カテゴリー別アーカイブ: 印刷体験報告

第32回活版印刷体験

5月29日土曜日、第32回ワークショップの今日は5月も終わろうとしているのに肌寒く、曇っています。ですがおつかいで寄る浅草や、蔵前の工房付近は、負けじと元気にお祭りの匂いがしていて、歩いていると、時々ハッピ姿の人とすれ違います。

あ、ペリカンのオーナーさんだ!ご近所です(^^)

さて本日の選手は猫好き、そして猫グッズの作家さんでもあるTさんと、お友達のKさん。工房へ到着されて早々に、お土産でグッズの手ぬぐいを頂きました!ありがとうございます~!
その他もキーホルダーやエプロン、コップなど本当に色々な種類の猫グッズを製作されているそうです。
こちらは頂いた猫手ぬぐいです~(^~^)

版はお二人ともにゃんこ。


左がKさんで、右がTさんです。あれ、後ろに猫村さん・・・とすかさず気づいてくださったお二人(笑)

まずはTさんから、今回はお二人も茶色のインキです。茶色インキは固いので、インキディスクでは根気よくのばしていきます。


まずはここでひと運動ですね(^^;)

こだわりのTさんの猫、背中の模様はやっぱりベタ!ということで事前に大きさや周りの模様を外すことで調整をして、頑張ってみます!

これでもやはりかすれは始め出て来てしまいますが・・・

ヤレ紙に刷ったもの。


ミスターのお力も借りて、ムラもなく綺麗に出る様になりました*


刷っていくうちに、今度は綺麗に入りすぎたか、下の縁が付く様になってしまい、その部分はまたカットして対策ととりました。

無事印刷が出来たあとは、ご持参のスタンプセットで周りに模様をつけて仕上げました~*

そしてKさんの番。Kさんの猫はまた違った、招き猫。丸みのあるラインがかわいいです*モチーフは陶器ではなく、紙で出来た招き猫なのだそうです。せっかくなので凹みまで期待できるように、と原稿の大きさからだいぶ小さく、ワンポイントの大きさまで頑張りました。


右側がまだ出ていませんが・・・


その後、すんなり、にゃんこは出てきました。

さらに事前調整のかいあって、凹みも綺麗にでました*

ちょっと写真が怖くてすみません。。(^^;)

仕上げの20枚は、時々トランプのように上下に印刷したものを混ぜたりして、楽しんで頂けたようです*

ワークショップに来られる方、なぜかにゃんこ率高いです(^~^)

第31回活版印刷体験

5月15日土曜日、第31回ワークショップ。本日の選手TさんとIさんは、御徒町にあるウッドーワークさんからご紹介頂き、参加してくださったとのこと、ありがとうございます*木工が好きでウッドワークさんのワークショップにも通われていたというTさんは、ウッドワークの直井さんに・・・雰囲気が似ている・・・力がありあそうなところも・・・似ている・・・今日は期待できます!いい凹み~(笑)

印刷のほうはIさんから、手書きの線がかわいいひまわりのイラストです*


暑中お見舞いとして出してもいいかもね~と話しながら、版作り。

インキはゴールド。

ゴールドのインキはやわらかいのでのびやすいで~す。

印刷するには大きさも安心な版ですが、それでも印圧のバランス調整は必要であります。


出て来た出て来た!


凹みも出て来た!

もう大丈夫かなぁというところまで来たら、紙選びです。

印刷してみると全然様子が違っていたりするので、紙は迷い出すと止まらないんですよねぇ(^^)
迷った末、4種類の紙に分けて仕上げました!


こんな事が簡単に出来るのも活版ならではの楽しみです*

お次はTさん。版は大きめですが、線画であることと、Tさんの備えた力に期待です(^^)


インキはシルバー、シルバーもやわらかいインキの色です。


なんと、もう綺麗にでてる~!しかも凹んでいる~!しかもまわりが付いてしまう程に凹んでいる~!(笑)

左下が少し付いています。

力はいつも頑張って入れてくださいとお願いするのですが、今回はいつかの直井さん同様、「ちょっと力弱めてみましょうか」とご提案(笑)ですがいまの凹みを付けたいとのご希望により、付いてしまう部分、イラストの周りの版をカットして対策をとることになりました。納得の凹みと仕上がりで、Tさんも5種類の紙に仕上げました*

お二人とも、とっても楽しんでくださったようで、良かったです(^^)
これから仕上がったポストカードと、 Tさんが木工作品で賞をとったという新聞記事を手に(おめでとうございます!)、ウッドワークさんへ行かれるそうです。きっと皆さん喜びますね~*(^^)/

第30回活版印刷体験

4月17日土曜日、第30回ワークショップ。お天気上々です!
もう(まだ?)30回目なんですね~(^~^)
本日の挑戦者はTさんとSさん、お二人は対照的な原稿を送ってくださいました。対照的というのは、ベタ面の多いイラストと、点と線と文字のもの。

先出ししてしまいますが、こちらがお二人の仕上がり。
点や線は圧が入りやすいのですが、全体の面積が大きい分、印刷は難しくなります。
そしてベタ面は、この大きさでも体験では少し心配です。

さて本日まず始めはTさんの、ベタ面多めの版から。
Tさんと、お友達の似顔絵なんだそうです。お友達は残念ながらわかりませんが、Tさん、似てます~。

さて印刷は・・・


始めはこんなから・・・


やはり大きさを調整したおかげでわりとすんなり出てくれました。

手触りのある紙にも頑張ればうまく行きそうだったので、

刷って、

刷って、


調整して、刷って・・・

あ、インキディスクに4人の残像が!!

小さい頃によくやった「かげおくり」を思い出しました~。

手触りのある紙には、力加減、版につけるインクの量で一枚一枚に異なる味が出ましたが、何とかうまくいき、楽しく完成しました*

そしてお次はSさん、大きい版です。

色はキイロ。鮮やか!

版は大きいですが、点で構成されているので、バランスがうまくいくと全体がとっても綺麗にでました!

キイロ、可愛いですね~(^~^)


文字部分もきれいに。そして難易度の高い紙プリマにも!!(紙自体が不均一に凸凹しているので、しっかり印刷ができる状態ではないと、安定して出ません。。)
どんな紙にもバッチリだったので、手触りの違う紙、薄い紙など3種に刷って仕上げました*

今回も楽しいワークショップになり良かったです~(^-^)/

陽がのびましたねぇ~。

第29回活版印刷体験


3月27日土曜日第29回ワークショップ、晴れ。浅草の雷門付近から見える東京スカイツリー。現在338mだそうです。(3月27日時点。さて次回は何mでしょうか・・・)

本日の挑戦者はお友達同士のSさんとKさん。


こちらはSさんの版です。マトリョーシカが大好きとのこと、かわいいです~*この樹脂版の写真ではわかりませんが、下から3番目の子の口が縦に開いています(^~^)版の原稿は、ウッドバーニングという、木を焦がして絵を描くという技法で描いた作品から起こしてくださいました*


こちらが、そのもとになった作品。(ワークショップ後日にお送りくださいました!ありがとうございます~)お二人はこのような作家活動もされているそうです。

線画でベタ面も少なく、もともとかすれなどの心配も少なかったのですが、きれいに刷るため、版にする段階でちょっぴり縮小したので、短時間でうまく出ました*


調整段階でヤレ紙に刷ったもの。真ん中に位置合わせをしていたら、ヤレ紙の絵柄と重なって・・・これはこれで、かわいいです。


どの紙にも安定してきれいに出ていますが、一番難関の凸凹した紙、プリマ(写真左上)にはやはりところどころ抜けが出てしまいます。選ばれた紙は平滑のツルツルしたもの。安定してきれいに出たので、せっかくだから凹みに挑戦!ということで、圧を上げてみました。


圧もバランスよく入りました*


そしてその分、線はちょっとだけ太くなります。左が凹ませたもの、右が凹ませる前。

さらにぎゅーっと力を入れてプレスすると、下の方にインクの汚れがついてしまうようになり、バランスは良いはずなので、そんな時は薄い紙を印刷する紙の上から覆ってカバーします。

綺麗に仕上がりましたよ~(^0^)/

そして次の選手Kさんは、混色からチャレンジ。

シルバーにちょっと赤みを・・・と茶色を慎重に、少しずつ混ぜていきます。まるこがローラーを掃除している間に納得の色が完成したもよう。では早速版を取り付けて・・・


Kさんの版は文字とイラスト、2つのパーツに分けてメタルベース(樹脂版が貼ってある、金属の土台)の上でレイアウトしています。Kさんもバランス調整はうまくいったものの、なぜか印刷するとブレが・・・

右上のベタ面がもやっとしています(笑)ミスターやまるこが同じ様に印刷してもこのブレが出ることはなく、だとするとプレスの仕方かなぁ。と何度か力の入れ方を検討しながら挑戦。それでもブレたり直ったりで「なんだろう・・・不思議」とみんなで首をかしげる他なくなり・・・(笑)とにかく沢山刷って練習を重ねることにしました。

手がいたい程に。。
が、がんばれ~!ただ横に立ちつくすだけの店長まるこ(笑)


ですがその甲斐あって、ここまで綺麗に仕上がるように!いったい何だったのだろう・・・
仕上がりはうまく行きましたよ~ホッ(^^)お疲れさまでした~*

一日の最後に、Sさんが大好きな、マトリョーシカを見せていただきました。


ちょっと変わった動物のマトリョーシカ。動物?ピーナッツ?とってもかわいいです(笑)お二人は4月20日から作品のグループ展をされるそうです。DMもいただきました*

【はる マルシェ】
2010年4月20(火)~4月26日(月)11:00~20:00
銀座 月光荘、こんぱる前室にて

ぜひ行きたいです~(^^)/

第28回活版印刷体験

3月13日土曜日、第28回の印刷体験はなんといういいお天気!!春風も吹いてやっと工房全開で出来る~~という小さな楽しみを胸に(笑)恒例のおつかい、浅草から、蔵前4丁目へ。

工房ではすでにミスターとまっちゃんが作業をしていました。デザインのお仕事。まっちゃんは大詰めだそうで、、頑張ってください(><)まだ詳しくは内緒ですが、キーワードは「にゃんこ」です。

そして薄々気づかれているかもしれませんが、工房のみんなはにゃんこが好きです。活版と同じく、蔵前界隈に生きているにゃんこを大切にしています(^^)
ほら、まるこも幻の(いつかのブログにもあった)にゃんこカード、最後の一枚頂きました!これはレアです!(笑)


当ったのはこのカード、ニヤけます~(笑)ただそこにいるだけで人をニヤけさせるなんて、なんて素敵な才能。いつかまるこもこんな風になりたいと言ったら、きっと工房のみんなはニヤけるよりあきれるだろうな・・・(笑)

・・・さて、本日の挑戦者はOさんとHさんです。ウェブ関連のお仕事をされているお二人は、だからこそ手作業をしたい、という事で、もともとあった活版へのご興味から、体験にいらしてくださいました。

さっそく、Oさんから。

何だか懐かしくかわいい、女の子のイラスト。お知り合いの絵かきさんがこの日の為に書かれたものだそうです。これは綺麗にすらなくては!ちょっと難しそうですが、頑張りましょう~(^0^)/
ということで、最初の印圧をかけていきます。あれ、全体が出ています、早いです(笑)さらに微調整をしていき、良さそうなところで、一度全種類の紙に刷ってみます。


ミラーコートという平滑の紙にはとても綺麗に出ますが、


その他手触りのある紙にはかすれが見えます。紙を決めたら、紙によってはさらに微調整が必要そうです。。と、いうことでOさんが選ばれた紙はイバラの道、手触りのある紙(笑)「選んでしまいましたね~笑」

かすれをとるため、印圧の微調整をしていくと、あとちょっとのかすれでなかなかうまくいかず、どうやら迷宮入りしたもよう。

髪の一部がどうしても出てこなかったり・・・

ここで、ミスターの神の手をまたお借りすることに。一度全部印圧を抜いて診断してみると、四点(版を前に出して行く大事な四つネジ)のうちの一カ所が先に当ってしまっていて、その他は紙についているものの、動かない状態になっていたようです。つまり、印刷はできていたのですが、バランスはちょっと崩れた状態。微調整がきかない状態だったようです。これでも平滑な紙だとインクがつきやすく印刷はできてしまいますが、手触りのある難しい紙には難しいようです。

時間がかかるこの印圧調整の部分、始めてやるにはとても難しいですが、しっかりバランスをとらないと、イバラの道の先へ進めないようです。う~ん、難しいですね、そして深いですねぇ。

ということで、最後はまたミスターの微調整仕上げで、さらにインキも足して濃くし、綺麗に印刷するところまで行けました。ほっ(^^)

そして次はさらに難しそうな版の、Hさん。とても細かい描写のかっこいいイラスト、こちらは金属版です。どうかなぁ~ドキドキ(**)


最初の印圧をかけた段階では、まだまだ全貌は見えず、さらにドキドキ。


見えた!!
今だ、全種類の紙に~!と刷ってみると、やはりミラーコート以外はまだ難しそう。。とりあえずミラーコートに10枚、刷っておきます。そしてもう10枚はまたイバラの、アラベール、ナチュラル(紙の名前です)。全貌は見えていますが、、部分的なかすれがやはりどうにも難しく、再度ミスターにご登場いただき、バランス調整。

途中どうしても右上の一部分にかすれがでてしまい、

その部分のみ裏側からごく薄い紙を一枚敷いて持ち上げるという試行錯誤も。


こんな風に。

難しいイラストは、版の刷り見本と照らし合わせながら確認します。

Oさんと同様、やはり一点の力が先についた状態、これはプレスした手の感触でわかるので、バランスを取り直した調整後との感触の違いをなんとなく感じていただき、本番10枚を無事刷り終えました。

これからご紹介した近くのSyuRoさんへ行かれるそうです(^^)
蔵前は楽しいところ、たくさんあります~。

活版もぜひ広めてくださいね~と最後にちょっとアピールして、お二人を見送り
ました(^^)

第27回活版印刷体験

2月 27日土曜日、本日体験の挑戦者Iさんは、先週に引き続き工房のお近く(の、お仕事場)。そしてお友達のTさん。お二人ともとっても繊細な線画のイラストをお送りくださいました*

Tさんは挑戦の、ちょっと難しそうな版なので、まずはIさんから始めました。Iさんの版はうまくいけば凹みも期待できそうな大きさ、そして線画の版ですが、線がとっても細いので、せっかくのその繊細さをつぶしてしまわないように、印圧の具合は調整が必要です。またインキの量によっても、線の太さが変わってきます。


インキは本当に少しで大丈夫なのですが、それでも始めは版に対して多すぎたもよう・・・(写真左)。インキを減らすと、同じ印圧でも線の印象が変わります(写真右)。


それでも、印圧はしっかり入っているみたい(**)まだバランスはとれていませんが、これは期待できそうです。


沢山刷って行きます。どの紙にも印圧がちょうど良く、とても奇麗に刷れました*似顔絵・・・ですよね?最後までそこは濁されてしまいました~(笑)独特の視点からのお話がとても面白いIさんでした(笑)

そして次は挑戦の版、Tさん。とっても繊細で奇麗なイラストですが、面積とその繊細さが心配なところ、金属の版で望みます。版もとてもきれい*

ちょっと光沢のある薄い茶色、ということで混色にもチャレンジです!


シルバーをベースに茶色を少し、そして白を、様子を見ながら混ぜて行きます。


茶色は強く出るので、難しいところです。

色が出来たらいざ、印刷。


やっぱりまずは全体が出るまで、難しそうです。真ん中だけ、どうしても出ない、なぜ?というところで試行錯誤をしましたが、こんな時も、ネジは四隅ですが、やっぱり問題は印圧のバランス。最後はミスターの魔法の手による微調整仕上げで、繊細な絵が繊細なまま、奇麗に印刷できました!


見づらいところの出かたは、真映社さんからの刷り見本を見ながら確かめてみます。ハマちゃんより、直伝です(^^)

更にまるこの無茶ぶりで、難しい紙に刷るという、いっそう難しい調整をお願いしてしまいました、すみません・・・ミスター (^^;)

「あとは力だね~」ということで、やっぱり力むことになってしまったTさん。

お疲れさまです~。
「ちょっとやってみますか」ということでジムでインナーマッスルを鍛えていらっしゃるIさんも挑戦。かなし~!(><)こんなとき力があるのは羨ましいですねぇ、やっぱり出かたが違います。


下がIさん。濃いですねぇ。

何はともあれ、難しいと心配だった版も見事に奇麗に印刷でき、
とっても楽しんで頂けたみたいで(笑)まるこも嬉しいかぎりです~(^^)/

第26回活版印刷体験

2月 20日土曜日、本日体験の挑戦者は、工房お近くにお住まいのKさんと、お仕事仲間のSさんです(^^)

先にちょっと載せてしまいますが、こちらがSさんの版の仕上がり。

事前にお送り下さった始めの原稿は、インキののっている部分が白抜きで、あとのまわりが全部ベタ面という、初めて頂く原稿でした。そしてこのかわいいイラストで、見た瞬間のインパクトに「わぁ!」とビックリしたのですが、もちろん残念ながらベタ面と白抜きを反転していただくことに・・・(^^;)出来たらいいのですけどねぇ、活版、特に手キンの印刷機ではまず悲しい結果になってしまいそうです(;;)でも良く考えたら、26回目を迎えるこのワークショップの中でこのような原稿が初めてだったことも不思議です(笑)

ではさっそくSさんから。(似顔絵、似ていました~見ていると元気が出そうです*)


緑のインキで刷ります。朗文堂さんオリジナルインキの小さい缶です。


修正しても、それでもはじめはやっぱり、顔がでません~。


調整ネジでの微調整で、バランスが、いったり、きたり。


でました~!(上下に刷ってトランプみたいです)ですがまだ頭のベタ面がムラになる事が多く、不安定です。そんな時は印刷機のローラーを円盤のインキディスクに近づけて、インキを付きやすくする、という裏技!!ふふふ(といっても文章だと何の事やらですねぇ ^^;)


奇麗にでました!そして刷り込んでいくとまた安定してきます*

そして次はKさんです。


離れたイラストは、樹脂製の版を切って、メタルベース上でレイアウトをしてみます。こんな風に、印刷しながらでも色々変えられるのが、活版印刷ならではです(^^)

印刷範囲全体の面積は大きくなりますが、線画なのでやっぱり出やすいです。

まだ右上が太く、メリーゴーランドに印圧が必要ですが、もう少し。


きれいにでました~!難しい凸凹の紙(プリマ)にも・・・すてき!
Kさんは最近引っ越しをされてきたとのこと、今日はレタープレス全員集合の工房で、ハマちゃんと蔵前界隈のお話などで盛り上がっていました(^^)お忙しい中マラソンもされているという、元気でアクティブなKさんでした*

お疲れさまでした~。

最後にSさんから頂いた、これもまた可愛い顔つきのパンをご褒美に(Sさんありがとうございます!)、まるこも工房を後にしました~。外は真っ暗、ホ~ホ~。

第25回活版印刷体験

1月 30日、本日ワークショップに来て下さるIさんとSさんは、お二人とも事前から活版の凹っというへこみを期待しています~というメッセージと共に原稿が到着し、そのため何度も修正をご相談してしまいました(^^;)
こんな風に、凹みが欲しい、凹まなくてもいいから大きい絵柄が刷りたい、こんな色で刷りたい、など事前にご希望があれば、なるべくそのご希望の仕上がりを体験でも楽しんで頂けるよう、事前に修正をお願いしたりします。

本来職人さんが携わっている印刷では、凹みがないのが奇麗な仕上がりとされているのですが、レタープレスのワークッショップでは、まず活版印刷を体験して楽しんで頂き、まずは知って頂きたいのが目的なので、もしご希望があれば、時には怒られそうな凹みも頑張っちゃいます(笑)

本日最初のSさんの版、空押しをご希望だったので、まずはインキをつけないでバランスをとっていきます。

Sさんの版は頂いた原稿から大きさをだいぶ小さく、また離れていた花と文字の位置を極力近くまで、圧をかけた時の力が集中して凹むように修正しました。そのおかげで、きれな空押しが出来ました*

色は淡い水色ということで、混色にもチャレンジ。


奇麗です~。紙は色の違う2種を選び、仕上げました。

ちなみに、・・・工房では印刷する裏面に3種類(postcard入り2種、無地)をご用事しています(^^)

Sさんが印刷している間、Iさんからとっても素敵なものを見せて頂きました!
Iさんはご自身でプロダクトデザインをされているそうで、実際に商品としてデザインされたものを持ってきてくださいました。


こちらはカトラリー。日本の伝統技術「鍛鉄」を使ったもので、技術をお持ちの方と一緒に物作りをされているのだそうです。パッケージもかっこいいです。


こちらはボタンに漆を塗ったという指輪。すごいですね!

素敵なものを見せていただき、ありがとうございました。ワークッショップに来られた方がどんな事をされているのか、お話をうかがったり、何か見せて頂けるのもとても貴重で楽しいひと時です(^^)

そしてそのIさんの番。ご自身のデザイン事務所のお礼状として使われるポストカードとのこと、そしてまた凹み重視!とのこと(笑)文字だけのシンプルな版で確実ではありましたが、Iさんの腕力もあって、こんなに!!凹みましたね~(笑)(^~^)

これでも裏です。


どの紙にももれなく、きれいに刷れましたよ~。

Iさんが凹みを楽しんでいる最中、外から散歩途中の近所の犬が、工房へ寄っていきました。


今日は寒いですね~。そしてもう外は真っ暗です。

長丁場でしたが、今日も無事、楽しんで頂けたようで、良かったです~(^^)

第24回活版印刷体験

1月 23日土曜日、とってもいいお天気!!活版日和です~。

お昼頃レタプレ号で恒例のおつかいに浅草へ行ったのですが・・・

雷門前、いつにも増してものすごい人です!目的のお店もディズニーランドのように列が列をつくっているという、なんとも不思議なかんじ。

戻るともう本日の挑戦者KさんTさんが到着されていました。
わ~!「こんにちは!」あわててスタートです(笑)

まずはKさんから、シルバーインキでダイアナ妃とマザーテレサのイラストを刷ります。

事前に送って頂いた原稿を見てすぐ分りました~、そっくりです(^^)


印刷までの準備のあいだ、待ち時間のTさんは版のレイアウト。オセアニアの地図を図案にしたという版は、切り離して色々位置を変えてみています。

Kさんの版は、印圧調整でちょっと苦戦・・・それほど大きい版ではないのですが、線とほんの少しのベタのバランスが、少しのかすれをところどころ目立たせてしまいます。

出てこ~いっ。


バランスはだいぶ良くなってきましたが、版を貼付けているメタルベースの淵(下辺)がついてしまうようになってきました。こんなとき、どうしてもの時は、影響しない薄さの紙で覆って、カバーすることにしています。最後はちょっとだけミスターのお力を借りて、きれいに仕上がりました(^^)

Tさんは、うす~いピンクで刷ってみたい!という事で、白に少しずつ金赤を混ぜての色作りから。

赤は思うよりもずっと強いので、慎重に、少しずつ足していきます。そしてヘラは縦・横・斜めの方向に何度も動かして、隠れている色を全部出しながら混ぜていきます。

色が決まり、準備をしていると、外から「いしや~きいも~」の声が・・・
すかさずKさんが走って追いかけ、なんと買って来てくださいました!芋!わ~い(^^)/
何だか工房は暖まり、Tさんも途中焼き芋を食べてエネルギーをチャージしてから刷ると、何とも奇麗な仕上がり(笑)


作った色もとても淡く、繊細できれいな色。(ちょっと写真見づらいですが・・・)


留学先で知り合ったという、とても仲良しのお二人です(^^)

最後はTさんの印刷を応援しながら、Kさんとマイケルジャクソンの話で盛り上がりました(笑)見なくては~


焼き芋美味しかったです~。

第23回活版印刷体験

12月 12日土曜日、早朝6時・・・


あの隙間の向こうには、まるこがいます。何をやっているかというと、この時期にふさわしく早朝年賀状刷りです(笑)毎年年末に泣くので今年は早めにと(早くもないですねぇ)、ワークショップの前に無心で200枚、両面印刷!


ポストカードの横いっぱいにイラストを入れたいと、版はこのようにメタルベースを少し足して(左端です)、印刷する紙と版の左右位置をぴったりあわせ(版は紙の横の長さぴったりのためです)、ズレに気をつけながら印刷しました。


こんな仕上がりです。ブルーの色はこの短時間でまさか!(笑)事前に着色しています。


今回はいつかのように紙が薄くてひらひら~とはならず、しっかり立っています。きっといい年になるぞ~(^^)

さて無事に印刷を終えてぎりぎりの時間、本日ワークショップの挑戦者が見えました。姉妹でお越し下さった、MさんとYさん。お二人ともちょっと大きめの版だったので、事前の相談で少し縮小して版を製作しました。

縮小はしたものの、ベタ面が多いことがちょっと心配なYさんから。

印圧調整は慣れないとネジのまわす方向が難しいのですよねぇ。(^~^;)逆に回してしまったり。そうそう、わかります、その気持ち(笑)


最初の印圧調整をして開いた段階。まだまだ、全貌がみえてきません。。


沢山刷って、調整して、出てきました。ですがやはりベタ面がかすれてしまって、なかなか均一にはいきません。。


ちょっとインクが少なくなってくると、さらにカサカサ(><)む、むずかしいです~。迷宮入りしかけたところにミスターが登場して、最後の調整をしてくれました。


こちらがいい感じに刷れた完成の一枚。印圧バランスはとれているのですが、やはり手キンの限界、そしてワークショップの短い時間でなんとこするには、このくらいのベタ面で限界なようです。。

紙によって、手触りのある紙は難しいですが、なんとか刷ることが出来ました*

そしてお次はMさん。


ゴールドインキを伸ばすところ。ワークショップでの人気色です(^^)
Mさんの版も少しのベタ面がありましたが、縮小したおかげでスムーズに出てきてくれました。


まだかすれや左下にムラができていますが、バランスも、もう少しです。


手触りのある紙には少しかすれも出てきますが、印圧バランスを調整しながらインキを足しながら、どんどん刷り込んでいきます。

印象のがらっと変わる2種類の紙を選び、20枚、無事印刷できました*

今回はお二人ともベタ面のかすれが心配でしたが、なんとか、印刷でき楽しんでもらえたようでホッとしました~。まるこもワークショップでこのくらいのベタ面がギリギリだろうなというラインを知ることができました。感謝です(^^)

第22回活版印刷体験

11月 28日土曜日(今月は一回のみのワークショップでした)、今日もアダナの準備のあと、レタプレ号で雷門まで。(おつかいです~)今年は、この時期にしては雨や曇りが多いですが、ワークショップの日はいつも晴れて暖かく、とても気持ちのよい天候に恵まれています(^^)

本日の挑戦者は、とても仲のいい、お友達同士のKさんとSさん。

とりあえず、刷りものを見ながら色や紙を選んでみます。

今回は年末に近いということもあって、お二人とも年賀状の印刷に挑戦!体験とはいえ、年賀状ですから、きれいに刷らなくては~と、事前には結構な修正をご相談しました。

(短い時間でも)きれいに刷る前提で版を作る為には、版全体の大きさと、そしてベタ面の割合が大きなポイントになります。手キンの活版機は人の力でプレスするゆえ、かけられる力には限界があり、そのため版が大きければ大きいほど、また四隅に広がりがあるほど、プレスした時の力が分散されて、きれいな印刷が難しくなってきます。またベタ面が大きいのも同じように、その面積が大きいほどカスレてしまう可能性がとっても高くなります。(^~^;)
ベタ面の割合はなかなか難しいのですが、心配な方はベタ面はつかわず、線画のみにされるとまずは安心かもしれません(^^)
(工房でも原稿のつくり方のご案内を検討中です~。)

そんなわけで修正した版(まずはKさん)がこちら。

元もと線画ですが、修正では全体を小さくして一部を取りました。


印刷準備の過程、インキ伸ばしのクレープです。


きれいです。Kさんはこの作業がとても楽しそう(笑)


印圧のバランスは思ったよりすんなり、何度か調整をしながら慣れて行くうちに、きれいな印刷ができました*

線画は圧を強くかけすぎていくと、今度はつぶれていってしまうので、その微妙な力加減も何度も練習してみて、手の感覚で探って行きます。
本当に、少しの力加減で印象が変わる事を体感できるので、楽しいですよ(^^)

そしてつぎはSさん。Sさんも年賀用に大仏さま観音様(計3体)が並んだ版なのですが、大仏さまの頭がつぶれるんじゃないかと心配してくださった真映社さんが、なんとおまけの大仏さま!(笑)

版の袋です。

枠は切らずに、後ほどありがたく刷ってみる事にします・・・


位置合わせはお二人で協力。まるこは撮影。(あれっ・・・)

神々しくゴールドインキでの印刷です。

まず最初の印圧調整では、まだ右側が出ていません。。


とにかく沢山ヤレ紙を使って、調整と練習をしていきます。


けむりの、やうな・・・(いえいえ~これは圧の問題ではなく、紙です。表面のボコボコした紙も、一つの選択として揃えています。難しすぎて、めったに、選ばれることはないのですけれど・・・笑)

途中お二人の普段のお仕事の話や、なんでまるこはまるこなのかとまた突っ込まれたり(笑)、色々盛り上がりながらの作業でした。

Sさんの版はとても力が必要だったので、最後の方はは二人がかりで!

そして最後は三人でやってみました!

お二人とも、素敵な年賀状が刷り上がって、良かったです~*

おまけの、一枚。

ゴ~ン。

第21回活版印刷体験

10月31日土曜日、今日もワークショップです(^^)
本日はお日柄もよく~(^~^)まるこは静かな工房を開け、レタプレ号(自転車)でどら焼きを買いに、ちょっと雷門まで・・・(何てのんびりした奴なんだと、思われても仕方がありませんね。。笑)

雷門(浅草)には裏道まで人が沢山、旗を持ったガイドさん付きのツアーや海外から来た人や、休日を楽しむ地元の人達でとってもにぎわっていました。それでも「東京ってごみごみしてて嫌だな」と思わせないところが浅草なのかもしれません(^^)

戻ってくると工房にはハマちゃんが!久しぶりの再会に嬉しくなり、色々お話をしているとあっという間に開始時間、本日の挑戦者KさんとYさんが見えました。

よろしくお願いします~!まずはKさんからです。
久しぶりに、写真で大まかに、手順のおさらいです。


まず樹脂版をメタルベースと呼ばれる台に貼ります。


そしてそのベースを外側のチェースと呼ばれる鉄製の黒枠内に固定します。固定はベースとチェースの間に金属の込め物をしていきます。これが印刷するための版になります。

そして印刷機に出来た版をセットしたら、紙を動かして刷る位置を決めます。

この写真だけ初めて見ても分りませんが、上下の位置を決めているところです。


大体の位置が決まったら、印刷機にローラー(写真)をセット、インキを円盤(インキディスクといいます。かわいい形ですが、大事な役目を果たします)に、均一に伸ばしていきます。

さあ、これで印刷の準備が完了!実際に印刷に入ります。


こちらは版側から圧をかけて、紙とくっつけていくところ。ここがとっても難しいのです。機械の後ろにある4つのネジを回しているのですが、この4点を均等に回して版を前に出していかないと、「バランスが崩れる」という現象が起こります。ですがどうしても左右の手の癖で、どちらかが出てしまうのですよねぇ(^^;)今回もKさん、Yさんとも同じように、版の上が離れた状態で下が先にくっついてしまいました。


う~ん、難しいですねぇ。。

それでも持ち直して、出たり、出なかったりを繰り返し・・・

やっと納得のいくところまでバランスがとれました!

しばし喜びの撮影会(^^)

大きめの版でかなり力が必要でしたが、うまく刷る事ができて良かったです*

そして次はYさん。

Yさんは先ほどのKさんの過程を見ていて「やってやる」と、心に決めた事があるそうです。それは、円盤での、最初のインキ伸ばし(笑)いつも「クレープのように伸ばします」とご説明するのですが、インキの硬さによっても、なかなかうまくクレープのようにはいかない事が多く、意気込んだYさんのクレープに期待し、まるこはカメラを構えました。

その前に、

「あ、インキの缶がかたいっ」

いざ!

おぉ。

おぉ~。

きれいです*


バランスはまた何度か調整をくりえし、それでもやはりスムーズに、全体が均等、きれいな印刷ができました(^^)


どの紙にも安定して、奇麗に刷れています。


時にはつま立ちで力を入れながら・・・

滞りなく、終了~*

お二人とも、すっきりといい印刷を終えた後は、これからうまいそばを食べに行かれるそうです(^^)いいなぁ~(^^)/