7月4日 汗はダラダラ紙一枚、ひとかけらの重さ

佐々木活字店さんのお話につづいて、職人さんのお仕事を見たり、活版印刷を通してを学んだ事の中からおひとつ。

活字を組み版を作っていくときに、どうしても版の中にすき間が空きスカスカしてしまう部分が出る事があるのですが、それは昔のインテル(行間をあけるために入れる、活字より低い板状のものです)が木製だったので、長く使用して圧がかかるごとに変形し、もとより細くなっているのが原因だったり、一行中でも込め物(文字間をあけるために活字同士の間に入れる、活字より低い金属)などの半端がどうしても出てしまったりする為です。

そんな状態を改善する為に、活版印刷ではそのスカスカ部分に紙を入れてその紙の厚みで間を埋めたります。紙ならたとえば画用紙でも、薄いメモ用紙でも、色々な厚みがありますし、どんな紙でも代用できます。まるこが佐々木さんのところで版づくりを見せて頂いた時は、すぐそこにあった(というか落ちていた、くらいの位置づけ)紙を使用してスカスカを解消していました。

さらに実際に印刷する時でも、もっと薄いものが思わぬ大活躍をする事があります。

活字を組んだ版の中には、古い活字がほんのちょっと削れて低くなっていたりして、一文字だけどうしても薄かったりするのですが、そんな時のスーパーマンは「セロテープ、ひとかけら」。その文字サイズでセロテープを切って、出ない活字の後ろ(版の裏側)にペッと貼るだけ。セロテープのわずかな厚みで活字が底上げされ、見事印字されるようになるのです!
セロテープですよ!あのひらひらのセロテープ!(決してセロテープをけなしている訳ではありません)

そしてさらに、版ではなくて印刷する紙のほうでも、スーパーマンが登場する事があります。
たとえば樹脂板でどうしてもイラストの一部分だけ出にくかったりする時、出にくい部分だけ、薄い紙をその形に切って、印刷する紙の後ろに貼ります。するとまたまた貼った部分、つまり出にくかった部分がうまく出るように!
これも、「たった紙一枚、ひとかけら」の効果です。

普段生活していく中で、何をやっている時も
こんなに紙一枚ひとかけらに有り難みを感じる事があるでしょうか。
と、考えるとまるこはやっぱりないなぁ。。(^^;)

紙は大好きで集めてもいますが、たとえばチラシ、沢山描いたメモ紙などもういらないと思ったものはバンバン捨ててしまう事が多く、そしてかけらが落ちていたら「紙くずのゴミ」として見る事が多く、
活版印刷を通してこんな小さな紙一枚に助けられ、大切に思う気持ちを・・・・
あれ、今発見してしまいました(^^;)

まだまだいろんな発見が隠れていそうだぞ。活版印刷。

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