バリアフリーカレンダー2017 発売

バリアフリーカレンダー2017
発売

バリアフリーカレンダー2017

「触って読む」・「陰影で読む」バリアフリーカレンダー。
2017年版ができました。


駅や公共の施設などでよく目にする「点字」ですが、実は、全盲や弱視を含め約30万人と言われる視覚障害者の中で、点字を読める人はその1割程度。視力を失う理由は疾病や事故など、後天的なものが8割だそうです。

大人になって視力を失った方が新たに「点字」を覚えるのは大変であることは、想像に難くありません。そうしたことから、触って読める浮き出し文字「タクタイル(tactile/触れる・触覚の)文字」を必要としている方は多く、アメリカではガイドラインでの義務づけもあり、公共施設での導入が進んでいますが、日本では、駅の案内板や券売機に「点字表記」を見ることはさほど珍しくなくなったものの、点字ではない「浮き出し文字」を見ることは希と言えます。

しかし、日本語のタクタイル文字もあるのです。画数の少ない、数字とカタカナで構成された「Forefinger(フォアフィンガー)書体」がそれで、触って読みやすいことは勿論、公共の場に使う書体は、視覚にも美しいものであるべきと、山本昭彦氏と「触覚文字フォアフィンガー研究会」がデザイン開発したフォントです。


「フォアフィンガーを使って、視覚障害者向けのカレンダーを作れませんか?」


と、ご相談をもちかけてくださったのは、書籍装幀で美しい仕上がりの箔押しや、空押しを手がけてくださっている真美堂手塚箔押所の代表、手塚さん。真美堂さんは箔押しの会社さんですが、日本点字図書館からの依頼で『点字』の印刷も行っており、自社の「浮き出し加工」技術を用いて視覚に障害を持つ方へ貢献活動を続けておられます。

これまでにも視覚障害者向けのカレンダーはありましたが、黒地に白い文字のデザインのものがほとんどで、視力が弱い方にとって地と文字のコントラストが強いほど読み(感じ)やすさは向上しますが、晴眼者の家族と過ごすリビングなどでは、その印象の強烈さから息苦しさを感じることも事実です。

「読む」という機能から考えると強いコントラストは有効ですが、果たして正解はそれだけなのか? という疑問からデザインがスタートしました。

「触って読めるのか、サンプルを作ってみました」と、手塚さんが持ってきてくださったのは、白い紙に、格子状に並んだ数字を空押ししただけの素っ気ないもの。しかし、真っ白い紙に、文字の影が落ちるさまに見惚れました。

影で読めるという事実に感動を覚えると同時に、「視覚に障害を持つ方がの浮き出した数字を触って読むことができるなら、晴眼者も一緒に使えるカレンダーになるかもしれない。同じ空間を共有するリビングなどで、会話を交わすきっかけにもなるかも」と、イメージが膨らみはじめました。

さて、実際に触って読めなければ意味がありません。早速リサーチです。

視覚に障害を持つ方への細かな調査は社会福祉法人 日本点字図書館さん、社会福祉法人 桜雲会さんのご協力をいただき、全盲の方をはじめ、弱視の方や点字教室の生徒さんなどに実際に使ってもらいながら、触れて読みやすい「高さ」・「大きさ」「間隔」や、使い勝手に応じた寸法やレイアウトなど、真美堂さんと二人三脚で試作とリサーチを繰り返しました。より高い浮き出しを得るために、50種以上の用紙でテストを行いました。より高く、強く、文字が浮き出すようにと強く押し過ぎれば、破ける、皺が寄るなど、滑らかな読み(触り)心地が損なわれ、弱ければそもそも読めません。

凸版、凹版二つの版を使う浮き出し加工は、版の出来次第で、得られる高さに変化があることもわかり、試行錯誤を繰り返した末、2014年にようやく完成。

暖かなご支援をいただきながら、その後も細やかな改良を続け、2017年版の発売となりました。


量産の段階でも気は抜けず、一枚ずつ目視で確認しながら製造しているため「機械を使うとはいえ『手作り』みたいなもんです」と手塚さんは仰っていました。



バイリアフリーカレンダー 白地

白地タイプ



バイリアフリーカレンダー 白地

白地タイプ



バリアフリーカレンダー カラー・タイプ

カラータイプ



バリアフリーカレンダー カラー・タイプ

カラータイプ



「バリアフリーカレンダー 2017」は、表参道のスパイラルでお求め頂けますが、他にもお取り扱いをしてくださるお店を募集しています。詳細は、下記へお問い合わせください。



《製品名》バリアフリーカレンダー
《バリエーション》「白地タイプ」または「カラータイプ」
《外形寸法》T250 × W350(mm)(金具含まず)
《仕様》表紙含め13枚綴り/リング綴じ《小売価格》3,200円+税
※曜日のアルファベットはフォアフィンガー書体ではありません


○バリアフリーカレンダーの売り上げの一部は、盲導犬育成に最も実績のある、公益財団法人 アイメイト協会へ寄付いたします



有限会社真美堂手塚箔押所
URL : 真美堂手塚箔押所
MAIL : info@sinbido.co.jp
tel 03-3269-0656 fax 03-3269-0667


真美堂さんのwebサイトも御覧ください



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