本のはなし⑤ 夜の甘み

本のはなし⑤
夜の甘み

夜の甘み 装幀

夜の甘み 装幀


夜の甘み
伊藤啓
2010年 港の人

story

詩人伊藤啓子さんの第四詩集です。

デザインのこと

カバーのイメージは、原稿を読んでいて(そういった情景は描かれていないけれど)、ふと思い浮かんだ鉛筆のフロッタージュです。
さて、このフロッタージュ、いざ作ってみると意外と難しかったことを覚えています。活版印刷でお世話になっている製版所さんに凹版を作ってもらい、鉛筆で擦ってみると、角の部分のみ濃く、イメージしていた印影とならない。樹脂では角の部分にかかる力を面で受け止めてしまい、そこだけ鉛筆が強く載るようです。それではと、亜鉛腐食版で作ると、今度はうまくいきました。
書体はILMA(岩田細明朝体)。さらに空押しをして文字部分を凹ませています。
鉛筆のイメージのグレー色も一苦労でした。かなりシミュレーションを重ねましたが、結局校正刷りではイメージに合わず、本番の印刷で、インクを練ってもらいながら、決め込みました。
最終的には「え?」と思うほどメジウムを使って薄めた色になり、色チップでの指定も万能でないのだなと、改めて思い知らされた気がしました。
正木香子さんが、ご自身のコラムで素敵な文字評を書いてくださいました。

デザイン詳細

◎夜の甘み 装幀 ブックデザイン

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