inkstand by kakimori
今週より新webサイトを公開しています。
inkstand by kakimoriは、2014年9月にオープンした「カキモリ」さんプロデュースによる「オーダーインクショップ」です。オープン以来続けてきた水性染料インクから、水性顔料インク(!)に切り替えるにあたって、ショップをリニューアルオープンし、さらにお客さまとのコミュニケーションを充実すべく、新たにwebサイトを作りました。
「カキモリ」といえば、週末や連休になるとできるオーダーノートを作るお客さまの行列は蔵前ではおなじみの光景となっていまして、開店当初こそふらっと立ち寄れたインクスタンドも、今年からは完全予約制としなければならないほどの人気となり、「自分だけの色を楽しむ」という、これまでに無かった新しい提案を様々な人々に楽しんで頂いています。また、作ったインクをより楽しむために、そのインクが使える透明軸の万年筆、そしてボールペンもオリジナル製品として展開、人気を博しています。
ブランドリニューアルにあたり、代表の広瀬さんは「顔料インク」にこだわりました。万年筆に使われるインクは、ほぼ水性染料インクで、水に弱い為、はがきや、封書の宛名書きなどに使うと、郵送中の雨などで文面が読めなくなってしまったという経験をお持ちの方も少なくないでしょう。また、数十年という長い期間を経過すると、保存状態によりまったく見えなくなるほどではありませんが、退色します。その時の思いを綴る文具として、これではいけない、何とか出来ないかと、広瀬さんはかねてより耐水性があり、耐候性に優れる顔料インクの導入を検討していたのですが、顔料インクは、その粒状性から万年筆やボールペンで使用する際にはインクが詰まってしまうことが一番の懸念材料でした。
そこで、絵を描く方にはおなじみの日本の顔料絵具メーカー「ターナー色彩株式会社」と共同で「筆記具に使用できる顔料インク」の開発に着手、この度めでたく混色可能な14原色のお披露目となった次第で、これは快挙といえます。
上)水性顔料インク 下)水性染料インク
個人的にはそれまでの染料における彩度の高い色が出来るのかということも気になっていましたが、サンプルを見せていただいた途端、発色の美しさ、一度乾いてしまえば水をこぼしても染みない耐水性に驚きました。そして新たなwebサイト制作にあたり、「自由に色を楽しむ」ことのわくわくした気持ちが全面に出るような表現を目指しました。写真も全て新撮。トップページのスライドショーにあるコピーも、カキモリさんのオープンからお力添えくださっているコピーライター伊坂真貴子さんに、改めてサービスを体験していただき、書きおろして頂きました。
「自分だけの色をつくる」。この体験は自分自身のこれまで意識していなかった部分を開くような意外な感覚があり、新鮮です。また、「誰かのための色をつくる」ことを考えることも、とてもおもしろい体験です。是非一度お試しください。
新webサイトは勿論モバイル対応で、今回も全面的にwebフォントを導入。PC、スマートフォン、タブレット、どの閲覧環境でも統一感のあるサイトに仕上がっています。どうぞご覧ください。(S)
2016-11-03 owner できたもの