7月7日 凄い湿度七夕なので・・・ちょっとマニアックコレクション

「インキディスク」とは、印刷機(わが工房にあるAdana-21J)の部分名称でこのデイスクの上でローラーがインキを伸ばし、ローラー自体にインキを付け版に移し、そして印刷できるという、大事な部分です。
機械の形を象徴するシルエットのなかでも欠かせない部分ですが、
どこかというと、えーっと、ここです。

このインキディスクにインキをのばした時のキレイさと言ったら・・・
うふふ、うふふ。気持ち悪い?(笑)

インキの種類は沢山ありますが、とりあえず今まで撮影した色だけ、4レンジャーをちょっとご紹介。
写真では十分にお伝え出来ないものがあり残念ですが、印刷体験で来られた方からしばしば歓喜の声が上がったりもするのですよ~。
「なんじゃそれ」という方はごめんなさい(笑)

七夕ですね~。

7月4日 汗はダラダラ紙一枚、ひとかけらの重さ

佐々木活字店さんのお話につづいて、職人さんのお仕事を見たり、活版印刷を通してを学んだ事の中からおひとつ。

活字を組み版を作っていくときに、どうしても版の中にすき間が空きスカスカしてしまう部分が出る事があるのですが、それは昔のインテル(行間をあけるために入れる、活字より低い板状のものです)が木製だったので、長く使用して圧がかかるごとに変形し、もとより細くなっているのが原因だったり、一行中でも込め物(文字間をあけるために活字同士の間に入れる、活字より低い金属)などの半端がどうしても出てしまったりする為です。

そんな状態を改善する為に、活版印刷ではそのスカスカ部分に紙を入れてその紙の厚みで間を埋めたります。紙ならたとえば画用紙でも、薄いメモ用紙でも、色々な厚みがありますし、どんな紙でも代用できます。まるこが佐々木さんのところで版づくりを見せて頂いた時は、すぐそこにあった(というか落ちていた、くらいの位置づけ)紙を使用してスカスカを解消していました。

さらに実際に印刷する時でも、もっと薄いものが思わぬ大活躍をする事があります。

活字を組んだ版の中には、古い活字がほんのちょっと削れて低くなっていたりして、一文字だけどうしても薄かったりするのですが、そんな時のスーパーマンは「セロテープ、ひとかけら」。その文字サイズでセロテープを切って、出ない活字の後ろ(版の裏側)にペッと貼るだけ。セロテープのわずかな厚みで活字が底上げされ、見事印字されるようになるのです!
セロテープですよ!あのひらひらのセロテープ!(決してセロテープをけなしている訳ではありません)

そしてさらに、版ではなくて印刷する紙のほうでも、スーパーマンが登場する事があります。
たとえば樹脂板でどうしてもイラストの一部分だけ出にくかったりする時、出にくい部分だけ、薄い紙をその形に切って、印刷する紙の後ろに貼ります。するとまたまた貼った部分、つまり出にくかった部分がうまく出るように!
これも、「たった紙一枚、ひとかけら」の効果です。

普段生活していく中で、何をやっている時も
こんなに紙一枚ひとかけらに有り難みを感じる事があるでしょうか。
と、考えるとまるこはやっぱりないなぁ。。(^^;)

紙は大好きで集めてもいますが、たとえばチラシ、沢山描いたメモ紙などもういらないと思ったものはバンバン捨ててしまう事が多く、そしてかけらが落ちていたら「紙くずのゴミ」として見る事が多く、
活版印刷を通してこんな小さな紙一枚に助けられ、大切に思う気持ちを・・・・
あれ、今発見してしまいました(^^;)

まだまだいろんな発見が隠れていそうだぞ。活版印刷。

7月3日 佐々木活字店さんのおはなし

まだレタープレスの活動が始まって間もない頃、ショップカードをつくる時に大変お世話になり、その後も色々助けて頂いている、そしてまるこは仲良くして頂いている「佐々木活字店さん」。
活動はじめに「ますはショップカードだろう」と意気込んでデザインを決めたはいいものの、名前や住所は活字で組み、下に工房イラストの版を組み合わせるという、最初にしては高度な技が出来るわけもなく、朗文堂さんから教えて頂いた佐々木活字店さんに泣きついたのでした(笑)

「じゃあ午前中においで、実際にやってみせてあげるから」との嬉しい言葉にドキドキしながら新宿榎町、佐々木活字店さんへ。
そして実際に目の前で職人さんが組み上げてくださり、まるこはその間中、この貴重な時間を一分たりとも見逃すものか~とばかりに張り付いて凝視していました(笑)やっぱりすごいんです、職人さんの技。細かな作業を意図も簡単にやってしまうところももちろん「お~」という感じですが、位置や活字の間に入れる込め物を目見でぱっと合わせてそれがぴったり合っているという。。これには「うおぉ~~!!」です、心の中で(笑)
きっとこれを自分でやろうとしたらものすごく時間がかかって、何度も髪をかきむしったりしてしまうんだろうなぁ(^^;)

出来た版は大事に工房へ持ち帰り、今でも大切に保管しながらカードを補充するたびに登場しています。

そして今でも佐々木さん、特にいつもお電話に出てくださる、エプロンの似合う塚田さんとは仲良くして頂いていて(思い込み?)、塚田さんとお話するのも伺う時の楽しみになっています(^^)

7月1日 晴れミスターの名刺

ミスターの名刺、それは「パルパー」という紙を使っています。
パルパーとは、印刷体験でも選べる紙の中で常備しているもののひとつなのですが、これがまた非常にデコ、ボコ、としています。常備している5種類の紙の中で、手触り第1位、刷りにくさ第1位でなんとも憎めない紙なのです(^^;)

今日はそのパルパーを使ってミスターの名刺印刷に取り組みました。名前面は文字のみで重心が一箇所に集まっているので、比較的圧はかかりやすく、バランスもとりやすく、さらに「パルパー」という事を考慮して版も金属板の中で厚みのあるもので作っていたので、それらの要素が重なってなんとかきれいに印刷は出来ました*

が!圧をいくらバランスよくかけても、紙の凸凹のせいである文字は強く印字され、ある文字は弱く印字されてしまうという問題が発生しました。そしてそれは紙一枚一枚凸凹具合が違うので、一枚一枚圧のバラバラさもバラバラなのです(><)

わかるでしょうか、あるところが太くあるところは細い。そして3枚ともその具合が異なっています。

これはどう頑張っても無理だわなぁ~そういう紙を選んでるのだから(笑)という話になり、気持ちは的にはバランス良く刷るぞ!という意気込みで刷るとこ100枚。
一枚一枚刷っていくうちに、刷り方でほんの少しだけこのバランスのバラバラさを軽減出来る事を発見しました。

版と紙がくっついた手応えを感じたら、そこから紙に一気に圧をかけます。するといつも「フカッ」という紙の感触が「サクッ」という感触になり、ほんのすこ~しですが、均一になったような・・・気がします!気がしたんです!(><)


ひらひらひら~

6月30日 大伸印刷さん

ものづくりの町台東区、その中の蔵前。ここで工房をやっているからには、近くに頼れる活版印刷屋さんがあったらいいなぁ。といつも思っていました。
なかなか見つからなかったのですが、人づてにやっと見つけた「大伸印刷」さん。しかも大伸さんはおかず横町の目と鼻の先、SyuRoさんのすぐ近く、そしてレタープレス結構近く!!
そんな事言っても「どこ?」という感じかもしれませんが、とにかく本当に工房のご近所と言える距離で、自転車でものの10分弱です。

大伸さんは現在お父さんと息子さんで運営されている下町の活版印刷やさんですが、ホームページも持っていて、技術を守りながら新しい事にもチャレンジされている印刷やさんです。

早速、レタープレスの体験で常備しているポストカード用の紙に”post card”という文字とおしゃれな罫線を刷って頂きました。今までは工房で一枚一枚印刷していたのですが、しょっちゅう使うもので追いつかない事もあり、大伸さんのお力を借りる事にしたのです。
はじめてお願いするので印刷立ち会いに行ったのですが(もちろん自転車で)、細かいお願いやレタープレスの茶色を作っていただく事まで、とても親切にして下さいました。機会もきれいでとても大事にされている事が伝わってきました。
直接伺い自分の目で見るという事はやっぱりいいですね~(^^)

引き取りももちろん自転車で、帰ってから開けてみると、びっくり!感動!そしてちょっとショック・・・なぜなら、やはり機械のシャープには負けた・・・という事が一目で分かってしまったからです。
まるこが汗をかきかき一枚ずつ刷ったものもそれなりにきれいに出来ていると思っていたのですが、機械仕上がりと比べると、なんかベチャ~っとしているというかエッジが滲んでいるというか・・・

だからやっぱり印刷やさんは必要なんだ!大事なんだ~!
と印刷やさんの凄さを再認識しながら、何とも言えない切ない気持ちになりました(笑)

下の写真、左が大伸さんで刷っていただいたもの、右がまるこが汗だくで必死に刷ったもの。色はちょっと違いますが、わかるでしょうか、この残念さ・・・。

6月28日 くもり第5回印刷体験やりました*

今回の選手はお二人とも女性の方、お友達同士です。
事前にメールでやりとりをしている時から熱い意気込みを見せていただき、まるこもそれにつられ「がんばるぞー!」と盛り上がっていました。メールで(笑)

お二人もとても絵がかわいいので刷るのが楽しみでしたが、ベタ面とイラストの大きさをから、うまくすれるかなぁ~と少し心配なところがありました。もしかしたら、ベタ面のかすれが気になるかな、難しいかな。

しかしいざやってみると、圧のバランスがしっかりとれればほとんどムラなくきれいに出ました。しかも圧も裏まで手触りを感じるほどに!インキの乗りやすいツルツルした紙を選んだり、うまくいった要素は色々重なったのだと思いますが、良かった良かった、です(^^)

それにしても暑いので、お二人ともすごく暑そうでした。わかります、その感じ・・・。お疲れさまでした(^^;)

一休みの時間にお話をしていると、印刷博物館の話に・・・
体験に来られる方はほぼみなさん印刷博物館を知っていて、「あそこって面白いよね、でもまわりになかなか理解してもらえないよね(笑)」という話になります。たしかに、興味の無い人からは「ふ~ん」という反応しか返ってきませんが、印刷好きの人は絶対楽しいはず!印刷の歴史などワクワクするものが沢山見れますので、オススメです*博物館は水道橋と飯田橋(飯田橋の方が近いです)の間にあります。

一休みしたあと、お二人は浅草を散策されるそうで、地図をもって出かけて行かれました。そうです、ちかいのです、蔵前と浅草。
本日も長丁場でしたが、楽しんで頂けたみたいで、良かったです~。

この暑さ+熱さは、真夏になったらどんな事になるのだろう。。と考えると、体温が一度上昇したような気になります(笑)

6月16日 晴れそして暑い藤村印刷さん

この前おつかい途中の道で小さな活版印刷やさんをみつけました。
その名も「藤村印刷」さん。その道は以前も何度か通った事があるのですが、看板という看板は出ていなくて、いままで全く気づかなかったようです(^^;)
引き戸が開いていてその隙間から見えたのが沢山の活字!「これは!もしや?!」とすかさず中を訪ねてみました。

「すみません、こちらは活版印刷やさんですか?」とまるこ。
「そうだけど」とおじさん。
おじさんの横には小さな活版印刷機(手キンではありません)が一台と、後ろにはお宝(活字)が沢山、、そりゃ見れば分かるわなぁ(^^;)

ごあいさつから少しお話をうかがいましたが、「活版はもう需要がなくてねぇ。」とちょっと寂しそうな藤村さんを見てきっとこういう小さな活版やさんはまだ沢山あるのだなぁと。そういう職人さんに、生意気ながら「いま活版をまだまだ無くさないように、見直そう」という動きが色々な所であるのですよ~。とお伝えしたいと思いました。きっとレタープレスが関わる事が出来るところは、ネット環境があったり、少し大きな活版やさんだったりするので、こういう町の小さな活版やさんまでは、今若い人達が活版に興味を持ち始めている事は伝わっていないのだなぁ。と、この時実感しました。

もっと隅々まで、凸凹フェアのような動きが伝わればいいいのになぁ。

お話の最後に、刷った名刺のサンプルや、活字の見本帳まで頂いちゃいました!上の写真が見本帳ですが、この焼け具合!いい感じです*こんな貴重な物を頂いていいのかしら~。

そんな流れで結局、活版を見直す動きの事や、レタープレスの事を話しそびれて出てきてしまいました。あれ?(笑)

今度はちゃんとお伝えしようと思います。
「わたし、まるこなんだよ。」って。

6月12日 雨だからこの町のひと、隣の魚やさん

レタープレス工房の隣は、魚屋さんです。

魚屋さんですがお総菜として煮付けを売っていたり、フライ(金曜日限定)を売っていたり、以前にベーグル(たぶんフィッシュが挟まっているんだと思います)が売られているのを見かけたこともあります。とにかく色々なアイディアがお店の前に並んでいます。こちらは工房ですし残念ながら実際に買う機会がないのですが、いつも通るたびにチラッとのぞいてしまいます。
もっと堂々とのぞけたら~っ(><)

お店のおじさんはとてもきびきびとした方(挨拶から推測)で、後ろに荷台の付いたブラックのかっちょいい自転車で配達にもまわっています。
あの自転車かっこいいなぁ~と思っていたら、なんと工房向かいの酒屋さんもそっくりのに乗っていた!(笑)

いつかまるこもあの自転車に乗って蔵前の町を走りまわりたいなぁと、密かにおもっています。

6月10日 梅雨の中休み露木印刷さんのお話

蔵前に越す前から、レタープレスが始まるずっと前からお世話になっている活版印刷やさんがあります。以前もちょっと出てきましが、三軒茶屋にある「露木印刷」さん。

長年ご夫婦で頑張っていらして、まるこ自身はまだ長いお付き合いというわけではないのですが、いつも伺うと、とてもあたたかく迎えてくださって、終始笑っていて、いつも帰る時にはホクホクした気持ちになります。そんな、露木印刷さん。

名刺サイズから大判まで刷って頂けるのですが、先日(といっても4月です、だいぶ前。。)四谷の凸凹フェアに出品する為製作した、レタープレスの大判地図を刷って頂きました。

印刷の立ち会いに行ったのですが、B3サイズのものを刷るのは機械も大きいですし、迫力があります。
残念ながらこればっかりは我が工房では味わえません。

この機械です。かっちょいい~*

しかし大きいと、色の濃度を全体均一にするにも、圧を調整するにも少し難しいようで、しかもこちらからの要望などもあり色々試行錯誤をして頂いちゃいました(^^;)それでもニコニコ、納得いくまで調整して頂き、その為大満足の大判地図が出来たのです。

露木さん、ありがとうございました!

印刷時の写真をちょっとご紹介。

わっはっはっはっは。向かいでまるこも大爆笑。

この笑顔を見るだけで、幸せな気持ちになります。ね。

6月7日 はれ印刷体験と鳥越まつり

本日晴天なり、嬉しい活版日和です!
加えて鳥越まつりという下町の大きなお祭りがあったので、いつも静かな蔵前の町は、午前からにぎわっていました。工房あたりはメインの場所ではないですが、前の通りをだしやおみこしが通るので、ハッピをきた人達が沢山歩いていました。

そんな中、本日の体験選手は遠いところをお越し下さったS選手と、2度目の再チャレンジ、ひつじのM選手です。

S選手は普段からイラストを描かれているそうで、今日はその中の架空の動物シリーズ「犬」を原稿にしてくださいました。このわんちゃんがとても可愛いんです!(^^)
そして最近レタープレスに新しく入ってきた「シルバーインキ」での初チャレンジ。まだまるこも試した事ありません。ドキドキです。練ってのばしてみると、光によって、見る角度で違う輝きを放ち、他のインキとは違う様子に新しい発見をしたようで嬉しくなりました。何て言えばいいんでしょう、キラキラというより、シャイニ~?(笑)

S選手が印刷を始めると同時に工房の前をみこしやだしが次々と通り、レタープレスから出る熱気と、お祭りの熱気で、蔵前4丁目27番地あたりはものすごく暑かったのではないでしょうか。

ひつじのM選手が印刷する頃には、みこしが近く(道のど真ん中)で休憩に入り、一角に沢山の人たちが集まりました。近くの家々からも外に椅子を持ち出して何か飲んだり食べたり、たのしそ~*

工房はもちろん全開にしていたので、時々おじさんやおばさん、ちいさな子供達にのぞかれながら、M選手の印刷リベンジは続きました。「まんてん」というお店のロゴだそうです。色も爽やかな浅黄色を混ぜてでつくり、とても素敵でしたよ(^^)

今年一番のにぎやかな体験、熱かったです!(笑)
すっかり写真を撮り忘れてしまいました~(^^;)

今日の作品はホームページ内「紙とインキで出来たもの」の作品にアップしました。その他過去の作品も載せましたので、見てみてください*(^^)