ご挨拶

ご挨拶

瀬戸内の海

あっという間に年の瀬を迎えました。
今年は、これまで以上にたくさん仕事をした一年だったように思います。
地方への取材で農業やその他の産業に携わる方のお話しを伺う機会も沢山ありました。
その中で共通して、ほぼ必ず出てくる話題があります。
「土地への感謝」「土地への恩返し」そして次の世代へ「残すこと」。


東京に生まれ、郊外の新興住宅地に育って若い頃に実家を離れた所為なのか、
持って生まれた性分なのか、土地への感情は恥ずかしいほどに希薄です。
そんな自分が、前述のように人の濃厚な想いに対峙する度、
自分自身が何者なのか、何が出来るのか、そんな問いが生まれました。
そんな濃厚さに答えをだせるほど、自分に根ざすものがあるのかという
ぼんやりとした疑問にはなかなか答えを出せずにいました。
月に数回、東京を離れ、彼の地に根ざす人々のお話を聞く内に
自分の中のそれは、実は「人」だったのではないかと思い至りました。


今を生きる人だけでなく、これから生まれて来る人々の為に、
大切な考えやメッセージを伝える事が
自分が手がけるデザインという仕事の根ざす所なのだろうと思いました。
そしてそれは結局のところ、
昔から考えている事と変わらないことに気づきました。


デザインの成果物には、絶対的な評価軸というものはありませんから
表層や、数値として捉えやすい数量、あるいは何かしらの権威にとらわれて
振り回されたり、浮き足だったりしがちです。
自分の名前で仕事をしていると、そのような後ろ盾が無いことを
不安に感じることも少なくありません。
だけどそれはあくまでも沢山ある物差しのうちの一つでした。


人の役に立つこと。
それが永く続くことでより多くの人の役に立つこと。

わかりやすいかたち、手に取りやすいかたち、楽しくなるかたち、
うっとりするかたち、大切にしまっておきたくなるかたち、
誰かに教えたくなるかたち、思わず笑ってしまうかたち。
デザインが担う、人の役に立つ「こと」や「かたち」はさまざまですが、
根底にあるものはいつも同じでありたい。
お世話になった人の顔を思い描きながら、そのように考えた一年でした。
来年はこれまで以上にデザインが担う「本質」を自分に問いかけながら
皆さんのお役にたちたいと考えています。


今年お目にかかった方、お話しを聞かせてくださった方、
お仕事をご一緒させていただきました皆さんに、
心より御礼申し上げます。
そして来る2014年が、
皆さんにとって光に満ちあふれる
素晴らしい一年になりますよう心からお祈り申し上げます。


2013年 師走
ミスター・ユニバース 関 宙明


追伸1.
今年きちんとお返事出来なかった皆さん、すみません。
胸を張ってお返しできるよう、宿題頑張ります。
ごめんなさい。


追伸2.
求人要項にも手をつけられませんでした。
お待ちいただいていた方すみません。
こちらも年明けには…。


という訳で、来年も(こそ?)頑張ります!

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