hou homespun 2016
羊/カシミア/ヤク/キャメル手紡ぎ手織りのマフラーとストール
上杉浩子さんの手織りブランド、hou homespunの展示会が今年も京都KITで開催中です。
すっかりこの時期の風物詩的な催しとなりましたね。上杉さんの丁寧な手仕事から生まれる手紡ぎのホームスパンは、とても暖かく軽やかです。お近くの方は訪れてみては如何でしょう。
Typography vol.10
10人のデザイナーによるタイトルデザイン特集
Typography vol.10
2016年 グラフィック社
inkstand by kakimori webサイト デザイン
inkstand by kakimori
webサイト Launch
Copywriting : 伊坂真貴子 Makiko Isaka
Photograph : 関宙明 Hiroaki Seki
Programming Supervisor : 長谷川豊 Yutaka Hasegawa
Creative Direction / ArtDirection / Design : 関宙明 Hiroaki Seki
久野恵一と民藝の45年 日本の手仕事をつなぐ旅 〈いろいろ①〉 デザイン
◎造本仕様
・A5判並製、カバー装、PUR
・カバー:アラベールウルトラホワイト
・表紙:エースボール
・見返し:テンカラーエンボス皮しぼ
・本文用紙:オペラホワイトマックス
久野恵一と民藝の45年
日本の手仕事をつなぐ旅 〈いろいろ①〉
久野恵一
Photographs : 永禮 賢 Satoshi Nagare
Katazome : 小田中耕一 Kouichi Odanaka
Printing Direction : 丹下善尚 Yoshihisa Tange(図書印刷 TOSHO Printing Co.,Ltd.)
Printed and bound : 図書印刷 TOSHO Printing Co.,Ltd.
Art Direction / Design : 関宙明 Hiroaki Seki
Publisher : グラフィック社 GraphicSha
世界のひつじめぐり デザイン
書店POP 制作:池田未奈美
世界のひつじめぐり
本出ますみ 監修
Printing Direction : 高栁昇 Noboru Takayanagi (東京印書館 TOKYOINSHOKAN PRINTING CO.,LTD.)
Printed and bound : 東京印書館 TOKYOINSHOKAN PRINTING CO.,LTD.
Art Direction / Design : 関宙明 Hiroaki Seki
Design Assistant : 池田未奈美 Minami Ikeda
Publisher : グラフィック社 GraphicSha
夜の甘み 装幀
原稿を読んでいてふと思い浮かんだのは、少女が机に向かって何か一人遊びをしているイメージでした。さて、何をしているのかなと覗き込んでみると、ぼんやりと浮かんできたのが、凹凸のあるものに薄い紙を置き、鉛筆でこする遊びで、「フロッタージュ」でした。
たぶんほとんどの人が、10円玉や、5円玉などの硬化で遊んだことがあるのではないでしょうか。
さて、このフロッタージュ、いざ作ってみると意外と難しかったことを覚えています。活版印刷でお世話になっている製版所さんに、樹脂板で凹版を作ってもらい、鉛筆で擦ってみますとと、角の部分のみ濃く、イメージしていた印影とならない。樹脂では角の部分にかかる力を面で受け止めてしまい、そこだけ鉛筆が強く載ってしまったのです。
それではと、次に亜鉛腐食版を発注。今度はうまくいきました。
書体は写植のILMA(岩田細明朝体)を使い、印刷後、文字部分を空押しし更に凹ませています。
鉛筆をイメージしたグレーについては、どの程度の濃度が一番しっくりくるのか、何度もシミュレーションを重ねましたが、色チップ指定による校正刷りではイメージに合いませんでした。
そこで、本番印刷に立会い、インクを練ってもらうことに。最終的には「え?」と思うほどメジウムを使って薄めた色になり、色チップでの指定も万能でないことを感じました。
正木香子さんが、ご自身のコラムで素敵な書評を書いてくださいました。
Title Design : 池田未奈美 Minami Ikeda
Art Direction : 関宙明 Hiroaki Seki
Publisher : グラフィック社 GraphicSha
「触って読む」・「陰影で読む」バリアフリーカレンダー。
2017年版ができました。
駅や公共の施設などでよく目にする「点字」ですが、実は、全盲や弱視を含め約30万人と言われる視覚障害者の中で、点字を読める人はその1割程度。視力を失う理由は疾病や事故など、後天的なものが8割だそうです。
大人になって視力を失った方が新たに「点字」を覚えるのは大変であることは、想像に難くありません。そうしたことから、触って読める浮き出し文字「タクタイル(tactile/触れる・触覚の)文字」を必要としている方は多く、アメリカではガイドラインでの義務づけもあり、公共施設での導入が進んでいますが、日本では、駅の案内板や券売機に「点字表記」を見ることはさほど珍しくなくなったものの、点字ではない「浮き出し文字」を見ることは希と言えます。
しかし、日本語のタクタイル文字もあるのです。画数の少ない、数字とカタカナで構成された「Forefinger(フォアフィンガー)書体」がそれで、触って読みやすいことは勿論、公共の場に使う書体は、視覚にも美しいものであるべきと、山本昭彦氏と「触覚文字フォアフィンガー研究会」がデザイン開発したフォントです。
「フォアフィンガーを使って、視覚障害者向けのカレンダーを作れませんか?」
と、ご相談をもちかけてくださったのは、書籍装幀で美しい仕上がりの箔押しや、空押しを手がけてくださっている真美堂手塚箔押所の代表、手塚さん。真美堂さんは箔押しの会社さんですが、日本点字図書館からの依頼で『点字』の印刷も行っており、自社の「浮き出し加工」技術を用いて視覚に障害を持つ方へ貢献活動を続けておられます。
これまでにも視覚障害者向けのカレンダーはありましたが、黒地に白い文字のデザインのものがほとんどで、視力が弱い方にとって地と文字のコントラストが強いほど読み(感じ)やすさは向上しますが、晴眼者の家族と過ごすリビングなどでは、その印象の強烈さから息苦しさを感じることも事実です。
「読む」という機能から考えると強いコントラストは有効ですが、果たして正解はそれだけなのか? という疑問からデザインがスタートしました。
「触って読めるのか、サンプルを作ってみました」と、手塚さんが持ってきてくださったのは、白い紙に、格子状に並んだ数字を空押ししただけの素っ気ないもの。しかし、真っ白い紙に、文字の影が落ちるさまに見惚れました。
影で読めるという事実に感動を覚えると同時に、「視覚に障害を持つ方がの浮き出した数字を触って読むことができるなら、晴眼者も一緒に使えるカレンダーになるかもしれない。同じ空間を共有するリビングなどで、会話を交わすきっかけにもなるかも」と、イメージが膨らみはじめました。
さて、実際に触って読めなければ意味がありません。早速リサーチです。
視覚に障害を持つ方への細かな調査は社会福祉法人 日本点字図書館さん、社会福祉法人 桜雲会さんのご協力をいただき、全盲の方をはじめ、弱視の方や点字教室の生徒さんなどに実際に使ってもらいながら、触れて読みやすい「高さ」・「大きさ」「間隔」や、使い勝手に応じた寸法やレイアウトなど、真美堂さんと二人三脚で試作とリサーチを繰り返しました。より高い浮き出しを得るために、50種以上の用紙でテストを行いました。より高く、強く、文字が浮き出すようにと強く押し過ぎれば、破ける、皺が寄るなど、滑らかな読み(触り)心地が損なわれ、弱ければそもそも読めません。
凸版、凹版二つの版を使う浮き出し加工は、版の出来次第で、得られる高さに変化があることもわかり、試行錯誤を繰り返した末、2014年にようやく完成。
暖かなご支援をいただきながら、その後も細やかな改良を続け、2017年版の発売となりました。
量産の段階でも気は抜けず、一枚ずつ目視で確認しながら製造しているため「機械を使うとはいえ『手作り』みたいなもんです」と手塚さんは仰っていました。
白地タイプ
白地タイプ
カラータイプ
カラータイプ
「バリアフリーカレンダー 2017」は、表参道のスパイラルでお求め頂けますが、他にもお取り扱いをしてくださるお店を募集しています。詳細は、下記へお問い合わせください。
《製品名》バリアフリーカレンダー
《バリエーション》「白地タイプ」または「カラータイプ」
《外形寸法》T250 × W350(mm)(金具含まず)
《仕様》表紙含め13枚綴り/リング綴じ《小売価格》3,200円+税
※曜日のアルファベットはフォアフィンガー書体ではありません
○バリアフリーカレンダーの売り上げの一部は、盲導犬育成に最も実績のある、公益財団法人 アイメイト協会へ寄付いたします
有限会社真美堂手塚箔押所
URL : 真美堂手塚箔押所
MAIL : info@sinbido.co.jp
tel 03-3269-0656 fax 03-3269-0667
真美堂さんのwebサイトも御覧ください
inkstand by kakimori
今週より新webサイトを公開しています。
inkstand by kakimoriは、2014年9月にオープンした「カキモリ」さんプロデュースによる「オーダーインクショップ」です。オープン以来続けてきた水性染料インクから、水性顔料インク(!)に切り替えるにあたって、ショップをリニューアルオープンし、さらにお客さまとのコミュニケーションを充実すべく、新たにwebサイトを作りました。
「カキモリ」といえば、週末や連休になるとできるオーダーノートを作るお客さまの行列は蔵前ではおなじみの光景となっていまして、開店当初こそふらっと立ち寄れたインクスタンドも、今年からは完全予約制としなければならないほどの人気となり、「自分だけの色を楽しむ」という、これまでに無かった新しい提案を様々な人々に楽しんで頂いています。また、作ったインクをより楽しむために、そのインクが使える透明軸の万年筆、そしてボールペンもオリジナル製品として展開、人気を博しています。
ブランドリニューアルにあたり、代表の広瀬さんは「顔料インク」にこだわりました。万年筆に使われるインクは、ほぼ水性染料インクで、水に弱い為、はがきや、封書の宛名書きなどに使うと、郵送中の雨などで文面が読めなくなってしまったという経験をお持ちの方も少なくないでしょう。また、数十年という長い期間を経過すると、保存状態によりまったく見えなくなるほどではありませんが、退色します。その時の思いを綴る文具として、これではいけない、何とか出来ないかと、広瀬さんはかねてより耐水性があり、耐候性に優れる顔料インクの導入を検討していたのですが、顔料インクは、その粒状性から万年筆やボールペンで使用する際にはインクが詰まってしまうことが一番の懸念材料でした。
そこで、絵を描く方にはおなじみの日本の顔料絵具メーカー「ターナー色彩株式会社」と共同で「筆記具に使用できる顔料インク」の開発に着手、この度めでたく混色可能な14原色のお披露目となった次第で、これは快挙といえます。
上)水性顔料インク 下)水性染料インク
個人的にはそれまでの染料における彩度の高い色が出来るのかということも気になっていましたが、サンプルを見せていただいた途端、発色の美しさ、一度乾いてしまえば水をこぼしても染みない耐水性に驚きました。そして新たなwebサイト制作にあたり、「自由に色を楽しむ」ことのわくわくした気持ちが全面に出るような表現を目指しました。写真も全て新撮。トップページのスライドショーにあるコピーも、カキモリさんのオープンからお力添えくださっているコピーライター伊坂真貴子さんに、改めてサービスを体験していただき、書きおろして頂きました。
「自分だけの色をつくる」。この体験は自分自身のこれまで意識していなかった部分を開くような意外な感覚があり、新鮮です。また、「誰かのための色をつくる」ことを考えることも、とてもおもしろい体験です。是非一度お試しください。
新webサイトは勿論モバイル対応で、今回も全面的にwebフォントを導入。PC、スマートフォン、タブレット、どの閲覧環境でも統一感のあるサイトに仕上がっています。どうぞご覧ください。(S)