昨日4月27日から、
北村範史さんの個展「球根とサコッシュ」が
開催されています。
　
　
　

　

　
　
　
　
北村さんがヒヤシンスの球根を描いていたことは
それまでの展示で良く知っていて、
僕自身とても好きなシリーズだったから、
いつかこのテーマで展示をやらないかな、と思っていた。
　
だから、今年の2月に北村さんからもらったメールで
今回の展示のことを知ったときは、
ここ数日の初夏のような気温からは考えられないほど
寒い冬の日だったけれども、暖かな気持ちになった。
　
DM制作の打ち合わせの時に北村さんが見せてくださった数冊のファイルには、
ある年の、根が出てやがて花となる球根の日々の姿がモノクロと、
カラーで記録されていて、時系列でそれを追って見てゆくとき、
ロードムービーを観ているような、表面上は淡々として、
それでいながら、頭の中は想像力を掻き立てられる、
そんな時間が流れた。
　
下描きもなくインクと筆で一気に描き上げられるスケッチは、
キラキラとした生命感に溢れ、
美しいだけでなく、何故か気持ちがざわめく。
まるで知っている人の裸身をこっそり見せられ、
ちょっとした罪悪感を共有するような感覚に
それまで何を見ていたのかを一瞬見失ってしまうこともある。
　　
これらの小さなピース群が北村さんによりまた組み上げられ、
一つの大きな空間になるのだと想像したら、
快哉を叫びたくなるような喜びが身体に溢れた。
　
　
素敵な展示です。
ぜひ足をお運びください。
　
会場では北村さんがフリーマーケットで集めた
デッドストックのアメリカのコイン袋を一つ一つ縫って作った
サコッシュの販売もあります。
これがまたカッコイイのです。
　
詳しくは北村さんのウエブサイトでどうぞ。

北村 範史 個展
「球根とサコッシュ」
会場：神楽坂　フラスコ
期間：2011年 4月27日（水）- 5月1日（日）
時間：12：00 – 20：00（最終日は18:00まで）