ユニバーサル・レタープレスでは、イラストレーターであり、フォトグラファーでもあります北村範史さんと
ポストカードを作りました。
個人的に、ずーっとこういうカードが欲しいなぁと思っていたものを、とある仕事で久しぶりに再会した北村さんにお話をしたら、ご快諾くださり、
描き起こしてくださいました。
折角なので校正刷りを自分たちで刷って、
色を決め、本番は活版印刷屋さんにお願いしようと思い、まずはおもむろにインキを練り始めます。
インキ練り練り
ユニバーサル・レタープレスで普段行っている活版印刷では、ムラや擦れなどは極力出来ないよう、細心の注意を払い印刷しています。
やや透明度が高く、ムラが出来やすい紺のインキは毎回とても苦労するのですが、軽めに圧をかけた際に出来上がるムラが、北村さんが普段行っているインキのにじみの表現に近いということを発見。わーっと盛り上がえる僕ら。むしろムラを活かすようにインキローラーからインキを拭き取りインキ量を極力少なくして印刷…
すると、一枚一枚違った表情を持つ、なんとも奥行きのある表現が出来上がりました。
「これを印刷屋さんでやってもらうとイヤがるだろうなぁ…というか、機械刷りだとこういうムラは出来ないかも…」と僕が呟くと「じゃぁ刷っちゃおうか!」と北村さん。ニコニコしてます。
ということで北村さん自ら刷りました。
いつもは悩む印圧問題も、この版は問題なく紙を凹ませ、「活版印刷」というか「手キン」ならではの表現に満ちたカードとなりました。
紙は「波光」。
優しい白色と柔らかな手触りを持った紙肌が特徴です。絵柄は実は2種類ありまして、並べると…ほらね。
調子に乗ってインキを使わないで紙を凹ませただけのエンボスバージョンも作りました。ストイックな美しさです。(写真を取り忘れました。お店でみてね。)
このカードは鳥越のSyuRoさん、
また、御徒町のWOODWORKさんで取り扱ってます。
蔵前には中川ちえさんのIn-kyoさん、
馬喰町にはマルクトさん、その同じビルにはFOILギャラリーがあったりとなんだかにぎやかになってきました。
裏道には古くて懐かしい建物も多く、散歩には絶好ですよ。
お散歩のお伴には弊社謹製の下町お散歩地図をご利用ください。ユニバーサル・レタープレスの「地図」のページからPDFガダウンロードデキマスヨ。あら外人みたいになっちゃった。
どうぞお散歩がてらお店に足をお運びいただき
カードを手にとって、そのふっくらとした紙の感触と、インキのムラと凹みを是非お楽しみください。
印刷中はインキ盤にも、インキローラーにも鳥が飛んでいました。