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ゲラを読み、どのように読者に届けるか、重さや手触り、厚さなど、立体としての本の在り方を考え、用紙や部材の選定を行い、仕様に落とし込んでゆく。そうして作った仕様に則り、束見本を作って貰う。束見本とは、いわば本の試作品だ。実際の本と違うのは、印刷されていないこと。一見真っ白な本にしか見えないが、実は様々な思いが反映されているものでもある。固い内容なのか、柔らかめなのか、読み物なのか、写真を使うのか、イラストを使うのか、シャープな顔つきがいいのか、手にじわりとなじむ方がいいのか、耐久性やコストなどの問題もクリアしつつ、様々な用紙や部材、無限の選択肢から内容に見合う本の在り方をかたちにする。これもデザインの仕事だということは意外と知られていないようだ。
もし興味があれば、好きな本を目を閉じて触り、開いてみて欲しい。そこで感じた手触りからも、その本で描かれた世界が感じられるように作られているものも少なくないはずだ。(そうでないものも多いのは残念なことです)

数年前、真っ白な本を作ったことがある。ゲラを読んで、本そのものが全てを生み出す存在、光であるといいと思った。当初案として検討したのは、雲母紙を使い、カバーには、タイトルも著者名も印刷しない。バーコードのみ。それは流石に版元からNGとされた。少し落ち込みながら、その案を改めて眺めると、それは光の塊ではなく、束見本だった。思惑と現実とのギャップ。巻き返しを図るため案を分解する。タイトルの活字をカッターを用いて一文字ずつ分解し、何気なく束見本に置いてみた。すると表紙に一文字あることで、唯の白い平面に影が落ち、立体になったように感じた。紙の束が生気を帯びるように本の顔つきになった。光を見るためには、影もないと見えないのだな、と思った。姜信子さんの「はじまれ」というタイトルの本は、そうして光を纏った。
写真の束見本は、最近出来上がった並製320pのもの。ここにも様々な思惑が詰まっている。どのような本になるか、どうぞお楽しみに。



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La Collina vol.07
北之庄の土と水
たねやグループPR誌

Photographs : 川内倫子 Rinko Kawauchi / 大沼ショージ Shoji Onuma / 新居明子 Akiko Arai
Text : 千葉望 Nozomi Chiba
Ilustration : 波多野光 Hikaru Hatano / 阿部伸二 Shinji Abe
Styling(表4): 四分一亜紀 Aki Shibuichi
Creative Direction : 丹治史彦 Fumihiko Tanji(信陽堂編集室 shinyodo edit brico)
Edit : 信陽堂編集室 shinyodo edit brico
Printing Direction : 浦有輝 Yuuki Ura(アイワード iWORD)
Printed and bound : アイワード iWORD
Art Direction : 関宙明 Hiroaki Seki
Design : 関宙明 Hiroaki Seki / 小荒井良子 Ryoko Koarai
CLIENT : たねやグループ Taneya Group

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1月末に発売された「うれしい手縫い」が早くも重版の運びとなりました。多くの方々に楽しんでいただけているようで何よりです。アートディレクション+デザインも、いつも以上にきめ細かな作り込みが出来ました。是非お手にとっていただけたら幸いです。巻末に付録もついてますし。

うれしい手縫い


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愛知川の源流を求めて山に入った。永源寺を越え、杠葉尾と呼ばれるあたりから雪が強くなってきた。蛭谷を過ぎ、小さな看板を頼りに、細く薄暗い山道を走り続けると、かつての茅葺き屋根を収める、とがったトタン屋根が立ち並ぶ小さな集落へと出る。鈴鹿山脈山中にある君ヶ畑へ初めて訪れたのは、こんな日だった。


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木地師発祥の地と言われ、かつて日本中の木地師たちがこの地で氏子帳に名を連ね、日本中に散っていった。その後君ヶ畑へは四季を通じて訪れたが、雪を見たのはこの時のみ。湖東の山中は湖北ともまた違った独特の湿気のようなものがあり、毎年この時期になると、寒さと共に、その湿度というか、気配のようなものが身体の芯に蘇ってくる。各季節毎に格別の趣きがあるけれど、下山中、蛭谷の二叉あたりから空を覆っていた雲がにわかに薄くなり始め、やがて視界一面がやわらかな光に包まれたという記憶と共に、自分の中の特別な場所に納まっている。


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今年も「クリエイター100人からの年賀状」展が、竹尾見本帖本店にて開催中です。
ミスター・ユニバースの今年の年賀状は「一陽来復」。お近くにお越しのご用がありましたら、お立ち寄りください。

クリエイター100人からの年賀状展

2016年1月21日|木|―2月26日|金|
10:00-19:00 ※1月21日|木|は17:00まで(※土日祝/休)


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冬と夏、年に2度北海道の印刷所さんへ立ち会いに行っている。工場は石狩にあり、この時期の石狩川は流れが凍り、表面は雪に覆われる。そこで地元の人々はワカサギ釣りに興じるらしいのだけれど、最近は綺麗な色のテントを建てたりして、なんだか別の遊びをやっているようにも見える。ドイツ人写真家、Peter Bialobrzeskiの写真集にもこんなシーンがあったような。

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印刷の話は、また改めて。


近江八幡市 移住者支援リーフレット

近江八幡市 移住者支援リーフレット

近江八幡市 移住者支援リーフレット

近江八幡市 移住者支援リーフレット

近江八幡市
移住者支援リーフレット

Photographs : 川内倫子 Rinko Kawauchi / 大沼ショージ Shoji Onuma
Text : 渡辺尚子 Naoko Watanabe / ピーターD. ピーダーセン Peter David Pedersen
Creative Direction : 丹治史彦 Fumihiko Tanji(信陽堂編集室 shinyodo edit brico)
Printed and bound : アイワード iWORD
Art Direction / Design : 関宙明 Hiroaki Seki
CLIENT : 近江八幡市 omihachiman City

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