永青文庫 早春展中国陶磁の色彩

永青文庫 早春展
中国陶磁の色彩

お知らせが遅くなりました。
目白、永青文庫さんで開催中の「中国陶磁の色彩 2000年のいろどり」にて、チラシ・ポスター・季刊誌のアートディレクションとデザインを担当しました。


本展示では永青文庫所蔵の、漢時代から清時代までの100点以上の中国陶磁より、唐三彩、白磁、青磁、青花、五彩など、色彩をテーマに重要文化財3点を含む多彩なコレクションを展示しています。
中国陶磁ファンの方はもちろん、近代のやきもののルーツ探しとしても、その美しさや、独特の存在感を存分に楽しめる展示になっています。


ポスター


昨年から、作品の印象を印刷物に最大限近づけるため、展示の前に実物の一部を見せて頂くという、有り難い機会を設けていただくようになりました。
今回実物を見て、個人的に一番心を惹かれたのは「加彩女子」(重要美術品)という唐時代の作品。
穏やかな笑顔とその優美なシルエットは、一目見てその眼を離しづらくなるほど蠱惑的で、細川護立氏にこの作品を見せてもらった梅原龍三郎氏に於いては「描きたいから貸してほしい」と手紙を書き、実際に「唐美人図」として仕上げたほどだとか(本展覧会にて展示)。
その他にも、ファンの多い「白釉」の銘品、「白釉黒花牡丹文瓶」(重要文化財)の素朴な質感の向こうに透けて見える複雑な痕跡、そしてキービジュアルにもなった「三彩宝相華文三足盤」の大胆でいて精緻な意匠づくり、思わずうっとりとする淡い色彩の灰陶で仕上げる「灰陶加彩馬」(重要美術品)など、どの作品もその梱包を解いていただく度に仕事を忘れて見惚れました。


その他にも、ファンの多い「白釉」の銘品、「白釉黒花牡丹文瓶」(重要文化財)の素朴な質感の向こうに透けて見える複雑な痕跡、そしてキービジュアルにもなった「三彩宝相華文三足盤」の大胆でいて精緻な意匠づくり、思わずうっとりとする淡い色彩の灰陶で仕上げる「灰陶加彩馬」(重要美術品)など、今回も見どころがたくさんあります。


デザインでは、今回は普代の銘石文字をイメージして描き起こしたタイトル文字を、花の文様の中に収め、「三彩宝相華文三足盤」に添えました。


作品の印象をそのまま紙に定着すべく、印刷は今回も東京東京印書館さんです。
個人的にも唐三彩をお持ち(!?)だというプリンティングディレクターの高柳昇さんは中国陶磁に造詣が深く、入稿会議でもご自身の知見や、実際に中国の美術館や骨董店でご覧になっとという経験をもとに、私と学芸員さんが伝える作品の印象を見事に印刷物へ定着してくださいました。
館内で販売中の季刊誌も、中国陶磁の魅力が存分に味わえる自信作です。
展覧会へお越しの際は、ぜひお求めください。


余談ですが、ちょうどこの時期、永青文庫さんのすぐそばに流れる神田川の桜が見頃を迎えます。
この週末にはずいぶんと開花がすすみそうです。
展示の際に訪れてみてはいかがでしょう?


永青文庫 令和5年度早春展「中国陶磁の色彩 2000年のいろどり」
会期は4月14日(日)までです。ぜひ脚をお運びください。


展示詳細:永青文庫


2022年3月末の桜


制作物詳細



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