本のはなし② ある島の可能性

本のはなし②
ある島の可能性

ある島の可能性 装幀

ある島の可能性 ミシェル・ウェルベック


ある島の可能性
ミシェル・ウェルベック 著  中村桂子 訳
2007年 角川書店

story

舞台は今から2千年後の未来。喜びも、恐れも、快楽も失った人類は、ネオ・ヒューマンと呼ばれる永遠に生まれ変われる肉体を得た。笑いも涙も消えた世界に生きるネオ・ヒューマンが、21世紀の祖先の自叙伝を読み解くところから、その愛と生命の物語は始まる…

デザインについて

静かに凪いだ水面。そして、その彼方に見える水平線。
生と性、人間の根源にある欲望や渇望を描くミシェル・ウエルベックの作品世界への誘いとして、クサナギシンペイさんによるこの装画以上のものは無いのではないかと今でも思います。
タイトルの文字は、戦前の書籍から拾い上げた活字を、無機的な罫線の箱の中に、ほんのすこしバランスを崩して収めたものです。未来世界を描くSF作品ですが、カバーの印象からは時代性を消したかったという思いがあり、ぱっと見はおかしくはないが、よく見ると「いびつ」なバランスにすることで、外国で見かける日本語のような不安定さ作り、奥行きのある装画とのギャップを狙いました。
カバーにはヴァンヌーボVスノーホワイトを使い、ぬめっとしたマットな質感に仕上げる一方で、表紙ではコート紙+銀刷り+グロスPP仕上げとし、本の強度を上げると同時に、プラスチッキーな仕上げとすることで、ここでもギャップ作り、あえてバランスを崩しました。
ウェルベックのファンからは「これが一番好き」という人も多い作品で、単行本としては絶版となった後は、中古市場では、結構なプレミアがついていました。(その後、河出書房より文庫化されました)

デザイン詳細

◎ある島の可能性 装幀 ブックデザイン

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