誰も知らない太宰治 装幀

誰も知らない太宰治 装幀


誰も知らない太宰治
飛島蓉子 著
2011年 朝日新聞出版

story

太宰治・初代夫妻と住まいを共にした飛島家、その長女蓉子氏が、父母から繰り返し聞かされた素顔の太宰治を描くエッセイ集です。

デザインのこと

原稿を読みながら、大沼ショージさんが手刷の活版印刷機のローラーで刷り上げた、『石』というアートワークを思い浮かべていました。
オリジナルのアートワークは墨を用いて白い紙に刷られたものですが、墨を銀に置き換え、漆黒の上に刷り上げることで、月の光を鈍く反射する川の水面のように見えるのではないかと思いました。
大沼さんの快諾を得て、版を作りました。銀と黒のコントラストを強調するため、一番濃いスーパーブラックを使いました。銀2度刷りを試しましたが、階調が無くなり、平坦な印象になったため、1度刷りにしました。タイトルの箔押しは、銀の上に重ねたところ、想像以上に銀が透け、中途半端な印象となったので、ヌキアワセとし、強いコントラスを得ました。
本文用紙には、少しピンクがかった中質紙を選びました。一般的に中質紙は、同じ斤量の他の用紙に比べて厚いため、束を増やし、本の存在感より強く出すことが出来ます。
さらに軽いため、カバーの「重い」印象から中身を想像して持ち上げるとちょっと驚きます。
この装幀について、「デザインの引き出し」編集長、津田純子さんがコラムで取り上げてくださいました。

デザイン詳細

◎誰も知らない太宰治 装幀 ブックデザイン

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