カテゴリー別アーカイブ: 印刷体験報告

第20回活版印刷体験

10月17日土曜日、第20回目のワークショップ(ワークショップも20回目を迎えました!)にお越し下さったHさんとKさんは、お二人とも小田急線沿いのずっと向こうから、「遠いですね~!」と発してしまう距離を来て下さいました。レタープレスのワークショップはホームページで探して知ったとのこと、遠いところをありがとうございます!

Hさんは事前にブログを読んで色々知っていて下さったり、周辺マップを見て工房近くのアノニマ・スタジオさん内in-kyoさんに寄ってきたりと準備万端(^^)さらには事前に送って頂いた原稿も、ちゃんと圧が入ることを考えてのイラスト・・・すごいです~。
これはなんとか希望の凹みまで頑張らねば!

版はこんな感じ。写真小さいですが、ゴールドのタンポポです*

準備の甲斐あって印刷はとってもスムーズで、問題なくきれいに出ました。

紙を選んでいるの図。

ゴールドのインキは人気がありますが、紙によって、光沢のある紙には豪華な印象になったり、色味と手触りのある紙には、ちょっと落ち着いた印象になったり、様々な表情があってとても面白いです。

そして期待の凹み!!

印刷した裏面ですが、写真ちょっと分かりずらいでしょうか、ボコッという手触りがあります。ベタ面のないシンプルな線(密度もちょうど良いです)は、望めばこんな手触りも楽しめます。

さて次はKさんです。
Kさんはとても手の込んだ絵(繊細な線に密度があり、全体も印刷可能範囲いっぱいの大きさ)を送って下さったのですが、事前のやりとりで色々ご相談させて頂いて、トリミングと縮小することで、時間内でうまく印刷できそうな版を作りました。

色はイメージに合うよう、混色のブルー。

始めは青と白で、そして何かが足りない・・・と黄色を少し足して。。少しずつ少しずつ、まだ違う、もう少し、あとちょっと、と、とっても慎重に混ぜ合わせるこだわりのKさんをまることHさんは「すごい慎重ですねぇ」とにやにやしながら見つめてしまいました(笑)

色作りで奮闘したKさんも、難しいと予想していた印刷ではバランスがうまくとれ、繊細な線もかすれることなく潰れることなく、奇麗に出来ました(^^)

こちらは印圧のバランスをとる過程。左下が出なかったり、左上がでなくなったり。

お二人とも、それぞれ異なるこだわりをもっていて、ちがうところで楽しみながらきれいに印刷する事ができました*遠いところを来た甲斐があったでしょうか、楽しんで頂けていたら嬉しいです。


ありがとうございました*

第19回活版印刷体験

9月19日土曜日、本日のワークショップにお越し下さったのは、編集者のKさんとTさん。
Kさんはペリカンのパン(蔵前が誇る、人気のパン屋さん。売り切れて買えないこともしばしばあるのです。レタープレスの地図にのっています。)が大好きで、工房のすぐ近くに数年前越してこられたとのこと。いいですね~(^^)

またペリカン話で始まった今日のワークショップですが、今回Kさんの挑戦される版はちょっと難しそう・・・。事前に何度かやりとりをして大きさを小さくしたり、線を少し太くしたりと色々調整したのですが、やはりなるべく納得のいく、お好きなデザインの状態で楽しんで頂きたいので、「凹みは出ないだろうけれど、なんとかきれいに刷れるかなー」というところで、挑戦して頂きました。ベタ面は少ないものの、線が細いので、通常使っている樹脂版ではなく、耐久性を考えて今回は金属版です。(樹脂だと何度も使ううちに、線がとれてしまう事があるからです。)

かっこいい。犬のイラスト。これはなるべく大きく刷りたいですよね。

そして色は混色にもチャレンジ。

シルバーに青味を足すべく、慎重に少しずつ混ぜていきます。

実際印刷した色は、混ぜている時見ている色よりも薄くなるので、刷色の確認は紙にごく少量(てん。くらい)をとって、ゴシゴシこすって、伸ばした色で見ます。

そしていざ、印刷!どうかうまくいきますように。かすれに悩まされませんように。。
慎重に印圧調整をして、少しずつ、凛々しい犬が現れてきました。

一番下では鼻と目のべた面もいい感じです(^^)
良かったぁ。

試し紙でうまく出たところで、本番用の紙6種類にそれぞれ印刷し、どの紙との相性がいいか見ていきます。

版の面積が大きいので、凸凹の紙では力が分散されてやはりうまく印刷されません。

選んだのは、少し手触りのある紙と、ツルツルテカテカの紙。途中インキを足したり、変わってくる圧を少しずつ調整し直したりしながら、とてもきれいに印刷する事が出来ました*

そして次はTさん。版はベタ面も細い線も心配のない文字の印刷です。Tさんは活版特有の凹みを出したい!との思いで、原稿もそれほど大きくはなかったのですが、事前にさらに縮小し、「これは絶対凹むよね、うんうん」と皆でうなずく万全の体制で印刷に挑みました。

Tさんも混色で、オレンジを作りました。

印刷は期待どおりとってもスムーズにいきましたが、はじめはインキが多かったようでムラができてしまい、インキを減らしていくと今度は色が薄くなってしまうので、赤を足して色味のほうで濃く調整するなどの作業をしてきました。


インキが多いためのムラ。エッジ部分が濃く、インキが溜まってしまっています。

凹みは期待以上にボコッと出ました。「おおっ!すごいねこりゃ」とみんなで感激し、できたカードの裏を見ると、くっきりと凸の跡が。

(今回はご本人のご希望、事情によりTさんの版は全体をお見せ出来ませんが、どの一部をとってもきれいな凹み、見事です~)

凹みの出る状態に、さらにTさんの力が加わり、ものすごい凹みになりました(笑)手キンの印刷機は、最後は印刷するその人の力も関わってくるので、こんな時男性はいいですよねぇ(^~^)
まるこは踏み台に乗って、レバーにタオルを巻いて、猫背になろうかというくらい力んで、汗をかいて出来るところを、そんなステップを踏まずにひょいと出来てしまうのですから(笑)

途中でKさんに「やりすぎですよ~」と笑われながら、それでも希望どおりの印刷を楽しんで頂けたようで、とっても良かったです。

Tさんは色や紙や、その他過程においてとてもこだわっていらして、模索していくには短すぎる時間ですが、少しでもものづくりの楽しい時間を過ごして頂けたのだなぁ、と嬉しくなりました。

すっかり夜になり、無事に終了しました*
KさんもTさんもお疲れさまでした~(^^)/

第18回活版印刷体験

夏休みと題した8月が終わり、ワークショップの2学期がはじまりました!
9月5日土曜日、第18目のワークショップ、そしてまるこにとっては少し久しぶりの蔵前。何か変わっているところはないか~と、駅からの道をキョロキョロ、変なビルは建っていないか、おもちゃの問屋さんは開いてるか、その店先にはうまい棒の大人買いパックは売っているか、確認しながら歩いてきましたが、特に変わった様子もなく、工房前の更地には草がいっそう成長していて、安心しました(^^)
まだム~んとする暑さの中準備をしていると、「こんにちは~」とハマちゃんが!久々の再会に嬉しくなり、いろいろお話していると、「こんにちは~」と、本日の挑戦者、SさんとOさんが到着。雑貨づくりに関わっていたというお友達同士のお二人ですが、Oさんはなんと千葉からいらしたのだそうです。ひぇ~(**)遠いところから、ありがとうございます*

ではさっそく、Oさんから・・・。

ヤレ紙(失敗の紙)を使って、印圧のバランスを整えていきます。

まだ途中ですが、どうやら人の顔が・・・

出ました。ヤレなので背景に模様が入っていますが、これもこれでとてもかわいいです(^^)スミできれいに出ました*

久しぶりに帰省するため、ご両親にプレゼントするのだそうです。なんてすてきな(><)お父さんの眉毛がりっぱですねぇと、盛り上がりました(笑)

続いてSさん。飼っている犬と、好きだというペンギンのシルエットです。色は以前レタープレスで使う為にインキをてんこ盛りにして作った、淡いグレー。スミと白と、ほんの少しの茶色を混ぜてあります。

ベタ面はその面積が大きいほどムラが出やすいので、ワークショップの短い時間内で調整はちょっと難しいかなぁ、と判断した場合には、事前にご相談して、ムラが出にくいように、また目立ちにくいように小さくしておきます。Sさんにも事前に大丈夫であろうところまで調整して頂いたのですが、今回は印刷の段階で始めての事に遭遇。なぜかベタ面の周り(ふち)が濃く、真ん中が薄い、という現象が起きてしまいます。
何かが起こったとき、薄い色は目立ちやすいという事も、あります。

何度やっても、どんなに調整しても・・・ここには困ったときに奥(壁の奥はいつもデザイン事務所です)から助けにきてくれるボスのミスターも登場して、さらに強い味方ハマちゃんも登場して、みんなでうなりました。
どうやら、版にインクが付いた時点でその事が起こっているようです。。
何度も版を外してふいて、外してふいて、そして一度印圧を全部抜いて、ミスターが調整してくれて、少し、よくなりました。

こんな事も、あるんだなぁ。(;;)
最後まで完璧にお手伝いすることが出来ず、Sさんに申し訳ない気持ちで終わった2学期最初のワークショップでした。

明くる日、Sさんから「とても大切なカードになりました、ありがとう」のメールをいただき、今回何も出来なかったまるこは、涙ちょちょびれたのでした。

第17回活版印刷体験

7月18日土曜日、第17回目のワークショップ、この日はイラストレーター(本も出されています)のSさんと、工房すぐ近くにお住まいのAさんです(^0^)

Sさんは結婚のお知らせカードを刷りに来て下さったとのこと、
素敵ですね~*ワークショップでは20枚しか刷れないのがとても残念ですが、きっと心のこもったカードになること間違いなしです(^^)これは何としてもうまく刷り上げなくては・・・カスレは出すまい!(><)


版は少し大きめで、二羽の白鳥のまわりには細かい模様があり、難しそうなところもあったので、事前に少し調整していただきました。いつもデザインに関わるところはなるべく修正して頂かなくて済むようにしたいと思っているのですが、どうしても、お願いする場合があります。
その少しの調整も良かったのか、Sさんの印圧のかけ方もバランスが良かったのか、大きめの版もトラブルなく刷る事が出来ました*良かった。。


紙をどれにしようかAさんとも相談。


同じ色でも紙によって随分印象が変わるんですよね~。

続いてAさんです。

印刷の準備です。円盤(インキディスク)にインキをつけ、少し下に映っている長い2本のローラーで、つけたインキを均一(円盤上で)に伸ばしていきます。ブログにも何度か書いていますが、でもやっぱり実際に手を動かしてみないと分らないのですよね、あの円盤の正体(笑)
いつもやっている過程で「なるほどー!」いう声を沢山聞きます(笑)

Aさんも左右に伸びた少し大きめの版で、印圧のバランスは少し苦労しました。
出たり、出なかったり・・・。

そしてインクが薄くなってきたと思って少し足したら、目がつぶれたり・・・。

このようなつぶれ、線が太くなるなどは、インクの量も関係しますが、印圧をかけていく(紙に版を押し付ける力を強くする)ことによっても起こってきます。
ですので、凹っという凹みをつけるために力を強くすると、ともなってつぶれが気になったりしてきます。

う~ん、難しいですねぇ。

Aさんも3種類の紙を使って仕上げました*

今日も無事終了です、暑い中ありがとうございました~(^^)/

第16回活版印刷体験

7月4日土曜日、第16回目のワークショップでした。


何だかいつもと違う、7月のどようび。

午前中、朝から自分の刷り物をこそこそやって、ちょっとおつかいと浅草まで自転車を飛ばし、勢い余って一本道を浅草の向こうまで走らせてしまい、迷い、そして戻って来てのワークショップでした(笑)

本日お越し下さったのは、またお近くの寿から来られたKさんご夫妻。またまたペリカン話になりました。寿というと、やっぱりペリカンなのですよね~。レタープレスの地図にのっているパンやさんですが、素朴でとても美味しいと夕方には必ず売り切れてしまうほど人気で、最近は予約のかたで売り切れてしまうとか。。なかなか買えないのだそうです。

すっかり暑くなった工房を全開にして、そんな話をしながら、さっそく旦那さんのYさんからスタートです。


こちらはさっそく版と紙の位置合わせの図。

事前にイラストの縮小をご提案させていただいて、そのサイズもあってか、そしてもちろんYさんの調整もうまくいき、ほとんどヤレ(失敗)を出すこともなく、完璧なものが印刷できました*


なんともリアルなゾウさん。
印圧調整の過程です。足の部分、下がまだ弱いですね。

ミラーコートというツルツルの紙とハーフエアの色味のある紙、シルバーのインキ、イラストもピッタリ合い、完璧なものが20枚刷れました!

続いて、奥さんのHさん。Hさんはご自分で蜂蜜をとって個人で販売していらっしゃるそうで、今日はその暑中見舞いのポストカードを印刷しました。版は大きめでバランスは難しそうですが、文字情報なのでかすれはなるべくさけたいですねー、とちょっと心配をしながらいざ印刷。最初に印圧の調整ネジを回していくとき、両手を使い左右を同じちからで回していくのですが、この時大体左右の力加減が違って、あとで印刷されたものを見ながら微調整していくことになります。ですが今回Hさんはどうやら最初の左右のバランスがとても良かったようで、Yさんに続きさらっとバランスがとれてしまいました。

ベタ面がたまにかすれたりしましたが、それは何度も刷るうちに安定してきます。


一番難しかったのは、右下のロゴの部分。ロゴ自体も小さくベタ面の中に白抜きで文字が入っているのですが、ちょっと圧が強かったりするとこの白抜きがつぶれてしまいます。かといってちょっと圧が弱いと今度は周りのベタ面がかすれてしまいます。そして文字なので目立つため、こちらは調整と印刷時よく注意しました。


お二人ともうまくいったので、刷りの最中、何かを忘れたまるこは撮影に、そして今日は何かを作っているミスターが全開の工房外に、そして中ではKさんご夫妻がちゃくちゃくと印刷しています。
不思議な光景です(笑)


最後に養蜂のお話などを伺って、試食の蜂蜜までいただきました!
うれしいです(;;)

ありがとうございました~*


完成!

第15回活版印刷体験

6月13日土曜日、第15回目のワークショップをやりました!

お越し下さったHさんとTさんは5月の活版凸凹フェスタにも来てくださり、ちょうど居た(ぬぼ~っと座っていた)まるこは会場でお会いしていました。体験をとての楽しみにして下さっているようで、まるこもまたお会いできる事を楽しみに、なんだかとても雰囲気のあるイラストの、二つの版を並べて待っていました。

「こんにちは~。」
「迷いませんでしたか?」
「いやぁ、以前この近くに勤めてましたから。寿に。」
「えー?!近いも近いですねぇ!ペリカンの近くですねっ。」
と盛り上がりながらスタート。

まずはTさんの、ブタちゃんのイラストからです。
器用なTさんはまるこがぬぼ~っと立っている横で印圧調整を楽しんでいました(笑)


こちらは圧のバランスをとっている過程です。お母さんブタの耳は見た目でわかるくらい、グッと凹んでいます。祭りのうちわがなんともいえず、お母さんの丸い背中、哀愁あります(笑)


ゴールドインキとの相性を見るため、一通り全種の紙に刷って、どれにしようか選びました。選ばれたのは一番色味のあるハーフエアの、コルク。その名の通りコルクのような色の紙です。
あとは20枚を一枚一枚丁寧に、楽しみながら刷られていました。

続いてHさんです。


少し左右に大きめですが、線なのでうまくバランスとれば印刷は大丈夫そうです。物語の一場面のようです(^^)

まずは位置を決めて、

全体に印圧をかけていきます。紙と版がついたら(始めは離れた状態になっています)細かいバランスの調整に入っていき、この時大きい面積の版だと難しいのですが、Hさんは予想よりスムーズに、迷宮入りすることもなく、無事にバランスがとれました。
イラストにある吹き出しのように、線に太い細いがあるところは圧が入りやすいようです。これも版の大きさなどもあり、一概には言えないのでしょうが・・・。


バランスとりの過程。あれ、いつかの猫がっ!(笑)ヤレ紙といって過程の失敗した紙を使っていきます。限りある資源は無駄にしません~。

Hさんも一通りの紙に刷って、印象を見ていきます。


Tさんとも相談、検討の、図。


お二人とも、今日は本当にスムーズに、そしてきれいに印刷できました!
なんだか今日はすごいなぁ。。まるこがますますぬぼ~っとしてしまうなぁ(笑)

でも良かったです~*
先週は豆本教室で体験をされたとのこと、手作業がとても好きなのですね。
豆本も楽しそうです~。

第14回活版印刷体験

5月23日土曜日。連休中に活版凸凹フェスタというとっても大事なお祭りがあったため、今月のワークショップは一回かぎりの開催でした。
お越し下さったのはTさんとTさん。初の親子参加でいらしてくださいました*

事前に送って下さった版の原稿はお二人で1つ、そしてちっちゃな猫1匹。その猫がまたなんとも言えない感じでとても可愛いのですが、せっかく来てくださるので・・・この小さい版1つでは・・・(^^;)猫の背景に色版を試したらどうかと、ミスターがこっそり3種類のパターンを用意してくれました。


このように。。これは真映社さんで試し刷りをされたもので、出来上がった版と一緒に毎回必ずついてきます。まるこはこの黒枠のついた試し刷りがとても好きで、いつも楽しみにしています。

さて、では1種類の版をお二人でどうやって刷ろうかというと・・・色違い!なるほど~(^^)/ 赤と黒、そして最後に別の色でパターンをいれてみることに。面積がとても小さいですしベタ面でもないので、印刷はスムーズでしたが、ちょっと気を抜くと、ね、猫の目が!?白目がつぶれてつぶらな瞳がウルトラマンのように・・・赤だとさらに、ウルトラマンのように・・・(笑)


わかるでしょうか、上の黒いほうはちょっと白目がありますが、本当はこんな感じなのです。下の赤いほうはインキが少し多かったようで、線もちょっと太りぎみ、つぶれてしまいました。これもこれでかわいいですけどねぇ(^^)


こちらは背景にパターンをいれたもの。
水玉です。か、かわいい・・・(><)
小さなドットは圧がとても入りやすく、ボコっという凹みが気持ちの良いくらい出ます。

作業を終えて一息ついている時間、「どうやって活版に興味を持つようになったのですか?」とお聞きすると、Tさん(娘さん)は本を読むのが好きで、活版で刷られた昔の本を読んでいる時に、「あれ、この本の文字何かちがうな」と気づき、そこから活版について色々知っていったのだそうです。目で追って読んでいるだけでも、手触りのある文字ってわかるものですね(^^)そう思うと本やさんでの本探しも、もっと楽しくなるかもしれませんね~(^^)
神保町なんて行った日には帰って来られないかもしれません(笑)

活版という言葉になじみのない世代の方にお会いすると、どのように知ったのか興味を持ったのか、気になってついつい聞いてしまいます。
まるこは以前この工房の母体であるデザイン事務所にいてものづくりに携わっていたので、その中でミスターから「活版」というものがある事を教わり、そしてレタープレスを始めたことによって職人さんや色々な方にお会いする機会に恵まれました。
最先端ではなく昔の印刷技術ですが、今は少なくなってきているものですが、知る事によって今も携わる事ができていて、自分の中がとても広がったと思っています。
知る事ができて、とても良かったと思っています。

体験に来られた方にも、これをきっかけにさらにいろいろ広げていただけたらなぁ、コレ幸いです(^^)

第13回活版印刷体験

こんにちは、まるこです~。
しばらく(かなり?)溜まってしまった体験報告・・・まるこもちびまるこちゃんの夏休みの宿題のように、溜まってしまった体験報告をアップします。へへへ(^^;)

さかのぼる事4月18日。第13回の体験に来て下さったのは、再挑戦のYさんと、今回初めてのお友達Kさん。Yさんはレタープレスが始動して、そして体験を初めて開催した日のお客さまでした。忘れもしない2008年4月17日、本当にちょうど一年前のことです。緊張しつつもとても楽しい時間を過ごせた記憶が残っており、「お久しぶりですね~」「一年まえは・・・」などと楽しいお話をしながら、まずはYさんからスタートしました。

「一年前に比べると、色々パワーアップしたのですよ~。選べる紙が増えました!」と仁王立ちで鼻を膨らませるまるこですが、Yさんの版も、一年前に比べてパワーアップしていました。印圧のかけるところ、やりやすそうなバランスのイラストです。なんとも言えない猫の表情・・・写真はのちほど(笑)
二回目という事で挑戦!と版は大きめですが(事前に原稿を頂いた際、大きさが心配なときは、当日きれいに刷れるよう少し縮小をご提案しています)

印圧調整につまずく事もなく、スムーズに刷り終わりました。難しさに挑戦しにいらしたYさんは、ちょっと拍子抜けのよう(笑)でもとってもきれいに刷れましたよ、なんとも言えない表情の・・・ねこ(笑)


見ています。

つづきましてお友達のKさん。初めてですが、色々こだわりがあり版としてはちょっと難しそうなものにチャレンジして下さいました。


紙に対して左右が結構いっぱいの、大きめの版。3つの四角は細いケイ線が集まった枠で、その中にはベタ面のタツノオトシゴ。かわいい・・・ですが、難しそう・・・。
「きっと難しいですが、頑張りましょう!」と最初から気合いを入れ、インクを伸ばす準備段階もスピィーディーに(笑)

ブルーインキが爽やかです。

やはり印圧調整には時間が少し必要でしたが、それ以上に、細いケイ線がムラになってしまい、毎回出方が違ってなかなか安定しません。

印圧のバランスがいいところまできたら、あとはインキののりが安定するよう、ひたすら試し刷りをしてならして行きます。根気よく刷っていくと段々インキがなれて、少しずつですが安定してきます。

最後は3つの四角を一つ切って、お持ち下さった封筒に印刷してみました。
一枚ずつしかないので、緊張しながら・・・・あ、ちょっと、しっぱい(^^;)
ですがこんな事もテキンの印刷機で刷る楽しみです*

今日もたのしく、一喜一憂しながらワークショップを終えました。
また次回もパワーアップした原稿、お待ちしていますよ~(^^)

第12回活版印刷体験

ちょっと遅れをとっていますが、活版体験報告です~。

第12回活版印刷体験は3月28日土曜日でした。
お越しくださったお二人は、とってもかわいいイラストを、レタープレスの体験始まって以来初!!の原画郵送でお送り下さいました!その事に一同「お~。」そして2つのかわいいイラストに和み当日をとても楽しみにしていました。

早速、まず1つ目のかわいいイラストは・・・
その可愛さとは裏腹に版は気分やさんで、実際にやってみると印圧のバランスが意外に難しく・・・。木の枝が出たりかすれたり、かと思えば下の花々がちょうど良い出かただったりつぶれたり・・・。ヤレの裏にためし紙に、とにかく沢山刷って微調整をしていきました。


まるこはよく分りますが、時には台が必要です。


こんなにたくさん!!面白いので並べてみました(笑)

とにかく沢山刷ってみる事で、調整ネジをどれだけ回すと印刷にどれだけの影響が出るのか分ってくるので、とても良い勉強になります。そしてインキのつきも慣れて、安定してきます。
なかなか全てのバランスが整わず迷宮入りしそうな頃、奥からミスターが登場。ミスターによる最後の微調整でようやく、バランスが整いました~。ふぅ(^^;)

お次のイラストも同じく線画で大きさも同じくらいなので、もしかしたらまた大変かなぁと少し心配をしながら、まずは位置調整です。


位置はこのメモリのついたバーを上下させて、版ではなく紙側を動かして決めていきます。

そして、いざ、印刷。


まず最初の圧調整をして開いてみると、イラストの出ていない部分があります。この出ていない部分の裏側にあたる調整ネジを強めて圧をかけ、出るようにしていきます。


この間、先に終了したFさんは熱心にも活版にかんする記事を熟読。

さて次の調整をして開いてみます。いつもはここから時間がかかるのですが・・・


じゃ~ん(笑)こんなミラクルも、たまにあります。前回(第11回の体験)の時にもそうでしたが、こんな時はちょっとひょうし抜けしたような、でもうまく刷れてちょっと嬉しいような、なんだかへんな気分になるのです。ついつい、「あれ?」という言葉が出てしまいます(笑)

午後17時過ぎ、今回も無事に印刷が終わりました!お二人はこの後工房近くの「in-kyo」さんに行かれるそう。

そうそう、そうなのです。実はこの近くには楽しいお店や見所が色々ある(出来て来た)ので、体験で来られた際にはぜひぜひ、散策してみてください(^^)

第11回活版印刷体験

3月7日土曜日、第11回活版印刷体験の日でした!
早朝から大量印刷を終えた後だったので(もちろんこんなギリギリの事をするのはまるこ一人だけです 笑)、またもや刷り上がりのポストカードが工房中をひらひらとした状態で本日の選手をお迎えしました(^^;)
何を大量に刷ったんだ!とちょっとだけ気になる方は、前回の「続・大量印刷物」をご覧下さいませ。

本日は以前に一度いらして下さった、Sさんと、Kさん。また再度来て頂けるなんて、とても嬉しい事です(^^)
一度お会いしているので、「お久しぶりです~」と会話も楽しく、そしてお二人は二度目の今回も新しい挑戦をして下さいました。

まずはS選手。前回の細かく繊細な版とは打って変わって、今回はスタンプのようにかわいい猫のシルエット(^^)そして印刷するのはツルツルピカピカの紙「ミラーコート」に、藍のインキ。

青系のインキは以前から他に比べてちょっと水っぽいという特徴を感じていましたが、今回このミラーコートで使用するのは初めて。その水っぽさが顕著に出てしまいました。。


わ~っ。
時間があったらマーブルもやってみたいと伺ってましたが、こういう事じゃあないですね(^^;)

この紙に相性の良いゴールドインキに変えてみたのですが、それでも少し輪郭の滲みとインクのムラがあります。

今まではこの組み合わせでも線画か、小さいベタ面だったので気づきませんでしたが、
どうやらこれは、ベタ面の大きさとの関係もあるみたいです。これくらいのベタ面になると(これくらいというのが、きちんと線引きできずとても難しいところなのですが・・・)、このツルツルした紙ではムラが出やすいみたいです。

悩んだ末、ゴールドインキはそのまま、少し手触りと温度のある「波光」
という紙になりました。落ち着いた印象になって、とてもきれい(^^)

樹脂版なので、3匹をハサミで切って2匹と1匹にばらして印刷してみました。


こんな風に、同じ版なのに1匹がいるものといないもの。これも活版ならではの楽しみです*

続いて、Kさん。
前回はとっても繊細な線画のイラストだったのですが、今回は・・・
今回も同じく、さらに繊細なイラスト!すごいなぁ。と版の段階で驚きました~。ただ印圧のかかり方を考慮して版製作用の原稿を作っていただいたようで、真ん中に圧が集中するような、あまり広がりのない版ができました。

それでも細かいので、今度は小さい分つぶれが気になるかなぁ、と難航の覚悟で望んだのですが、見事に打ち砕かれ・・・(笑)


調整もスムーズに、


とってもきれいな仕上がり!
ゴールドとシルバーの2色で楽しみました。かっこいいです。
Kさんも拍子抜けしてしまったようで、「もっと試行錯誤するかと思っていたけど、ちょっとくやしい~」と(笑)
たしかに、盛り上がりにかけたかもしれません(笑)

今回も楽しんで頂けたようで、嬉しいです(^^)
レタープレスでも新しい発見ができて、感謝です。
また次回3回目のチャレンジもお待ちしていますよ~。
ホ~ホ~。(無理やり 笑)

第10回活版印刷体験~まるこの長い一日~

2月21日土曜日、第10回印刷体験の日でした。
この日はまるこ個人の刷り物があり(しかも大量に)なんと朝7時、一人工房にぬぼ~っと出没。


まだ朝の光です。目の前のナスダさんを激写。

オハヨー、アダナ21J。

なんとか大量の印刷物をお昼までに!!と髪を振りみだしながら、ひたすら一人無言で刷り続ける事3時間ほど・・・なんとか無事に終わったものの、大量の刷り物が乾燥のために工房中の本棚でひらひらしたまま、今日の選手を迎えることになりました(^^;)

今日のお一人目はミスターのお友達、「具」さん。「具」とはパソコンでご自分の名前を変換したとき、この漢字変換になるから、だそうです。なるほど~。

ミスターと色々お話をしながら、印刷は無事に進んで行きましたが、思う色を作るのに、慎重に時間をかけました。なぜならモチーフは沢山の鳥居。とっても可愛いです、なので真っ赤なのはどうだろう・・・と少しスミを混ぜたのですが、変わらなかったり、行き過ぎて怪しい紫になってしまったり。改めて混色って難しいのだなぁ。と沢山の鳥居を前に思いました。

お二人目のOさんは・・・・・・なんだかとっても楽しそう!!
見ているこちらもとても嬉しくなってしまうほど、最初から最後までとても笑顔で楽しそうだったのです(^^)
版は線画のかわいいイラストで、ベタ面はごくわずかなものの、大きさから「そこまで圧は入らないかもなぁ」なんて思っていました。
しかしなんととてもきれいに、そして均等にボコっと凹んだではありませんか!
線と面とイラスト自体の大きさの関係、ほんとうにその時々、それぞれで、まだまだ奥が深いです(^^;)

「すごい~」とまるこは何かを忘れ、横からデジカメで撮影に没頭。(笑)
そんなしょうもないまるこの横で、Oさんはご自分で色々圧の掛け方、線の出方を変え、一枚一枚顔色のちがうものづくりを楽しんでいたようです。

きっとこれが、手キンでの活版印刷の、一番いいところ(^^)

最後はお茶で一息つきながら色々なお話をして、今日も無事、終了でした。ホ~ホ~

活版好きのIさんリターンズ

2月7日土曜日、新年初の先週に続き、
ワークショップの第9回目を開催しました!

今回は去年に一度お越し下さった、活版好きのIさんご夫婦。
再度チャレンジに来て下さいました~。

今回はお二人とも版にする原稿の段階から、刷りやすさをちゃんと考慮して制作したと思われるイラストを送ってくださいました。さすがIさん・・・

Kさん(奥さん)の版はきっと印刷の圧調整にはそれほど苦労する事なく、うまくいくだろうな。そんな予想で最初の調整。(始めは離れている紙と版を、調節ネジを回して近づけて行き、まずは印字されるところまでもっていきます)
4つの調節ネジが均等に硬くしまると紙と版がくっついた合図。さぁ、それでは一度開いてみましょう、と見てみると・・・

あれ?もう完璧じゃないですか!!(笑)

大体この段階ではまだバランスは完璧ではなく、イラストのどこかが出ていなかったり薄かったりするので、ここから微調整をしていくのですが、もう終わってしまいました!わぉ。

しかしここから新たに小さな問題が発生。。Kさんはゴールドインキとミラーコートというつるつるテカテカのコート紙を選んだのですが、このインキ、紙、イラストの3つが組合わさると、ぼや~っと輪郭の残像が出来てしまうのです。

こんなふうに。わかるでしょうか、丸いベタ面のまわりに枠のようなものがあります。

これが紙を変えると出ないから不思議です。やっぱり組み合わせの相性なんだなぁ。。
どうしたらいいのか刷り方の試行錯誤がしばらく続き、かすれない程度にソフトタッチで刷るという結論に達しました。なんだ、と思うかもしれませんが、このソフトタッチ具合がなかなか難しいのです。
よかったよかった(^^)

Kさんは刷っていくうちに、紙の位置を変えて刷ってみたり、一枚の紙に何回か刷ってパターンのようにしてみたり、一枚一枚を意図的に変えて楽しんでいらっしゃいました。


なるほどー、これは活版だからこそ出来る事ですね!と今日も新たな発見にみんなで盛り上がりました。

次はHさん(旦那さん)。Hさんはシルバー+藍の混色にチャレンジされました。インキをとって、ヘラで少しずつ慎重に混ぜ、確認する時は紙に少しつけてゴシゴシこすり、のばしたインキの色を確認します。そしてさらにローラーでまんべんなくのばしていきます。


色づくりのもよう。

Hさんの印刷で一番苦労したのは印圧調整。ベタ面と細いラインが混在していたのでどう出るか心配はしていたのですが、ベタ面のかすれというよりもラインの一部にどうしても出ないところがあって、やはりバランスをとるのに細かい調整をしていきました。

こうやって黒い4つのネジを少しずつ回して調整していきます。

そしてHさんの場合はKさんとは逆で手触りのある紙よりもつるつるのミラーコートの方が相性バッチリなようで、きれいに刷れるのです。ふしぎ不思議~。

上2枚が手触りのある紙で少しかすれぎみ、下がミラーコート。写真だとわかりづらいですが、きらきらと反射する光まで放っています。

最後は前回と同じく、持っている見本帳などの見せ合いっこで楽しいひと時になり、気がつくとあたりは暗~くなっていました。ホ~ホ~