君ヶ畑

君ヶ畑

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愛知川の源流を求めて山に入った。永源寺を越え、杠葉尾と呼ばれるあたりから雪が強くなってきた。蛭谷を過ぎ、小さな看板を頼りに、細く薄暗い山道を走り続けると、かつての茅葺き屋根を収める、とがったトタン屋根が立ち並ぶ小さな集落へと出る。鈴鹿山脈山中にある君ヶ畑へ初めて訪れたのは、こんな日だった。


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木地師発祥の地と言われ、かつて日本中の木地師たちがこの地で氏子帳に名を連ね、日本中に散っていった。その後君ヶ畑へは四季を通じて訪れたが、雪を見たのはこの時のみ。湖東の山中は湖北ともまた違った独特の湿気のようなものがあり、毎年この時期になると、寒さと共に、その湿度というか、気配のようなものが身体の芯に蘇ってくる。各季節毎に格別の趣きがあるけれど、下山中、蛭谷の二叉あたりから空を覆っていた雲がにわかに薄くなり始め、やがて視界一面がやわらかな光に包まれたという記憶と共に、自分の中の特別な場所に納まっている。


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