レタープレスを主宰する
デザイン事務所、ミスター・ユニバースが、
「港の人」さんによる活版印刷詩集プロジェクト
のデザインを手がけました。

写真はその第一弾となる
村野美優著 「草地の時間」A5判変形・並製・カバー装

優しい触感と、子供のような純粋な鋭さが
共存する素敵な詩が編まれています。
 
 

 
 
本文の印刷は
内外文字印刷さんの岩田明朝体による
美しい活字組版印刷。
暮しの手帖社刊「暮らしのヒント集・特装版」を
お持ちの方にはピンと来るかもしれませんね。

 

カバーは、
オフセット+真美堂手塚箔押所さんによる
こちらもきりっとシャープで美しい箔押し。
 
 
 

 
 

 
こちらは
このシリーズ用に制作した
ロゴマーク。

なんと木版で制作しました。

デザインは関ですが
彫ってくれたのはデザイナーの
松村です。

そういえば
印刷用の墨を買いに行った画材屋さんで
相談がてら彫り上げた版木を見せたら、
初めてとは思えないほど上手いと
誉められたと喜んで帰ってきたことを
思い出しました。

何故自分でやらなかったのかというと…

挫折したから…。

 

活版印刷好きの方、
美しい岩田明朝体に興味のある方、
そして詩が好きな方
是非こちらで詳細をご欄下さい。

港の人
 
 
 
少しでも多くの方に活版、活字の文化を
もう一度、身近に感じていただき、
永く愛してもらえるようになることを
願ってやみません。
 
 
どうぞこれからも
活版、活字印刷を宜しくお願いします。
 
 

真映社さんの樹脂製版

こんにちは。
ミスターです。

いつも製版をお願いしている真映社さんが
樹脂製版の様子を
なななんと動画で解説してくださっています。
必見!

活版名刺の製造過程 製版1/3(樹脂の腐食)

 
 
 
活版名刺の製造過程 製版2/3(洗浄)

 
 
 
活版名刺の製造過程 3/3(出来上がり)

 
時代は動画なのですね~
(まるこ店長風に)
 
 

活版印刷で刷られた本(昔のプチ・ニコラ)

以前古本屋さんを渡り歩く機会があってふと思ったことを、一冊の本を眺めてまたふと思い出しました。活版印刷で刷られた本の楽しみかた。
めまぐるしく消費されていく本が、溢れている現代、だと思うのですが、(まるこはそうではない時代の事は残念ながら実感がないのです。)古い本はまだ沢山あります。探せば活版で刷られた本も、沢山見つけ出すことが出来ます。
たとえばそれを目当てに古書の街、神保町なんて行った日には目移りして帰って来られなくなりそうですが・・・(笑)活版印刷時代を知らなくても、興味があって活版印刷について少しでも知っていれば、そんな昔の本を見て、その本が出来るまでのことを、印刷される過程を、想い描くこともできます。

1980年に刷られた「プチ・ニコラのヴァカンス」。

活字の合間に出て来るイラストがかわいくて、たまにかすれちゃったり、たまに線が太くなっちゃったりするのがまた面白くて、そこには活版で刷られたからこその楽しみも詰まっています。


点々や短い線はやはり圧が入りやすいようで、他の部分に比べて裏うつりするくらいの圧がかかっています。


ページのぎりぎりまで印刷されています。

活版しかなかった頃はむしろこんな楽しみかたはなかったのでしょうけれど、もっとふつうで一生懸命で、印圧の差異は本当は楽しむべきところではないのでしょうけれど、今だったらこんな風に、読む事に加え、眺める事、触ること、想像する事で、本を大切にすることもできます(^^)

まるこだって、活版の本見つけたり持ってたりするんだぜって、たまにブログでも小さく自慢しようかと思います(^^)


悪そう・・・

活版体験のこと

来年1月より再開いたしますワークショップ。
現在予約受付中です。

どんな事をやるのか
ちょっと解説することにしましょう。


1.ポストカードにしたい絵柄(線画が向いてます)を送っていただき、凸版に起こします。凸版を作ってくださるのは神保町の真映社さんです。
写真は樹脂版。(亜鉛版での制作も可能です)


2.版をレイアウトに添ってメタルベースに糊で固定。ここで平面が出ていないとムラの原因になりますので慎重に。インテル・ファニチュア・ジャッキなどを用いてチェースに固定します。


3.朱・赤・藍・緑・黄・白・墨・草・群青・銀の中から色を決めて練ります。大体一回の印刷には空豆ひとつ分くらいのインキを使用。勿論混色もOKですよ。


4.インキローラーを本体に装着します。

 

5.チェースに固定された凸版を本体に装着。圧盤上のスケールを使って紙の位置などを大体決めます。

 
 
 
 
 
 
 


ねえねえ、なにやってんのー?
 
 
 
 
 
 
 
 

 


6.インキをインキ盤につけてハンドルを上下しながら均一に広げます。これ実際にやるとインキが広がる様がとてもキレイで盛り上がります。
 
 


 

わーキレイ。
 
 
 
 

 
 
 
 
7.試し刷り。
 

 


さぁ刷れたかな?
 
 
 

このときに紙を決めましょう。ユニバーサル・レタープレスでは、波光、セビロ(ウォーム)、ヴァンヌーボ(V/スノーホワイト)、ハーフエア、ロベール(ナチュラル)、プリマ、キャピタルラップの7種類から選べます。裏面にはPostcardという文字と飾り罫が刷ってありますが、不要な方は刷り込みの無いものも選んでいただけます。
しかしながら凹凸のある紙は版によってはきちんと刷れない場合があるので相談しながら決めてゆきます。
 
 
 

8.4点のボルトを使用して、圧盤が凸版に並行に接地するようバランスを整えます。これが結構大変。ムラ無く均一にインキが着くようになるまでなるまで根気よく調整を繰り返します。


9.バランスが取れましたらゆっくりと(しかし力強く)ハンドルを押して本番刷りです。お好みの20枚で刷っていただけます。


10.刷り上がったものから乾燥用カードラックに挿して乾燥させます。(完全に乾くまでは1日ほどかかるので、お持ち帰りの際には紙を挟み込んでお渡しします。)


おつかれさまでした
 
お茶を飲みながら刷りあがり自慢しあう楽しいひとときです。
(お祭りも最高潮のようですよ)
 
 
 

 
 
 
以上簡単ですが手順のご紹介でした。
これらの操作はまるこ店長が解説しながら
一緒に行います。

刷り終わった版はお持ち帰りいただけますので、
ご近所の活版印刷屋さんにお持ちいただければ
刷って貰うことも出来ますよ。

是非、これをきっかけに
活版印刷に親しんでくださいね。

ミスターでした。
 
 


紙面のい対してこれくらいの絵柄のサイズだと割と凹みます。全面の絵だとまず凹みは出来ませんから、あの独特の凹みを体験したい人は少し小さめの絵柄にすると良いと思います。(このカードはマッチャン製です)
 
 

帰ってきた

ミスターです。
今年の夏にユニバーサル・レタープレスを
卒業して旅に出た「まるこ店長」。
初冬のある日、ミスター・ユニバース(ユニバーサル・レタープレスの母体※のデザイン事務所)に遊びに来ました。
※(ミスター注)母体と言うほど立派じゃない
元々彼女はミスター・ユニバースのデザイナーとして働いていもらっていたのですが、活版印刷部門も講師として手伝って貰っていました。
聞けば彼女は現在絵描きさん。頑張っている様子を見て、ワークショップも再開出来ないで居るくらい忙しいので空いている印刷機を思い起こし、必要ならば使っていいよと申し出ました。
そこでふと思いつきました。
どうせならばワークショップの開催を手伝ってもらったらいいんじゃなかろうか?早速相談しましたところ月に2回のワーショップを今まで通り手伝ってくれることになりました。

と言うことで来年1月より再開しますワークショップは今までと変わらずまるこ店長が行ってくれることになりました。やったー。

こちらのブログも時々書いてくれますから
どうぞお楽しみに。

それではまるこ店長
よろしくお願いします。

尚、ユニバーサル・レタープレスには
ミスター(僕です)とまるこ店長に加え、
お手伝いのハマちゃん、
マッチャンが時々顔を出します。

これからも
ユニバーサル・レタープレスを
どうぞよろしくお願いします。

前列左から
まるこ店長※、マッチャン
後列、ミスター、ハマチャン

※まるこ店長はここまで小さくありません

ユニバーサル・レタープレスのこと


 
 
まるこ店長がまるこらしさ探しの旅に
旅立ってしまいました。
たぶん、中田のように気がつけばそのあたりに
居るような気がしますけど、気にせずにいきます。

ミスターです。

そういえば、体験に来た方によく云われるんです。
ほんとうにトップページのイラストどおりなんですねって。
そうなんです。ロケットもありますよ。
 
 
 


これが、
開きます。
 
 

 
 

びよーん。
 
 
 

 

奥に見える入り口は大家さんの家です。
そしてその向こうはさかなやさんです。
 
 
 

 
  

中はこんな感じ。普段は印刷機は出てません。
(だってデザイン事務所なんです)
 
  
 
 
 

紙も雑然と…
 
  
 
  


お祭りのときには提灯もつきます。
  
 
 
 

 
 

近所にはこんなコワモテのコックさんや…
 
 
 
 
 
 

何かを訴えかける犬も居ます。
 
 
 
 
 
 

豆腐屋さんの看板娘です。ちょっと舌が出てますけど。テヘ。
 
 
 
 
 
 
 
 

ときどきこんな夕暮れにも出くわします。
 
 
ウチは4丁目です。惜しいですね。なにが?
 
 
そんな蔵前でやっています。
これからもどうぞよろしくお願いします。

ミスターでした。

 
 

7月17日その2そしておもしろい見本帳

ミスターがおもしろい見本帳を手に入れていました。

なにがおもしろいかって、見本帳に見本として出ている文字が文章になっていて、その文章の内容が・・・笑ってしまうのです。プププ(笑)

見本帳には色々な種類の書体が並んでいて、その書体ごとに自分のキャラクターを説明し、アピールしているのです。しかも彼らの話し方がとても真面目で、昔風(昔のものだから当たり前か)。
その、真面目にアピールをしている雰囲気が何とも言えません(笑)まるで生きているようです。

ちょっとご紹介。

清朝五号「私は皆様に今日迄の清朝の御不便を吹飛して何處迄も可愛がつて頂くため便利に出来上がりました新活字で御座います御使用ノ用途ハ私カラ申し上ゲル迄モナク各方面デ充分御利用下サル事ト存ジマス」

清朝六号「私は兄の五号清朝と同じ目的で生まれ出たもので一切が五号清朝ト少シモ・・・・・以下難しすぎて省略」

兄弟のようです。

7月17日 暑すぎです。見本帳のこと

活字見本帳。活版印刷やさんや活字やさんで手に入るものですが、昔に比べて現在はかなり貴重なものだそうです。だそうですというのはまるこがその「昔」を知っている大御所まるこではないので、何についても偉そうな事は言えないのですが、活版印刷が少なくなってきている今、印刷やさんも辞めようかどうしようか迷う事が多いときに、見本帳なぞやたらめったら作らないぞ。というのが現状のようです。昔つくったもの、今あるだけ、なくなったらおしまい。というのが今貴重とされる理由。その「今あるだけ」もたくさんあるわけではないので、印刷やさんによってはもうサンプルとして渡すことは出来ない。というところも多いようです。もしくは、もうない。とか。

以前に台東区千束の活字やさんを訪れた時、「頂ける見本帳はありますか?」と聞いたところ、「もう一部しかないからあげられないんだ。ごめんね」と言われ、コピーだけさせて頂いた事もあります。

なので、頂けた見本帳は大切に、貴重なものとして工房にあります。以前にブログでご紹介した「藤村印刷」さんで頂いた見本帳もそのひとつです。見本帳も印刷屋さんによって、活字自体も違いますし、形態も色々なものがあるので集めたいところですが、こればかりは仕方ありません。
あるものを大切に、保管していくしかないのですね。。

もし今後新しい見本帳が世の中に出てきたら、それは活版印刷が復活してきたという事でしょうか。ワクワクする夢です。

7月16日 台風が近いそうですろう引き紙

まるこはろう引き紙が好きです。

ご存じですか?きっと紙好きの方なら一度はときめいた事のある紙だと思うのですが、昔よく魚やさんで使われていた、油や水分が染みこまない、すなわち魚を入れて配達しても水分がしみて外にこぼれ落ちる事のない、とても優れた紙です。

なぜ染みこまないかと言うと、名前からも分かるとおり、ろうで引いてあり油分が紙をコーティングしているからなのですが、その為、質感がなんとも「ウエッティー」で、いい感じなのです。ぬれているわけではないのに見た目でしっとりとしたその紙は、紙やさんというよりも最近よく雑貨やさんで目にする事が多くあります。

昔魚やさんで使われていた頃は船の様な形の袋状になっていたので、それをそのまま売っていたりするのです。使い道は狭いかもしれませんが、ちょっとした食べ物を入れて実用的に使っても、ただマニアックに眺めるだけでもいですよね~(^~^)
まるこは魚屋さん型のものや、封筒になったもの、さらにロール状のものも持っています。いまのところ、ただマニアックに眺めたりの保管方です。


手元に舟形のものがなかったのですが、こんな風にうっすら中が透けます。

7月8日 ぽつぽつ、雨版をとりに、真映社さん

いつも、版(活字ではなくて、金属板・樹脂板です)を作って頂いているのが、千代田区神保町にある「真映社」さんです。
神保町の駅から歩いて10分ほどの、路地を入ったところにあるのですが、昔からの活版印刷やさん、凸凹フェスタに出品されている方々や、新しく興味を持って活版に関わりだした方まで、とにかく様々な人が真映社さんで版製作をお願いしています。

そんな活版印刷の活動になくてはならない、お父さん的存在の真映社さん。いつも版を引き取る際に伺うのですが、そこではいつも新しい発見があります。いつもお話する角田さんもとても気さくな方で、「今度こういう展示があるんだよ~」などの情報はもちろん、活版に関する事も色々教えてくださいます。

今日も昨日お願いした版を取りに伺ったのですが、またまた新情報!
真映社さんがホームページを作っているとの事!さらにブログも始められるとの事!すごいです~*新しい試み、ずっと活版に関わられてきた方がこのように活動を始められるというのは、本当に貴重で嬉しい事だと思います。
活版がもっと盛り上がる予感・・・*
わ~いわ~い、とにもかくにも、楽しみです!

本日真映社さんから頂いたお中元。ハートのキャンドルです*
キャンドルナイトというのをご存じですか?先日角田さんから教えて頂いたのですが「でんきを消して、スローな夜を」という面白い活動です。下記アドレスから詳細見れます。
http://www.candle-night.org/

7月4日 汗はダラダラ紙一枚、ひとかけらの重さ

佐々木活字店さんのお話につづいて、職人さんのお仕事を見たり、活版印刷を通してを学んだ事の中からおひとつ。

活字を組み版を作っていくときに、どうしても版の中にすき間が空きスカスカしてしまう部分が出る事があるのですが、それは昔のインテル(行間をあけるために入れる、活字より低い板状のものです)が木製だったので、長く使用して圧がかかるごとに変形し、もとより細くなっているのが原因だったり、一行中でも込め物(文字間をあけるために活字同士の間に入れる、活字より低い金属)などの半端がどうしても出てしまったりする為です。

そんな状態を改善する為に、活版印刷ではそのスカスカ部分に紙を入れてその紙の厚みで間を埋めたります。紙ならたとえば画用紙でも、薄いメモ用紙でも、色々な厚みがありますし、どんな紙でも代用できます。まるこが佐々木さんのところで版づくりを見せて頂いた時は、すぐそこにあった(というか落ちていた、くらいの位置づけ)紙を使用してスカスカを解消していました。

さらに実際に印刷する時でも、もっと薄いものが思わぬ大活躍をする事があります。

活字を組んだ版の中には、古い活字がほんのちょっと削れて低くなっていたりして、一文字だけどうしても薄かったりするのですが、そんな時のスーパーマンは「セロテープ、ひとかけら」。その文字サイズでセロテープを切って、出ない活字の後ろ(版の裏側)にペッと貼るだけ。セロテープのわずかな厚みで活字が底上げされ、見事印字されるようになるのです!
セロテープですよ!あのひらひらのセロテープ!(決してセロテープをけなしている訳ではありません)

そしてさらに、版ではなくて印刷する紙のほうでも、スーパーマンが登場する事があります。
たとえば樹脂板でどうしてもイラストの一部分だけ出にくかったりする時、出にくい部分だけ、薄い紙をその形に切って、印刷する紙の後ろに貼ります。するとまたまた貼った部分、つまり出にくかった部分がうまく出るように!
これも、「たった紙一枚、ひとかけら」の効果です。

普段生活していく中で、何をやっている時も
こんなに紙一枚ひとかけらに有り難みを感じる事があるでしょうか。
と、考えるとまるこはやっぱりないなぁ。。(^^;)

紙は大好きで集めてもいますが、たとえばチラシ、沢山描いたメモ紙などもういらないと思ったものはバンバン捨ててしまう事が多く、そしてかけらが落ちていたら「紙くずのゴミ」として見る事が多く、
活版印刷を通してこんな小さな紙一枚に助けられ、大切に思う気持ちを・・・・
あれ、今発見してしまいました(^^;)

まだまだいろんな発見が隠れていそうだぞ。活版印刷。