7月に出来たもの

7月に出来たもの

 
気がつけばあっという間に8月。
 
9月になってしまう前に(!)、
7月に仕上がったものをご紹介いたします。
 


 
「アノニマ・スタジオの本」(2011年度版)
イラスト:高寄尚子
アートディレクション:関宙明
デザイン:松村有理子
   
  
アノニマ・スタジオさんの総目録です。
毎回違うイラストレーターさんに
アノニマ・スタジオさんの灯台を描いて頂いています。
 

 
今回のイラストは、高寄尚子さん。
 
広がりのある風景を仕上げてくださいました。
表紙と裏表紙は、たぶん、違う国。
けれども水平線でつながっています。
 

 
表紙を開けると、灯台から見下ろした港町が広がっています。
 
「アノニマ・スタジオの本」は、全国の書店で配布しています。
もしお近くの書店にない場合は、
アノニマ・スタジオさんから直接送っていただけるようですよ。
詳しくはこちらから、
「本のご案内」のページを御覧ください。
 
 
 
 
次は、こちら。
  

 
じゃん。
元気な本が出来ました!
 
「のっけごはん100」 瀬尾幸子 著 主婦と生活社 刊
写真:木村拓
スタイリング:大畑純子
プリンティングディレクター:都甲美博
アートディレクション:関宙明
デザイン:関宙明・松村有理子
 
 
「おつまみ横丁」でお馴染みの料理研究家、瀬尾幸子さんの
簡単でボリュームたっぷりのレシピ集です。
 
撮影では始終笑いの絶えない
明るい現場でした。
元気な瀬尾さんに負けない元気なデザインを目指しました。
 
 
 

 
扉です。
背景の絵は、銭湯のペンキ絵の職人さんによる
三保の松原で、瀬尾さん所有(!)のもの。
もっと引くと富士山が見えるのですが、
主役は料理ということで。
 
  

 
料理名の筆文字は瀬尾さんによるもので、
定食屋の女将さんになりきって書いて頂きました。
  

 
味のあるいい字ですよね。
字だけで美味しそうです。
 
 

 
勢い余って表紙を関が描きました。
ちょっと悪乗り気味です。
 
  

 
カバー袖では「鍋での美味しいごはんの炊き方」をご紹介。
いちばん基本的な事が、ページを探さなくてもいいところに書いてあります。
編集さんのアイディア。こういうの、好きです。
  
  

 
裏表紙には「たいへんよくたべました」のハンコ。
 
遊び心ぎっしり、
レシピたっぷり(なんと100点)。
これが880円だと云うのですから
驚いてしまいます。
 
 
お近くの書店や、コンビニなどでどうぞ。
  
  
 
次は、少し夏らしい? 本を。
 
 

  
「心霊づきあい」 加門七海 著 MF文庫・ダ・ヴィンチ メディアファクトリー 刊
装幀:関宙明
  
作家、加門七海さんによる、「視えない」世界が「視える」人たち11人との対談集、
2008年に出版され、好評を博した「心霊づきあい」の文庫版です。
  
怖い? 怖くありません。
心霊とのお付き合いも人と同じ。
必要以上にこちらが怖がれば、向こうも仕掛けてくる(?)し、
向こうも怖がらせる為だけに居るわけではないようです。
ここに登場する皆さんの「心霊づきあい」の作法にはおおらかさを感じます。
  
その「おおらかさ」、落語みたいだな、と思い、
装画のイメージは落語「野ざらし」に求めました。
 
長屋に住む浪人が美人の幽霊と差しつ差されつ…、
そんな話にあやかりたい八五郎が
自分も幽霊を探しにゆくというお話し。
本とは関係ありませんが、そんなおおらかな付き合い方が
ちょっと似ているかな、と思いました。  
    
暑い夏の夜に、少しだけひんやりする? 愉しい対談集です。
  
  
  
  

 

 
 
「その先の看護を変える気づき」 学びつづけるナースたち
編集:柳田邦男・陣田泰子・佐藤紀子 医学書院 刊
装幀:関宙明
 
看護学生さんから、ベテランの看護師さんまで、
看護現場の人々によるエッセイを集め、
編者がそれぞれの看護実践に意味付けをしながら
核となる「人への思い」を抽出しています。
 
看護師さん向けに書かれた本書ではありますが、
仕事を通して人と関わる意味と意義は、どのような仕事に於いても共通性があり、
自分の仕事に疑問が湧いてしまった時に、
その仕事をはじめた頃に抱いた喜びを思い起こし
また違う確度から見つめる為の示唆を与えてくれる
そんな本だと思いました。
 
装幀では、手元だけを見つめていたのでは得られない、
「気づき」の先にあるはずの「希望」を感じさせる、広がりのある装画を
用意しました。
 
看護師さんだけでなく、
多くの方の読んでいただきたい良書です。
 
 
 

最後です。
  
  

「義の絆」孫文と宮崎滔天 松本州弘 著 朝日新聞出版 刊 
装幀:関宙明
 


 
 
辛亥革命を起こし、中国革命の父と呼ばれた孫文と、
その孫文を支えた日本人革命家、宮崎滔天の交流を描いたドキュメンタリー。
 
国境を越えた友情と人の思いに
多くの人々が共感を寄せ、革命を為す様が描かれます。
人を動かす強い思いと行動。
これはいつの世でも変わらず、
現在私たちが迎えている日本の状況から見た時、
大きく欠けているものが何かを教えてくれました。
 
装幀では、この二人の熱を表す赤を全面に。
そして尊い友情を金の箔押しで表現しました。
本文は和文と中文の二ヶ国語で編集されています。

※この本は記念として作られたもので、
 一般書店では(おそらく)買えません。
 
 
お陰さまで7月は色々仕上りました。
また、随時ご報告いたします。
 
 
関 宙明
 
 

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