沖島から戻り、その二日後に小豆島へ。
そうしたら緩い風邪をひいてしまった。
微熱が続く、鼻水がとまらない。頭がぼうっとして背骨に力が入らずまっすぐ歩けない。
我ながら酷い状態。
ビタミン点滴を受けて迎えた、ラ・コリーナ第4号の校了日。
輪転機での本番印刷を見据え、写真に残されたシーンが、近江での記憶が、
より生き生きと読者に伝わるよう、
一点一点、修正の内容をプリンティングディレクターのKさんと話し合い、詰めてゆく。
そこで話し合われる言葉は、シアンが何パーセントとか、そういうデータ的なこともあるけれど
「このとき吹いていた風には湿度があってね、桧葉の香りがプンとくるわけですよ」
のように情緒的な言葉の方が、実は定着に向けてイメージを共有するにあたり、
有効な判断材料だったりすることが多い。
そういった、専門用語ではない、平易な言葉を積み重ねることで、
写真家が捉えたイメージの断片が、皆で追体験できる「写真」へと変化してゆく。
PDのKさんとは、これまでもたくさんの言葉を積み重ねながら、写真を定着してきた。
Kさんは、このような会話ができる、数少ない人の一人だ。
そんな時間を経て、いよいよ冊子は昨日から印刷に入り、
今日と明日も立ち会いです。
既に風邪は抜けたけれど、
印刷の事を考えると、身体は少し熱を帯びてきます。
良い仕上がりになりますように。(S)
2014-08-07 owner 日々のこと