月別アーカイブ: 2008年7月

7月10日 くもり商品製作、始動

商品の製作がいよいよ始まりました!

記念すべき、大事な第一作目は、イラストレーターの北村範史さんと一緒に作らせて頂きました。
北村さんのイラストを活版で刷る、ポストカード。とてもワクワクします。

今日は試作という事で工房にお越し頂き、色出しから試し刷りまで行ったのですが、予想以上のいい出来に、このまま刷ってしまおう!とお店に出す分も全て、ご本人が刷ってくださいました。

色は濃いブルー。活版インキのこの色は、柔らかいのか水っぽいのか、いつもベタ面にムラが出る傾向にあったのですが、その繊細なベタ面の濃淡が、北村さんのイラストのタッチにとても合っていて、偶然の、とてもステキな世界観が出来ました。計画では本刷りを活版印刷やさんの機械刷りでお願いしようとしていましが、このあまりのいい出来具合に、この濃淡はむしろ機械では出ないのではないか、手で刷った方がいいのではないか・・・という事になり、急遽、全て刷る事になったのです。

しかも圧が見事均等に、くっきりキレイに入った為、そこにも驚き。
インキを付けずにそのまま押すと、型押しのようになり、これもまた素敵・・・。
白い紙だけど、角度によって凹みが見えたり見えなかったり、一枚の紙を見る時間が長くなるよねー、と、新しい発見です。

ものづくりの色々な発見が出来た、貴重な時間でした。

そして本当に、素敵なポストカードに仕上がりました。まるこも個人的にものすごく欲しいです。
そのまま「欲しいです」と言ったら、ミスターに「○○円ね」と言われました(笑)買います(笑)

本日の作品は、近々商品化される予定です。
どうぞ、お楽しみに!!(^^)

7月9日 少し風ありWOODWORK なおい選手

風があって少し涼しくて、ほんとに良かった・・・

なぜなら今日は、ちまた(御徒町と蔵前)では力持ちで有名なウッドワークのなおい選手が活版印刷にチャレンジしに来るからです。ウッドワークさんとはとても仲良くして頂いている御徒町にある家具屋さんで、家具屋さんなのでみさなさん力持ちだと思いますが、なおいさんは特別力持ちなのです。「ちょっと動けば暑いんだ」と言っていたので、まるこは羨ましいほど代謝がいいのだな、活版で運動したら大変だな、今日は暑くなくてほんとに良かった・・・というわけです。

刷るものは、ウッドワークさんの商品の包装に使うラベルです。まるこや体験に来る方がいつも苦労している「力をかける事」を、今日はいとも簡単にやって下さるのかなぁ。と期待していました。が、、、使う紙がとても薄い紙なので、全然力が必要なく、むしろ「力を入れないで刷る」という事に苦労されていたみたい・・・(^^;)
「抑えるという精神的戦い」というコメントがやはり力持ちです。
まるこもヒーヒー言ってないで、なおい選手を見習ってちょっと筋トレしなきゃな。。

片付けも手伝って頂き、ありがとうございました*

ウッドワークさんはこちらです。
お店も商品もスタッフの方も、あたたかくてステキですよ*
http://www.woodwork.co.jp/


恥ずかしそうだったので、遠くから盗み撮りしてみました。


選手の力作、お店でお買い物した際に出会えるかもです*

7月8日 ぽつぽつ、雨版をとりに、真映社さん

いつも、版(活字ではなくて、金属板・樹脂板です)を作って頂いているのが、千代田区神保町にある「真映社」さんです。
神保町の駅から歩いて10分ほどの、路地を入ったところにあるのですが、昔からの活版印刷やさん、凸凹フェスタに出品されている方々や、新しく興味を持って活版に関わりだした方まで、とにかく様々な人が真映社さんで版製作をお願いしています。

そんな活版印刷の活動になくてはならない、お父さん的存在の真映社さん。いつも版を引き取る際に伺うのですが、そこではいつも新しい発見があります。いつもお話する角田さんもとても気さくな方で、「今度こういう展示があるんだよ~」などの情報はもちろん、活版に関する事も色々教えてくださいます。

今日も昨日お願いした版を取りに伺ったのですが、またまた新情報!
真映社さんがホームページを作っているとの事!さらにブログも始められるとの事!すごいです~*新しい試み、ずっと活版に関わられてきた方がこのように活動を始められるというのは、本当に貴重で嬉しい事だと思います。
活版がもっと盛り上がる予感・・・*
わ~いわ~い、とにもかくにも、楽しみです!

本日真映社さんから頂いたお中元。ハートのキャンドルです*
キャンドルナイトというのをご存じですか?先日角田さんから教えて頂いたのですが「でんきを消して、スローな夜を」という面白い活動です。下記アドレスから詳細見れます。
http://www.candle-night.org/

7月7日 凄い湿度七夕なので・・・ちょっとマニアックコレクション

「インキディスク」とは、印刷機(わが工房にあるAdana-21J)の部分名称でこのデイスクの上でローラーがインキを伸ばし、ローラー自体にインキを付け版に移し、そして印刷できるという、大事な部分です。
機械の形を象徴するシルエットのなかでも欠かせない部分ですが、
どこかというと、えーっと、ここです。

このインキディスクにインキをのばした時のキレイさと言ったら・・・
うふふ、うふふ。気持ち悪い?(笑)

インキの種類は沢山ありますが、とりあえず今まで撮影した色だけ、4レンジャーをちょっとご紹介。
写真では十分にお伝え出来ないものがあり残念ですが、印刷体験で来られた方からしばしば歓喜の声が上がったりもするのですよ~。
「なんじゃそれ」という方はごめんなさい(笑)

七夕ですね~。

7月4日 汗はダラダラ紙一枚、ひとかけらの重さ

佐々木活字店さんのお話につづいて、職人さんのお仕事を見たり、活版印刷を通してを学んだ事の中からおひとつ。

活字を組み版を作っていくときに、どうしても版の中にすき間が空きスカスカしてしまう部分が出る事があるのですが、それは昔のインテル(行間をあけるために入れる、活字より低い板状のものです)が木製だったので、長く使用して圧がかかるごとに変形し、もとより細くなっているのが原因だったり、一行中でも込め物(文字間をあけるために活字同士の間に入れる、活字より低い金属)などの半端がどうしても出てしまったりする為です。

そんな状態を改善する為に、活版印刷ではそのスカスカ部分に紙を入れてその紙の厚みで間を埋めたります。紙ならたとえば画用紙でも、薄いメモ用紙でも、色々な厚みがありますし、どんな紙でも代用できます。まるこが佐々木さんのところで版づくりを見せて頂いた時は、すぐそこにあった(というか落ちていた、くらいの位置づけ)紙を使用してスカスカを解消していました。

さらに実際に印刷する時でも、もっと薄いものが思わぬ大活躍をする事があります。

活字を組んだ版の中には、古い活字がほんのちょっと削れて低くなっていたりして、一文字だけどうしても薄かったりするのですが、そんな時のスーパーマンは「セロテープ、ひとかけら」。その文字サイズでセロテープを切って、出ない活字の後ろ(版の裏側)にペッと貼るだけ。セロテープのわずかな厚みで活字が底上げされ、見事印字されるようになるのです!
セロテープですよ!あのひらひらのセロテープ!(決してセロテープをけなしている訳ではありません)

そしてさらに、版ではなくて印刷する紙のほうでも、スーパーマンが登場する事があります。
たとえば樹脂板でどうしてもイラストの一部分だけ出にくかったりする時、出にくい部分だけ、薄い紙をその形に切って、印刷する紙の後ろに貼ります。するとまたまた貼った部分、つまり出にくかった部分がうまく出るように!
これも、「たった紙一枚、ひとかけら」の効果です。

普段生活していく中で、何をやっている時も
こんなに紙一枚ひとかけらに有り難みを感じる事があるでしょうか。
と、考えるとまるこはやっぱりないなぁ。。(^^;)

紙は大好きで集めてもいますが、たとえばチラシ、沢山描いたメモ紙などもういらないと思ったものはバンバン捨ててしまう事が多く、そしてかけらが落ちていたら「紙くずのゴミ」として見る事が多く、
活版印刷を通してこんな小さな紙一枚に助けられ、大切に思う気持ちを・・・・
あれ、今発見してしまいました(^^;)

まだまだいろんな発見が隠れていそうだぞ。活版印刷。

7月3日 佐々木活字店さんのおはなし

まだレタープレスの活動が始まって間もない頃、ショップカードをつくる時に大変お世話になり、その後も色々助けて頂いている、そしてまるこは仲良くして頂いている「佐々木活字店さん」。
活動はじめに「ますはショップカードだろう」と意気込んでデザインを決めたはいいものの、名前や住所は活字で組み、下に工房イラストの版を組み合わせるという、最初にしては高度な技が出来るわけもなく、朗文堂さんから教えて頂いた佐々木活字店さんに泣きついたのでした(笑)

「じゃあ午前中においで、実際にやってみせてあげるから」との嬉しい言葉にドキドキしながら新宿榎町、佐々木活字店さんへ。
そして実際に目の前で職人さんが組み上げてくださり、まるこはその間中、この貴重な時間を一分たりとも見逃すものか~とばかりに張り付いて凝視していました(笑)やっぱりすごいんです、職人さんの技。細かな作業を意図も簡単にやってしまうところももちろん「お~」という感じですが、位置や活字の間に入れる込め物を目見でぱっと合わせてそれがぴったり合っているという。。これには「うおぉ~~!!」です、心の中で(笑)
きっとこれを自分でやろうとしたらものすごく時間がかかって、何度も髪をかきむしったりしてしまうんだろうなぁ(^^;)

出来た版は大事に工房へ持ち帰り、今でも大切に保管しながらカードを補充するたびに登場しています。

そして今でも佐々木さん、特にいつもお電話に出てくださる、エプロンの似合う塚田さんとは仲良くして頂いていて(思い込み?)、塚田さんとお話するのも伺う時の楽しみになっています(^^)

7月1日 晴れミスターの名刺

ミスターの名刺、それは「パルパー」という紙を使っています。
パルパーとは、印刷体験でも選べる紙の中で常備しているもののひとつなのですが、これがまた非常にデコ、ボコ、としています。常備している5種類の紙の中で、手触り第1位、刷りにくさ第1位でなんとも憎めない紙なのです(^^;)

今日はそのパルパーを使ってミスターの名刺印刷に取り組みました。名前面は文字のみで重心が一箇所に集まっているので、比較的圧はかかりやすく、バランスもとりやすく、さらに「パルパー」という事を考慮して版も金属板の中で厚みのあるもので作っていたので、それらの要素が重なってなんとかきれいに印刷は出来ました*

が!圧をいくらバランスよくかけても、紙の凸凹のせいである文字は強く印字され、ある文字は弱く印字されてしまうという問題が発生しました。そしてそれは紙一枚一枚凸凹具合が違うので、一枚一枚圧のバラバラさもバラバラなのです(><)

わかるでしょうか、あるところが太くあるところは細い。そして3枚ともその具合が異なっています。

これはどう頑張っても無理だわなぁ~そういう紙を選んでるのだから(笑)という話になり、気持ちは的にはバランス良く刷るぞ!という意気込みで刷るとこ100枚。
一枚一枚刷っていくうちに、刷り方でほんの少しだけこのバランスのバラバラさを軽減出来る事を発見しました。

版と紙がくっついた手応えを感じたら、そこから紙に一気に圧をかけます。するといつも「フカッ」という紙の感触が「サクッ」という感触になり、ほんのすこ~しですが、均一になったような・・・気がします!気がしたんです!(><)


ひらひらひら~